著者
大石 進一 渡部 善隆 西田 孝明 柴田 良弘 山本 野人 中尾 充宏 中尾 充宏 西田 孝明 柴田 良弘 山本 野人 渡部 善隆
出版者
早稲田大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2005

偏微分方程式や線型方程式等において,計算機を用いて数値的に得られた近似解に対し,その誤差限界も定量的に計算機で与える精度保証付き数値計算の研究を推進した.ベクトルの総和や内積を計算する問題は科学技術計算の基本であるが,この問題に対して精度が数学的厳密に保証された結果を返す世界最高速のアルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,応用として,スパース行列に関する計算や計算幾何学にも波及した.また,偏微分方程式の解の存在証明,一意性の証明及び近似解の精度保証を行う多くの有用な方式を開発することに成功した.
著者
中尾 充宏 田端 正久 今井 仁司 土屋 卓也 西田 孝明 陳 小君 大石 進一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

研究期間中、各分担者とも、個別の問題によらない無限次元・有限次元の共通的精度保証付き数値計算およびその関連数値計算方式の開発に対して恒常的に取り組み、その改良・拡張と、新たな方式の検討を行った。また、実際の現象に即した問題に対する、数値的検証の実例も与えその有効性の実証に努めた。また、内外の研究集会に参加し、講演討論を行い、研究成果の発信を行うとともに活発な研究情報を交換し、新たな研究の進展を図った。主な研究実績は以下の通りである。1.共通的数値検証理論とその実装(1)任意領域における楕円型方程式、定常Navier-Stokes方程式の解に対する数値的検証のために、Poisson方程式、および2次元重調和方程式の有限要素解に対する構成的事前誤差評価について検討し、十分な実用性をもつ評価定数の算定を行った。(中尾、山本、田端、土屋)(2)非線形楕円型方程式のdouble-turning-pointの数値検証を定式化しその実例を与えた(皆本)(3)1階微分項を持つ2階楕円型方程式の数値検証の効率化について検討した(中尾、渡部)(4)線形化作用素の逆作用素ノルムを直接評価し、それを用いた無限次元Newton法にもとづく新しい検証方式の検討を行い、その適用による有効性を確認した。(中尾)(5)有限次元一次相補性問題の解の精度保証付き計算について検討しその方式を定式化した(陳)(6)連立一次方程式の解の高速精度保証について検討しその大幅な改良を得た(大石)(7)多培長演算ソフトウェアを実装し超高精度近似解の計算を可能とした(今井)(8)非線形振動問題に関する計算機援用可能な分岐理論を定式化しその応用例を与えた(川中子)2.個別問題の解に対する数値的検証方式とその適用(1)2次元熱対流問題の大域的分岐解の検証付き追跡および分岐点の存在検証を行い、さらに3次元問題に対してもその拡張を図った(西田、中尾、渡部)(2)線形化Navier-Stokes作用素の固有値問題であるKolmogorov固有値問題の精度保証付き数値計算によりトーラス上の流れの安定性を検証した(長藤)(3)水面波の数学モデルであるNekrasov積分方程式の精度保証付き数値計算を実現した(村重)
著者
渡辺 信三 吉田 伸生 国府 寛司 重川 一郎 西田 孝明 池部 晃生
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

確率解析をWiener空間上の解析学、特にMalliavin解析の方法を用いて研究した。Malliavin解析においては、Wiener汎関数のなすSobolev空間が導入され、その枠組でWiener空間上におけるSchwartg超関数の類似物であるW´iener超汎関数も定義される。このWiener超汎関数には、Donskerのデルタ関数をその代表とする正の超汎関数があり、これにはWiener空間上のエネルギー有限の測度が対応している。さらにこの概念に対応してWiener空間上に(r,P)-容量(capacity)の概念が定義され、Wiener空間上、Wiener測度に関し“ほとんどいたるところ"なりたつ諸性質を“quosi every where"でなりたつ性質に精密化できる。こうした方法は、Malliavin解析に関連して“quasi-sure analysis"と呼ばれ、確率解析において最近大きな注目をあつめている。このquasi-sure analysisにおける一つの研究成果として、(r,p)-容量に関する大偏差の原理が、Wiener測度に関するSchilderの定理と同じ形で成り立つことが示された。これを用いると、例えば、Strassen型の重複対数の法則を、almost everywhereの概念をquasi-sureの意味に精密した形で示すことが出来る。Donskerのデルタ関数が、どういう可積分および可微分指数のSobolev-空間に属するかについて、補間理論を用いて詳細に研究した。このことの応用として、Wiener空間上のある種の條件つき平均についてそのregnlarityがHolder連続性の言葉を用いて論ずることが出来た。さらにWiener空間におけるSobolev空間の概念を、より一般の可分な距離空間上で対称Markov半群が与えられた場合に一般化することが出来、またWiener空間上に限っても基礎になるOrnstein-Uhlenbeck作用素を一般化することによって一般化出来た。これらの一般化Sobolev空間は量子物理学に有効な応用をもつものと期待される。
著者
田中 和永 小澤 徹 大谷 光春 西田 孝明 山崎 昌男 山田 義雄 柳田 英二 倉田 和浩 足達 慎二 平田 潤 関口 昌由 佐藤 洋平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

非線型問題の研究を変分的手法により行った. 特に(1) 非線型シュレディンガーおよびその連立系に対する特異摂動問題に関して凝集解の変分的構成を行い, 非常に一般的な設定の下でその存在を示した. (2) 非線型楕円型方程式 (系) の解の存在を種々の設定の下で扱い, 解の新しい変分的構成を与えた. また解の安定性, 不安定性の研究を行った. (3) 空間次元 1 の特異摂動問題においては高振動解の特徴付けと存在結果を与えた.