著者
今村 太郎 岡留 博司 大坪 研一 宮ノ下 明大
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.61-66, 2006-02-28
参考文献数
21

新形質米7品種とコシヒカリの玄米について,品種間の相違がノシメマダラメイガ,バクガ,コクゾウムシの発育に及ぼす影響を調べた.その結果,それぞれの貯穀害虫について品種の違いは,発育期間や羽化直後の成虫の体重に影響することが明らかとなった.その一方で,品種の違いはいずれの昆虫の生存率にも明確な影響を与えなかった.「春陽」と「夢十色」はすべての貯穀害虫に対して発育期間の延長,成虫体重の減少などの耐虫性を示す傾向が顕著であった.このような耐虫性傾向はこれらの品種の玄米が含有するアミロースの量が要因の一つである可能性が示唆された.
著者
秋永 孝義 岡留 博司 國府田 佳弘
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.51-56, 1994 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

沖縄県産の黒糖は粘度, 硬度, 色, 水分などの物性が産地によって異なり品質が安定せず, 主な需要先である加工業者からは安定した品質の製品が望まれている。品質の向上や製造技術を改善するためには黒糖の各種の特性を調査する必要がある。そこで, 沖縄県内全工場の黒糖の物理的特性を調査した。その結果, 黒糖の物性が産地によって大きく異なり, その原因が製造工程, 特に最終濃縮工程にあることを示唆した。
著者
吉田 充 市川 水音 富田 樹 知久 和寛 八戸 真弓 濱松 潮香 岡留 博司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.47-51, 2019-02-15 (Released:2019-02-23)
参考文献数
11
被引用文献数
1

放射性セシウムを含む玄米をとう精加工し,さらにそれを炊飯した際の放射性セシウムの濃度と残存割合Frを調べた.精米歩合99.5%および98.8%の場合の放射性セシウムの除去率は3%および8%で,とう精により除かれた糠の質量の割合よりも米の放射性セシウムの濃度の低下割合が大きかった.また,とう精・洗米・炊飯後では,玄米に比べた放射性セシウムの除去率は,それぞれ21%および27%で,とう精以上に洗米による放射性セシウムの除去効果が大きいことが示された.放射性セシウムの濃度としてみると,精米歩合99.5%および98.8%の低とう精加工では,加工係数Pfは0.97および0.92であったが,炊飯までを含めると玄米を炊飯した場合の加工係数Pfの0.46に対して,0.38~0.34にまで低下した.既報の結果を合わせると,とう精による加工係数Pfは精米歩合99.5%の低とう精米から91%の精白米まで,炊飯まで含めた加工係数Pfは精米歩合99.5%の低とう精米から97%の3分づき米まで,精米歩合に比例して低下した.この実験結果は,放射性セシウムを含む玄米やとう精米の摂取による内部被ばく量の推定に役立ち,食品からの放射性セシウムの摂取に関するリスク評価やリスク管理に利用できるものである.
著者
久城 真代 鄭 雅志 Thammawong Manasikan 小澤 徹 中川 博之 長嶋 等 岡留 博司
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.173-178, 2014

ゼアラレノン(ZEA)は小麦の主要な自然汚染物質であり、同じくフザリウム属菌産生カビ毒の一種であるデオキシニバレノール(DON)との共汚染が起こりやすい。小麦加工後のZEAの残存率を明らかにし、DONの残存率と比較するため、人工的にフザリウム属菌に罹病させた国産軟質小麦を用いて製粉を行い、小麦半加工製品(小麦粉)でのZEAの濃度変化を解析した。穀粒を製粉に供し、3種類のブレーキ粉(1B、2B、3B)、3種類のミドリング粉(1M、2M、3M)ならびに外皮分画(大ふすま、小ふすま)を得た。ストレート粉は6種全ての粉から調製し、ヒトの可食部となる上質粉は1B、1M、2Bと2Mから調製した。単一試験室で妥当性確認された、多機能カートリッジ精製とHPLC蛍光検出を用いる分析法にて、ストレート粉、上質粉、大ふすま、小ふすまに含まれるZEAを定量した。DONについても同様に定量を行った。ストレート粉におけるZEAの残存率は50%未満であり、DONの残存率より低かった。上質粉でのZEAの残存率はさらに低く、粉の分画によりZEAが効率的に減衰することが示された。
著者
ホッセン シャリフ Md. 吉田 めぐみ 中川 博之 長嶋 等 岡留 博司 中島 隆 久城 真代
出版者
マイコトキシン研究会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.77-82, 2012-07-31
参考文献数
17
被引用文献数
2

国産秋まき小麦の製粉過程におけるフザリウム属マイコトキシン・ニバレノールの動態を解析した.ニバレノール濃度が異なる2種類の小麦子実を用いてそれぞれ試験製粉を行い,6つの粉画分(ブレーキ粉:1B,2B,3B,ミドリングス粉:1M,2M,3M)と2つの外皮画分(大フスマと小フスマ)を得た.また可食部となる上質粉は1B,1M,2Bおよび2Mより,また末粉は3Bおよび3Mより作製した.上記4種類の試料(上質粉,末粉,大フスマおよび小フスマ)についてHPLC-UV法によりニバレノール含量を分析した.その結果,ニバレノール濃度が異なる2種類の小麦子実試料ともに製粉画分におけるニバレノールの分布は類似のパターンを示した.
著者
豊島 英親 岡留 博司 大坪 研一
出版者
瑞穂協会
雑誌
食糧管理月報
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.p41-45, 1994-02
著者
安井 裕次 鈴木 啓太郎 岡留 博司 奥西 智哉 橋本 勝彦 大坪 研一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.592-603, 2004-11-15
被引用文献数
3 10

発芽玄米および発芽大麦を配合した混合A,また,発芽玄米,発芽大麦さらにビール酵母を加えた混合Bを2軸エクストルーダーにより膨化処理を行った.生理機能性および消化性に優れた多目的食品素材の開発を試みた.得られた結果は以下の通りである.<br>(1) 混合膨化Bの膨化粉末では,粒径が膨化前107.6μmに対し,膨化後では97.7μmとなり,各膨化粉末は粗い粒径の体積が減少し,粒径の細かい部分へと移行した.<br>(2) 発芽処理工程により,発芽玄米および発芽大麦の一般生菌数が多くなるが,膨化処理により300(cfu/g)未満となり,大腸菌群も検出されなくなった.<br>(3) 発芽玄米,混合A,混合Bの膨化粉末は,精米粉よりも消化性が優れていることが確認された.<br>(4) 膨化処理により,脂質の分解が抑制されることにより脂肪酸度が増加しなかった.<br>(5) 各混合膨化製品は,膨化発芽玄米と比べてフィチン酸,イノシトール,フェルラ酸,食物繊維を多く含有していた.<br>(6) 高血圧自然発症ラットを用いた血圧試験では,投与日数28日目において,膨化精米粉20%置換に対し,膨化発芽玄米粉,混合膨化粉Bが有意に低い値を示した.膨化発芽玄米粉,混合膨化粉Bは高血圧抑制作用を持つことが明らかになった.<br>(7) 官能検査においては,混合膨化A30%配合パンは,小麦粉パンと比較し食感(P<0.05)と甘さ(P<0.05)で有意に優れていた.各膨化粉末30%配合パンは,小麦粉に比べ柔らかく,しっとりとした食感という評価を得ることが出来た.また,和菓子の官能検査では,混合膨化B20%配合は,小麦まんじゅうとの比較で香り(P<0.05),食感(p<0.05)で有意に優れていた.いずれも食品として高い評価が得られた.