著者
小澤 徹
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
総合講演・企画特別講演アブストラクト (ISSN:18843972)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.Spring-Meeting, pp.1-17, 1998 (Released:2010-07-01)
参考文献数
75

時間に依存した非線型シュレディンガー方程式の解の長時間的挙動を散乱理論の見地から解説する. 初めに短距離型の相互作用を扱う基本的枠組を設定し共形冪及びシュトラウスの臨界冪が自然に導入される事情を説明する. 次にこの方法論がクーロン型の長距離相互作用に及んで破綻に至る様子を述べそこに現れる発散の困難を解決する為の非線型散乱理論の長距離理論構築に向けての着想を紹介する. 一方, 非線型項が準斉次型であれば共形又は優共形冪に対して藤田・加藤の原理 (尺度不変性の原理) が成立する事を示す. これにより臨界指数のソボレフ空間に於る小さなデータの散乱理論の成立が従う. 更に同理論が丁度意味を失う限界に於て指数型増大度が臨界非線型性を記述する理由をソボレフの埋蔵定理の臨界現象との関連で明らかにする. 最後に未解決問題に言及する.
著者
志田 嘉次郎 浜垣 秀樹 小澤 徹 田賀井 篤平 藤田 宗孝 片山 武司 鈴木 美和子 東江 昭夫 森 君江 黒岩 常祥 田中 光明 植木 昭勝 田中 亘 中田 好
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.22-34, 2000-03

停年を迎えるにあたって/志田嘉次郎先生を送る/退職にあたって思い出と感謝/小澤先生を送る/退官にあたって/藤田さんを送る/理学部での40年間を振り返って/鈴木美和子さんを送る/二つの幸せ/森さんを送る/数々の思い出から/田中さんを送る/退官にあたって/田中さんを送る
著者
久城 真代 鄭 雅志 Thammawong Manasikan 小澤 徹 中川 博之 長嶋 等 岡留 博司
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.173-178, 2014

ゼアラレノン(ZEA)は小麦の主要な自然汚染物質であり、同じくフザリウム属菌産生カビ毒の一種であるデオキシニバレノール(DON)との共汚染が起こりやすい。小麦加工後のZEAの残存率を明らかにし、DONの残存率と比較するため、人工的にフザリウム属菌に罹病させた国産軟質小麦を用いて製粉を行い、小麦半加工製品(小麦粉)でのZEAの濃度変化を解析した。穀粒を製粉に供し、3種類のブレーキ粉(1B、2B、3B)、3種類のミドリング粉(1M、2M、3M)ならびに外皮分画(大ふすま、小ふすま)を得た。ストレート粉は6種全ての粉から調製し、ヒトの可食部となる上質粉は1B、1M、2Bと2Mから調製した。単一試験室で妥当性確認された、多機能カートリッジ精製とHPLC蛍光検出を用いる分析法にて、ストレート粉、上質粉、大ふすま、小ふすまに含まれるZEAを定量した。DONについても同様に定量を行った。ストレート粉におけるZEAの残存率は50%未満であり、DONの残存率より低かった。上質粉でのZEAの残存率はさらに低く、粉の分画によりZEAが効率的に減衰することが示された。
著者
柿元 周一郎 小澤 徹 五十嵐 澄 得能 朝成 加来 聖司 関 信男
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.85-92, 2012 (Released:2012-08-10)
参考文献数
49

