著者
宗森 純 由井薗 隆也 山元 一永 長澤 庸二
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.26, pp.1-6, 1996-03-14

ネットワークで接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を用いて遠隔地間でゼミを行う遠隔ゼミ支援システムRemoteWadamanを開発した.本システムは知的生産支援システムWadamanにグループウェア機能を付加し,新たに開発した画像・音声用コミュニケーションツールNetGearと併用したものである.本システムを用いて鹿児島大学(鹿児島市)と東北大学電気通信研究所(仙台市)間で遠隔ゼミを2回行った.その結果,従来のゼミと比較してもRemoteWadamanを用いた遠隔ゼミは大筋では遜色ないが,同時に使用できる計算機の台数が実用的には4台と少ないために,ゼミ特有のインタラクティブな部分が不十分であることがわかった.We have developed a remote seminar support system named RemoteWadaman. RemoteWadaman was implemented on a network, consisting of four personal computers and cheep input equipments. RemoteWadaman is based on an intelligent productive work card support system, named Wadaman, and a multimedia communication tool, named NetGear. We tried remote seminar between Kagosima University and Tohoku University twice. The results of trial was that RemoteWadaman was sufficiently effective for a remote seminar, but, insufficient about interaction between participants.
著者
吉田 壱 宗森 純 首藤 勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.23, pp.1-6, 1997-03-06
被引用文献数
1

ネットワークで接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を用いて遠隔地間でのゼミを支援する遠隔ゼミ支援システムを開発した.本システムは知的生産支援システムWadamanに共有カーソルなどのグループウェア機能を付加し,新たに開発した画像・音声用コミュニケーションツールNetGearと併用したものである.本システムを用いて大阪大学(豊中市)と鹿児島大学(鹿児島市)の2地点間で20回,そして東北大学電気通信研究所(仙台市)も加えた3地点間で5回遠隔ゼミを行った.We have developed a remote seminar support system named RemoteWadaman. RemoteWadaman was implemented on a network, consisting of personal computers and cheap input equipments. RemoteWadaman is based on an intelligent productive work card support system, named Wadaman, and a multimedia communication tool, named NetGear. Some functions, for example, shared cursors, were added for groupware. We tried remote seminar between Kagoshima University and Osaka University 20 times and among 3 sites, added Tohoku University to them, 5 times.
著者
宗森 純 吉田 壱 由井薗 隆也 首藤 勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.447-457, 1998-02-15
被引用文献数
17

インターネットで接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を用いて遠隔地間での研究指導を支援する遠隔ゼミナール支援システムを開発した.本システムは知的生産支援システムWadamanに共有カーソルなどのグループウェア用の機能を追加したRemoteWadamanと画像・音声コミュニケーションツールNetGearとを組み合わせたものである.本システムを用いて1年間にわたって大阪大学と鹿児島大学の2地点を結んで20回,東北大学と大阪大学,鹿児島大学の3地点を結んで5回の合計25回の研究指導(ゼミナール)を行った.その結果,本システムを用いた遠隔ゼミナールでは従来の対面のゼミナールと比較して1人あたりかかった平均時間などには大差なく指導できたが,対面独特の緊張感が弱まる傾向にあることが分かった.また,3地点を結んで遠隔ゼミナールを行うことによって異なる大学の学生が1つのゼミナールに同席し意見を出し合うことは利点ではあるが,第三者が割り込んで発言しにくいことが分かった.さらに通信状況がネットワークの混雑の度合いに大きく依存していて,3地点を結ぶと2地点と比較して通信が切断することが多くなることが分かった.We have developed a remote seminar support system which consists of personal computers and inexpensive input equipments.The software of the system consists of RemoteWadaman and NetGear.RemoteWadaman is an intelligent productive work card support system for collaboration and NetGear is a multimedia communication tool.This newly developed remote seminar support system was used on Internet.We have tried the remote seminar via Internet between two places of Osaka University and Kagoshima University 20 times and among three places of Tohoku University,Osaka University,and Kagoshima University 5 times.This Internet experiments shows that almost same seminar time per person was required as conventional seminar in the room and a remote seminar with Internet,however,aweaker tense atmosphere of student compared to the conventional seminar in the room was existed.The advantage of the seminar among three different places is the intellectual trigger because of simultaneous participation of different universities sutdents at the same seminar.The disadvantage,however,was a difficulty in participation of third person at this Internet seminar.Another disadvantage was more of ten communication disconnection among three places if compared to two places.This is because of more often traffic congestion of networks among therr places.
著者
新原 弘明 伊藤 淳子 宗森 純
雑誌
2016年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016-09-16

