著者
一宮 孝至 大住 政寛 小林 靖尚 長坂 健司 井上 雅文
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.14-19, 2021-01-25 (Released:2021-01-30)
参考文献数
17

特別養護老人ホームとして使用される延床面積1977.75m2の鉄筋コンクリート造建築,および,同等の規模と機能で設計した木造建築について,材料製造,輸送,建設,解体における温室効果ガス (GHG) 排出量をライフサイクルアセスメントによって算出した。GHG排出量は, 木造建築で592.3 t-CO2eq,鉄筋コンクリート造建築で1155.6 t-CO2eqとなり,木造建築の優位性が示された。木造建築において準耐火構造を耐火構造に変更するとGHG排出量は6.5%増加し,基礎構造を杭基礎に変更するとGHG排出量は8.4%増加するが,木造建築の優位性はそれらの変更後も保たれた。重量カバー率とGHG排出量の関係を検討したところ,軽量な部材であっても原単位の大きな部材の影響が大きいことが確認された。
著者
前田 憲多郎 岩井 克成 小林 洋介 辻 裕丈 吉田 誠克 小林 靖
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.198-201, 2018 (Released:2018-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は受診時51歳女性.6年前より頸部の重みを自覚.1年前から頸部伸展障害が増悪し,歩行障害が加わった.首下がりを主訴に当院を受診した.頸部伸展筋力低下,構音・嚥下障害,頻尿・便秘を認め,両側バビンスキー徴候陽性であった.歩行は小刻みかつ痙性様であった.頭頸部MRIで延髄・脊髄の萎縮を認めた.遺伝子検査でGFAPに本邦ではこれまで報告のない変異p.Leu123Pro(c.368T>C)を認め延髄・脊髄優位型アレキサンダー病(Alexander disease; AxD)(2型)と診断した.首下がりを呈する(AxD)の報告は散見されるものの,本例は首下がりを初発症状とした点が特徴であり,その機序に対する考察を加えて報告する.
著者
小川 哲史 新井 英夫 渡部 登志雄 小林 靖子 森川 昭廣 丸山 健一 服部 浩明 江頭 徹
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.171-175, 1998

我々は,血漿アポEの高値および特徴的な腎組織像からリポ蛋白糸球体症と診断した4歳発症の女児例を経験した。本例は検索した範囲では世界最年少例と思われた。<br> 本症の病因の一つとしてリポ蛋白代謝異常が示唆されているため,患児のアポEの検索を行った。表現型と遺伝子型に不一致がみられたことより,さらに検索を進めたところ,アポE遺伝子exon 4において9塩基の欠失 (480-488nt) が認められた。これによって合成される患児のアポEは,3個のアミノ酸 (Arginine,Lysine,Leucine) が欠け,296個のアミノ酸から成る変異体であると推測された。また,現在無症状である母親および弟にも同遺伝子変異が確認された。この変異はアポEにおいてレセプターとの結合領域と考えられている部分に存在しており,これによって生じる変異体はリポ蛋白代謝異常さらには本症の発症に何らかの形で関与している可能性が示唆された。
著者
小林 靖昌
出版者
日本ヤスパース協会
雑誌
コムニカチオン (ISSN:13473174)
巻号頁・発行日
no.10, pp.280-281, 1999-03-31
著者
瀬戸嶋 政勝 小林 靖幸 田中 宏明 栗林 善昭 井上 尚美
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.229-233, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

Since ankylosing spondylitis (A. S.) tends to be milder and less progressive in women that in men, there are great difficulties in early diagnosing A. S. in female patients. We report a case of A. S. in a woman. A 22-year-old woman with a 6-year history of A. S. was admitted to our hospital in Mar., 1987. The initial sign was gait disturbance due to severe left hip joint pain. Laboratory findings included an almost normal complete blood count, blood chemistry and urinalysis. The ESR at that time was 51mm/h, CRP was 2 puls, rheumatoid factor was negative and HLA B-27 antigen was detected.The plain roentgenogram revealed a narrowing of the joint space and an ankylosing change in the bilateral hip and sacroiliac joints. Routine X-ray examination of the spine showed an almost normal view. An open biopsy of the hip joint showed histopathologically nonspecific chronic inflammatory findings. A Tc-99m scintigram on Feb. 9, 1982 showed an increased activity area in the bilateral hips and sternoclavicular joints, in the sacroiliac joints especially in the iliac sides, and in a part of the cervical spine. This activity began in the early stage of A. S. However, a plain roentgenogram of these joints at that time showed normal findings.If history, clinical and laboratory findings lead to a suspicion of A. S., and there is little significant change by roentgenographic studies, the whole body scintigraphy is useful for the early diagnosis of A. S. in female patients.