ガバペンチン エナカルビル(レグナイト®錠)は,新規レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome: RLS)治療薬として開発されたガバペンチンのプロドラッグである.本剤は,ガバペンチンと異なる経路で消化管より吸収され,生体内で速やかにガバペンチンに変換されるため,ガバペンチンで問題となる投与量の増加に伴うバイオアベイラベリティの低下がなく,経口投与時の血中濃度の個体差が小さくなるようにデザインされている.一方,RLSの発症メカニズムは十分に解明されていないが,その症状はむずむずとした脚の不快感や痛みといった異常感覚を伴っており,RLS患者では脊髄後角に入力する感覚神経線維からのシグナル伝達の亢進あるいは異常が起こっていることが示唆されている.このことから,本薬の活性本体であるガバペンチンは,脊髄後角において感覚神経終末に発現する電位依存性カルシウムチャネルα2δサブユニットに結合し,興奮性シナプス伝達を抑制することで,RLSの症状に対する治療効果を発揮すると考えられる.実際に,国内外の臨床試験において,本剤はガバペンチンに比べ優れた薬物動態特性を示し,また中等度から高度の特発性RLS患者の症状に対して優れた改善効果を示した.一方,副作用およびその発現率は,市販されているガバペンチン製剤で認められているものとほとんど変わらず,本剤の忍容性が確認された.以上より,カバペンチン エナカルビルはRLSの薬物治療において新たな選択肢になると期待される.
著者
小澤 徹
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.337-349, 1998-10-29 (Released:2008-12-25)
参考文献数
76
被引用文献数
1

時間に依存した非線型シュレディンガー方程式の解の長時間的挙動を散乱理論の見地から解説する.初めに短距離型の相互作用を扱う基本的枠組を設定し共形冪及びシュトラウスの臨界冪が自然に導入される事情を説明する.次にこの方法論がクローン型の長距離相互作用に及んで破綻に至る様子を述べそこに現れる発散の困難を解決する為の非線型散乱理論の長距離理論構築に向けての着想を紹介する.一方,非線型項が準斉次型であれば共形又は優共形冪に対して藤田・加藤の原理(尺度不変性の原理)が成立する事を示す.これにより臨界指数のソボレフ空間に於る小さなデータの散乱理論の成立が従う.更に同理論が丁度意味を失う限界に於て指数型増大度が臨界非線型性を記述する理由をソボレフの埋蔵定理の臨界現象との関連で明らかにする.最後に未解決問題に言及する.
著者
小澤 徹 小池 茂昭 田中 和永
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

物理現象を記述するモデル方程式として、場の古典論、流体力学、プラズマ物理をはじめ様々な分野に現れる重要な非線型楕円型偏微分方程式について、今まで個別に用いられることの多かった変分解析、非線型常微分方程式、粘性解理論の手法を総合的に駆使することにより、定在波の安定性や爆発現象を深く説明する方法論を確立し、さまざまな応用を見出した。
著者
藤澤 茂樹 奥隅 豊栄 安元 信廣 柴田 昌三 田中 伸一 小澤 徹三
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.351-356, 2009-11-30
被引用文献数
1

近年,表土をのり面緑化に利用する工法が行なわれており,その利用方法の一つとして,表土マット移植工法を考案して,高速道路建設工事において施工した。採取した表土マットは,ミヤコザサの地下茎や萌芽性の木本植物の根系などを含み,緑化資材として有効と考えられる。その効果が明らかになり始めた既施工地では,表土マットに含まれる木本植物からの萌芽を確認しただけでなく,ミヤコザサの活着ならびに地下茎の伸長も確認することができた。さらに,条件のよいのり面では木本種が侵入して階層構造を形成しつつあることから,表土マット移植工法が切土造成地における植生復元を早期に行える工法であることが確認できた。
著者
田中 和永 小澤 徹 大谷 光春 西田 孝明 山崎 昌男 山田 義雄 柳田 英二 倉田 和浩 足達 慎二 平田 潤 関口 昌由 佐藤 洋平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

非線型問題の研究を変分的手法により行った. 特に(1) 非線型シュレディンガーおよびその連立系に対する特異摂動問題に関して凝集解の変分的構成を行い, 非常に一般的な設定の下でその存在を示した. (2) 非線型楕円型方程式 (系) の解の存在を種々の設定の下で扱い, 解の新しい変分的構成を与えた. また解の安定性, 不安定性の研究を行った. (3) 空間次元 1 の特異摂動問題においては高振動解の特徴付けと存在結果を与えた.