リッチなコミュニケーションを提供するために心拍数伝達システムを提案する。本研究の目的は、ユーザに与える効果を比較検討することである。既存のオンラインゲームと共にスマートウォッチを使用した本システムを用いて、システムの効果を検証する。
著者
宗森 純 五郎丸 秀樹 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1350-1358, 1995-06-15
被引用文献数
20

本論文では、3台もしくは4台の計算機上で発想支援グノレープウェア郡元を用いて分散協調型KJ法を同]室内と分散した環境(同一階の異なる部屋および異なる階)で行い、意見の数、所要時間、文章の文字数、雑談の数などをパラメータとし、分散した環境が発想支援グループウェアの実施に及ぽす影響を検討した。分散協調型KJ法は複数の計算機上で意見をだし、似ている意見をまとめ、そこから結論を得る発想法の一つである。郡元はテキストベースの雑談機能(チャット)で参加者間のコミュニケーションをとることに特徴がある。実験の結果、異なる階にまたがって分散携調型KJ法を実施すると雑談の数のみが他の場合と比較して増加し、分散した環境(同一階および異なる階)では同一室内と比較すると相手に返事を求める雑談の割合が増加することがわかった。しかし、同一室内でも分敵した環境でも意見の数や文章の文字数、所要時剛こ大差はなかったため、空間的に分散した環境でもテキストベースでコミュニケーションが十分とれることがわかった。
著者
宗森 純 木村 鷹 伊藤 淳子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.176-188, 2017-01-15

温度知覚インタフェース「サーモアクター」を持ち表情アイコンを使用する感情伝達システム「Ther:com」を提案する.本システムは対戦ゲーム場面における利用者間の感情表現を豊かに伝えることをめざし,通信相手に対して「温度刺激」と「表情アイコン」を伝達することができる.また,参加者が同時に表情アイコンを送信したときに発生する共鳴に特徴がある.Ther:comの評価を検証するため温度刺激がある場合とない場合で比較実験を実施した.実験にはパズルゲームの一種の「ぷよぷよ」を使用して感情や存在感の伝達,ゲームの臨場感や面白さに関して検討を行った.実験の結果,温度刺激を付加したことにより以下のことが分かった.(1)温度刺激のある嬉しさの強い感情を示すアイコンが有意差が出るほど多く伝達された.(2)「相手の存在を身近に感じた」「表情アイコンは感情共有に役立った」「共鳴機能は感情共有に役立った」の評価が有意差が出るほど向上した.(3)面白さに関する「盛り上がり」と「またやってみたい」の評価が有意差が出るほど向上した.
著者
由井薗 隆也 宗森 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2635-2648, 2012-11-15

年,Webでは集合知と呼ばれる多くの人々を活用した知性が注目されている.集合知を実現するための条件をSurowieckiは多様性,独立性,分散性,集約性の4つにまとめている.今回,複数グループによる分散協調型KJ法で出された意見を用いることによって,集合知を指向した会議を検討した.第1段階目は,十数人の人々が独立したグループに分かれて分散協調型KJ法を行う.第2段階目は,それら結果を集約または集合させて分散協調型KJ法を行う.実験結果より,(1)集約性の高い会議技法においてまとめ文章の結果が良いこと,(2)その会議技法の参加者は第1段階目と関係ない参加者でも良い結果を導き出せる可能性が分かった. : A collective intelligence with groupware technology has been expected to produce good results. J. Surowiecki proposed success of the intelligence to be endowed with the four conditions: diversity, independence, decentralization and aggregation. A conference technique is considered to support the four conditions. In this consideration, the cooperative KJ method is carried out with more ideas obtained from some ten conferences by some groups in the first step. The technique utilizes all ideas or good ideas selected from previous ordinary conference in the second step. The experimental results showed that (1) the conference with good ideas had good aggregation and produced good results, and (2) the meeting had good performance by another group, not participated in the previous conferences, too.
著者
小林右京 伊藤淳子 宗森純
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.763-765, 2015-03-17

現在,個人やグループにおいて数多くのRPGが制作されている.個人やグループといった少人数でのRPG制作におけるシナリオライターの役割とは,シナリオを制作するだけにとどまらず,それ以外にもシステムの制作など数多くの作業にたずさわらなければならない場合がある.その中で,シナリオの制作は非常に負担となる作業である.そこで,本研究ではシナリオ作成者の負担を軽減するため,ストーリーの印象を入力することで,その印象に沿ったRPGのプロットを自動生成し,また,シナリオ作成の支援を行うシステム「RPGプロットメイカー」の開発を行う.
著者
重信 智宏 野田 敬寛 吉野 孝 宗森 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.255-266, 2004-01-15
被引用文献数
3

無線LANとPDAを用いた柔軟な授業支援システムSEGODON-PDAを開発した.従来の固定型の授業支援システムは,計算機室などの計算機を設置した教室のみでしか実施できず,管理に手間がかかるという問題があった.PDAは比較的安価であり,携帯性に優れるため,柔軟なシステムの運用が可能である.SEGODON-PDAは,内容の異なる2つの授業に対する支援を行う.講義形式の授業では,学生が授業中に演習問題を授業用のウェブサイトからPDA上にダウンロードし,そこで解答する.学生は,PDAを持ち,画面上の解答を見ながら板書する.また,宿題をPDA上にダウンロードし,次回の授業までに教室外で解答を行う.発想法を学ぶ実習形式の授業では,PDAを用いたアイディア収集や発想法の結果を無線LANとPDAを利用して口頭発表を行う.開発したSEGODON-PDAを大学3年生の2種類の授業へ適用した結果,以下のことが分かった.(1)無線LANとPDAを用いたSEGODON-PDAは,講師と学生との対話性のある支援が行え学生から高く評価された.(2)様々な授業内容に対する支援が可能であり,教室外での宿題や予習などにも利用可能であった.We have developed a flexible lecture support system using PDAs and wireless LAN, named SEGODON-PDA. A conventional fixed lecture support system has been carried out only in the classroom such as a computer room. The problem is the trouble of management. PDAs are comparatively cheap and their portability is good. A flexible system can be built using PDAs. The system can support two types of lectures. We applied SEGODON-PDA to a lecture-type class. Students could download the contents for the lecture using a wireless LAN in class and could write something on a blackboard while carrying and seeing a PDA. They could do their homework outside of the classroom. We applied SEGODON-PDA to an exercise-type class. Students could collect ideas for the exercise of an idea generation method. They make a presentation about results of the exercise using their PDA with a wireless LAN. We have applied the system for third year students. The results of the applications are shown below. (1) The results of the application show that SEGODON-PDA is effective and highly evaluated. The class became interactive between the lecturer and students. (2) The system could support several types of lectures. The system could also support the homework or the preparation outside of the classroom.
著者
趙 新博 由井薗 隆也 宗森 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.6, pp.1-6, 2015-03-05

プレゼンテーション能力は社会スキルとして重要であり,その表現はシナリオ表現,スライド表現,身体表現,音声表現,質疑表現にまとめられる.その中,実演に必要な身体表現や音声表現の理解を支援するプレゼンテーション支援システムの開発を行った.そのシステムは身体表現の検出・記録機能,音声表現の検出・記録機能,スライド操作の記録機能とから成り立つ.本報告では,その開発について述べるとともに,開発システムの評価計画や試用について考察する.Presentation skill becomes important as social skill, and its representation consists of scenario, slide, body, voice, and QA. We have developed a presentation support system to support understanding of body expression and voice expression in performance of presentation. The system has the function of body expression, the function of voice expression, the record function of slide control, and the real-time feedback function. And then, we described an evaluation plan of the system and discussed its preliminary usage.
著者
宗森 純 原田 利宣 吉野 孝 伊藤 淳子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

絵文字のみで外国人とコミュニケーションをとることを目標とし,日本人と外国人との絵文字アイコンおよびその文章に関する差違を明らかにする研究を行った.その結果,日本人は正解の場合は丸(○)を使うが,外国人はチェックマーク(.)を使うなど,スラングなどを含め,各言語の特徴をそのまま絵文字に引き継いでいることが示唆された.また,日本人は基本的に絵文字でもSOVの文法で記述し,外国人は基本的にSVOの文法で記述するが,日本人でもSVOで記述することがあることが明らかとなった.
著者
吉野 孝 井上 穣 由井薗 隆也 宗森 純 伊藤士郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.2788-2801, 1998-10-15
被引用文献数
16

インターネットに接続されたパーソナルコンピュータと比較的安価な入力機器を利用した,40台の計算機が利用可能な遠隔授業支援システムを開発した.本システムは,遠隔地にいる教官が,計算機演習室に集まった学生に対して講義を行う形の遠隔授業を支援する.教官側には,リモコンカメラによる教室の映像が常時表示されており,学生のいる教室には教官の上半身の映像が常時スクリーンに表示されている.学生との質疑応答時には,教官と学生は映像と音声を用いて直接接続され,1対1のコミュニケーションを行うことができる.さらに,教官用および学生用共有カーソル,板書システム,ノートシステムなどを備えている.本システムを,大阪大学と鹿児島大学,鹿児島大学内の異なる建物,計算機演習室内での授業の3つの授業に適用した.その結果,今回適用を行った授業において,授業の理解は,本システムを用いても十分得られた.We have developed a supporting system for destance learning classrooms via Internet,which can consist of 40 personal computers and inxpensive input equipment.This system may support a classroom,in which a teacher lectures for students in a remote computer practicing room.In the teacher side,a picture of the classroom es always displayed by a remote control camera,and the upper half of the teacher's body is always seen on a screen in the classroom.For questions and answers a direct connection between the teacher and any student in the classroom can be set up for video and audio signals.Additionally,this system is equipped with shared cursors between a teacher and students,a blackboard systemand a note system.Three kinds of distance learning classrooms have been tried;(1)between Osaka University and Kagoshima University,(2)between two buildings in Kagoshima University,and(3)within a computer practicing room.In these applications,it has been found that better understanding may be perfomed for students by this system.
著者
宗森 純 吉野 孝 湯ノ口 万友
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.67, pp.15-22, 2000-07-21
被引用文献数
4

発想支援グループウェアGUNGEN-Spiralを開発した.GUNGEN-Spiralは,アイディアの収集,アイディアの保存,アイディアの共有,発想支援,アイディアの再利用を支援する.本システムは,PDA(Personal Digital Assistant)上で動作するGMemo,マルチメディアデータベースWadaman (Whole mediA DAta MANagement system),アイディア共有システムWWWW (World Wide Web Wadaman,以下W4)および発想支援グループウェア郡元で構成されている.利用者はGMemoを利用した手書き文字入力で,いつでもどこでもアイディアを収集できる.収集されたアイディアは,Wadamanを経由し,W4を利用して,インターネットを介してメンバー全員で共有される.また,それらの手書きのアイディアは郡元で直接利用することできる.郡元の結果のアイディアは,次のアイディアとしてさらに再利用することができる.本稿では,GUNGEN-Spiralの開発とその試用について述べる.We have developed an idea generation support system, called GUNGEN-Spiral. GUNGEN-Spiral supports collecting ideas, saving ideas, sharing ideas, getting their ideas in shape and reusing ideas. The system consists of GMemo running on a Personal Digital Assistant (IBM WorkPad), Wadaman (Whole mediA DAta MANagement system), WWWW (World Wide Web Wadaman, W4) and GUNGEN (GroUpware for a New idea GENeration support system). Users can collect and input ideas in free handwriting using GMemo immediately anytime and anywhere, and the ideas are saved in Wadaman and shared all together using W4 on the Internet. Moreover, participants use those ideas as data for GUNGEN directly. We can reuse the results of GUNGEN as topics for further ideas. We have applied this system on a trial basis.
著者
吉野 孝 宗森 純 湯ノ口 万友 泉 裕 上原 哲太郎 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.2382-2393, 2000-09-15
被引用文献数
19

携帯情報端末(PDA)上で動作し,発想一貫支援グループウェア郡元のデータ収集部分を担当するGMemoを開発した.GMemoは,思いついたときに,いつでも,どこでも,また,入力もれなく使用できるよう開発したソフトウェアである.GMemoの特徴は,手書きデータを郡元で利用可能な情報として直接利用していることである.PDAを用いたデータ収集の実例として,和歌山大学システム情報学センター教職員にPDAを携帯してもらい,思いついたときに,自由にメモやアイディアを記入する実験を行った.約5カ月間にわたって収集されたメモやアイディアは大きく分けて,センター業務の改善に関するものと,利用したGMemoの改善についてであった.収集された手書き入力のアイディアを直接利用して,郡元を用いてKJ法を実施した.それらの結果から,PDAによるデータ収集は有効であることを示す.We have developed data collecting software, called GMemo (GUNGEN Memo), running on a Personal Digital Assistant (PDA). GMemo is a piece of input equipment for GUNGEN. GUNGEN is a groupware for a new idea generation consistent support system. Users can collect data for the KJ method using GMemo easily with no omission, and input ideas in free handwriting. We thought that such sudden ideas need to be stored in anytime and anywhere. The feature of GMemo is using handwriting data as input data for GUNGEN directly. We requested members of the Wakayama University Information Science Center to use GMemo regularly. They have used GMemo for about five months. The kinds of collected data were about the improvement of centers works and the improvement of GMemo.We carried out KJ method using handwritten data collected by GMemo. In this paper, we describe the result of the data collection using GMemo and the result of KJ method using handwritten data collected by GMemo. Furthermore, we show the effectiveness of the data collection using PDA.
著者
伊藤 淳子 宗森 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.31, pp.127-132, 2008-03-21

本稿では,テキストコミュニケーションにおいて心情を伝えるために一般的に用いられる顔文字に注目し,ユーザが表現しようとしている非言語情報を推定する.そして,感情を反映すると言われる表情や視線の動きといった非言語情報を視覚的に表現することのできる擬人化エージェントを使ったチャットシステム上でも,対面対話において現われる対話の雰囲気を再現できるよう,雰囲気と顔文字,非言語情報との関連性について分析する.In this research, we analyze the relationships among smiley, nonverbal expressions, and atmospheres during chat with emotional characters. People use smiley to convey the user's emotions. We focus on the smiley to deduce the user's mental state aiming to apply to chat system.
著者
由井薗 隆也 宗森 純
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.12, pp.1-8, 2011-01-14

近年,インターネットの主要サービスである Web では集合知と呼ばれる多くの人々を活用した知性が注目されている.集合知を実現するための条件を Surowiecki は多様性,独立性,分散性,集約性の 4 つにまとめている.今回,複数グループによる分散協調型 KJ 法で出された意見を用いることによって,集合知を指向した会議を検討した.第一段階目は,多くの人々が独立したグループに分かれて分散協調型 KJ 法を行う.第二段階目は,それら結果を集約または集合させて分散協調型 KJ 法を行う.実験結果より,(1) 集約性の高い会議技法においてまとめ文章の結果がよいこと,(2) その会議技法の参加者は第一段階目と関係ない参加者でもよい結果を導き出せる可能性がわかった.A collective intelligence with groupware technology has been expected to produce good results. J. Surowiecki proposed success of the intelligence to be endowed with the four properties: diversity, independence, decentralization and aggregation. A conference technique is considered to support the four conditions. In this consideration, the cooperative KJ method is carried out with more ideas obtained from many conferences by many groups. The technique utilizes all ideas or good ideas selected from previous ordinary conferences. The experimental results showed that (1) the conference with good ideas had good aggregation and produced good results, and (2) the meeting had good performance by another group, not participated in the previous conferences, too.
著者
宗森 純 堀切 一郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.143-153, 1994-01-15
被引用文献数
28

ネットワークで結合された複数台の計算機による発想支援システム郡元(Groupware for new idea generation support system)を開発した。本システムは分散協調型KJ法と知的生産のためのカードシステムを計算機上で融合したものである。KJ法は川喜田二郎によって開発された(頭文字をとってKJ法)手法で、複数の人による発想法の体系的技術の一つである。分散協調型KJ法は複数の計算機上で行われる。参加者はテーマに添って意見を出し、それを類似性によっていくつかのグループに分け、そこから結諭を導き出す。本システムの特徴は、分散協調型KJ法の結果をカードシステムを模擬したデータベースに自動的に保存し、再利用できるようにしたことにある。本諭文では郡元を3台もしくは4台で行う分散協調型KJ法の学生実験に適用した緒果と紙面上で行ったKJ法の結果とを、意見の数、文字数、かかった時間などをパラメータとして比較して述ぺている。
著者
由井薗 隆也 宗森 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.30-42, 2007-01

近年,組織活動のために知識が重要であるという認識が高まり,様々な企業が知識経営に取り組んでいる.そのなか,大学の研究グループにおける知識創造活動を支援するグループウェアを検討するために,組織のダイナミックな知識創造モデルとして提案されたSECIモデル(共同化,表出化,連結化,内面化から構成されるモデル)を参考としたGUNGEN-SECIの研究を進めている.GUNGEN-SECIでは,セマンティックチャット機能によりグループ活動である電子ゼミナール中のデータ収集を支援してきた.本論文では,セマンティックチャットによって収集されたチャットデータをXMLデータに変換し,SECIモデルの表出化と連結化を支援する仕組みについて述べる.表出化ではセマンティックチャットデータを用いた分散協調型KJ法により概念形成を試みる.連結化では,そのKJ法の結果として得られた図解とセマンティックチャットデータのタグ情報を組み合わせた知識の抽出を支援する.適用結果より,(1)セマンティック情報をタグとして埋め込んだチャットデータの中から選んでデータを使用すると,分散協調型KJ法の概念形成結果である島数,および,まとめ文章の文字数が有意に増加すること.(2)グループ行動を記録するために埋め込んだタグ情報と表出化である分散協調型KJ法の結果を連結することにより,表出化のみでは得られない新たな知識獲得を支援できることが分かった. : Organizations recognize an importance of knowledge for their activity and tackle the knowledge management. GUNGEN-SECI has been studied for supporting the knowledge creative process called SECI model, which consists of four steps (socialization, externalization, combination and internalization), in order to support a knowledge creative work such as a research education in a university. The model was proposed by Nonaka for the explaining dynamism of interaction between explicit knowledge and tacit knowledge within an organization. GUNGEN-SECI has a semantic chat function to collect the chat data within an electronic seminar as a group work. In this paper, XML data converted from the collected chat data are applied to the support of externalization step and the combination step. In the externalization step, a concept formation is carried out by the distributed and cooperative KJ method using the chat data. In the combination step, a knowledge acquisition is supported by combining the semantic tag from the group work with the concept map obtained from the externalization step. The application results showed the possibility as follows: (1) The chat data selected with the semantic information increased the number of islands and the number of characters of a conclusion sentence obtained through the distributed and cooperative KJ method significantly. (2) Combining between the tag information collected from a group work and the result of the KJ method leads to a new knowledge acquisition beyond the previous externalization step.
著者
牟田 智宏 吉野 孝 宗森 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.98, pp.25-30, 2001-10-18
被引用文献数
1

PDA(携帯情報端末)は小型軽量のため,データ収集などに広く使われている.PDAは持ち運ぶことを前提としているため,どこで入力したか,どこにいるのかという位置情報が重要である.位置情報を携帯電話やPHSとGPSとを組み合わせて知らせるサービスは多数あるが,多くは一方向にデータを送るシステムであり,相互にデータを送るシステムは少ない.そこでPDAとGPSそれにPHSとを用いてリアルタイムに位置情報やチャットを行える双方向性のあるシステムであるNAMBAを開発した.NAMBAは大阪ミナミ周辺を対象として,お互いの位置情報を交換し,お互いに離れたところにいる人がリアルタイムにコミュニケーションを取れるシステムである.実験の結果から,離れた相手とのコミュニケーションに位置情報とチャットは重要なことがわかった.PDA (Personal Digital Assistant) is highly portable, and can collect data in anytime and anywhere. The positioning data will become important for a PDA. Most of systems using PDAs have one-way communication. So, we should develop two-way (mutual) communication system.We developed the two-way system which sends positioning information and messages to each other using PDA with PHS and GPS on real time. We applied this system to the area of Osaka Minami. From the result of these experiments, we found that positioning information and chats were important for communication with the disconnected partner.