著者
入谷 誠 山嵜 勉 大野 範夫 山口 光国 内田 俊彦 森 雄二郎 黒木 良克
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.47-54, 1992

下肢障害の理学療法の目的は下肢機能の再建である。下肢の機能と下肢筋力とは切り放して考えることはできないが、我々は個々の筋力強化を行うのではなく、下肢全体の統合された機能を最大限に発揮させることにより、筋力も自然と改善され、結果的に機能をよリ早期に、また効率よく改善することができるものと考えている。したがって我々の理学療法は機能的な診方、特に下肢各関節の相互の関連を中心に診て、荷重位での機能的な訓練を中心に行っている。ここでは主として正中位感覚獲得法、テーピング、足底挿板(Dynamic Shoe Insole)について紹介した。
著者
山口 光男
出版者
国立大学法人福井大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

1. 研究目的大学と企業が行う共同研究のマッチング活動を行うにあたり, 大学側の研究テーマの成熟度(完成度)と, 企業側の研究吸収能力(大学の研究成果を理解して応用する能力)とのギャップをカバーするため, 本研究では企業側の研究吸収能力を可視化するための指標開発を目的に, 産学共同研究推進に寄与する企業側要因の分析を行った。URAやコーディネーター等は, 大学側の研究テーマ内容に加えて, 企業側の研究吸収能力を把握することにより, 効果的なアドバイスを行うことが期待できる。2. 研究方法先行文献調査を行った後, 企業側の研究吸収能力と共同研究実績に関する因果メカニズムを明らかにするため, 福井大学研究戦略支援データベースに蓄積されている企業データ(東京商工リサーチTSRデータ含む)及び特許保有公開データ等から得られたデータを基に定量分析を行った。RA協議会年次大会での中間発表のほか, 産学連携研究者, 銀行関係者, 企業関係者からの意見等も参考とした。(1) 対象企業 : 福井大学産学官連携本部協力会企業のうち207社(中小企業のうち主に製造業を抽出)(2) 分析手法 : 平均比較検定(t検定), 回帰分析等【被説明変数】共同研究実績, 共同研究規模【説明変数】企業評価(TSR企業評点・4視点), 卒業生の就職状況, 特許出願状況, 研究開発費状況3. 分析結果指標として, 卒業生の就職実績, 特許出願実績, 研究開発費割合, 企業の成長性評価が有力となった。(1) 卒業生・修了生が就職している企業との共同研究は成立しやすい傾向がある。(2) 特許出願の実績がある企業との共同研究は成立しやすい傾向がある。(3) 研究開発費の割合(研究開発費÷売上高)が高いほど共同研究受入額が大きい傾向にある。(4) 企業評価のうち成長性の評価が高いほど共同研究受入額が大きい傾向にある。
著者
久保 祐子 山口 光国 大野 範夫 福井 勉
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.118-118, 2003

【はじめに】我々は、身体を上半身と下半身とに分けた各々の質量中心点より身体重心を求める「身体重心点の視覚的評価」を考案し、臨床場面で姿勢や動作を観察する際に利用している。第36、37回日本理学療法士学術大会において、この評価をもとに歩行時の上半身の動きについて調査し、上半身質量中心点の動きが歩行時の身体重心の移動や調節に関係していると考えられた。今回は、これまでに調査した上半身の回旋運動と左右座標における上半身質量中心点の動きとの関係を調査し、さらに検討した。【方法】対象は健常者10名(男性5名、女性5名)、平均年齢25.7歳であった。動きの観察には三次元動作解析装置VICON370(oxfordmetrics社製)を用い、被験者の身体に13標点(左右肩峰、大転子、外果、第2、7、11胸椎棘突起より左右へ5cmの位置、第7胸椎棘突起)を付け、自由に歩行したところを観察及び計測した。歩行中の上半身回旋運動は、第7胸椎レベルに対する第2、第11胸椎レベルの回旋角度変化から、その回旋方向について、また歩行中の上半身質量中心点の動きとして、第7胸椎の左右座標における移動方向と速度及び加速度変化を調査した。【結果】全被験者において、上半身の回旋運動は第7胸椎の上部と下部で反対方向へ回旋し、踵接地から反対側踵接地までは、立脚側において上部は後から前、下部は前から後へ回旋していた。左右座標における第7胸椎の移動は、踵接地から立脚中期にかけて立脚側へ移動し、立脚中期に最大となり、その後、反対側へ移動していた。これは各部位においても同様の傾向を示した。上半身質量中心点における速度及び加速度は踵接地時にその方向が替わり、踵接地時には、次の支持基底面側への変化を示していた。【考察】今回の結果から、上半身質量中心点の存在する第7胸椎を支点として上半身の回旋運動が認められ、これまでの報告と同様に、効率の良い重心移動に関係していると考えられる。また、上半身質量中心点の左右座標における移動に関しては、他の部位における動きと同様であることから、これらは支持基底面上に身体重心を移動させるための変化として捉えられる。しかし、上半身質量中心点の速度及び加速度変化に着目すると、踵接地時には次の支持基底面側への力を受けており、上半身では、すでに反対側への対応が開始されているものと推察される。これまでの上半身質量中心点の観察は、身体運動に伴う受動的な変化として捉えられていたが、今回の調査から、単に受動的な変化だけでなく、連続した運動における能動的な身体調節が行われている可能性が示唆された。 今後このような上半身質量中心点の特徴を踏まえ、下半身の動きを調査に加え、歩行時における身体重心位置の調節について更に検討する必要があると考える。
著者
三上 俊介 杉谷 貞男 山口 光代 土井 幸雄 黒木 哲徳 下村 宏彰
出版者
福井大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

緩増加な不変固有超関数(IED)の場合に成立する指標等式,Weyl群の表現およびstableな緩増加なIEDのliftingの間に成り立つ関係を緩増加の条件を外した場合への拡張を目指した。Gをコンパクトカルタン部分群T_0を持つ実半単純Lie群(R上定義されたreductive線形代数群の実点全体として実現されるものに限る)とする。t,〓をT,GのLie環の複素化,μ〓t^*に対し,Gのcoーadjoint表現によるμ〓t^*〓〓^*のstabilizerをL,μより定まるC上のθーstable放物型部分環をqとする。πをLの1次元表現(λ=dπ:微分表現)とし、三つ組(q,L,π)に対応してcohomological parabolic inductionで定まる(〓,K)ー加群をA(λ)と書く。(KはGの極大コンパクト部分群)また,Wを(〓,t)のWeyl群とするとWが自然に三つ組(q,L,π)に作用し,w(q,L,π)=(q_w,L_w,π_w)と書く。いま表現とその指標を同じ文字で表すと,{A(wλ),w〓W}は,それらが生成する有限次元部分空間V(λ)内にstableなIEDが存在するような拡張されたLーpacketになるので,最初に掲げた問題をこのV(λ)に限定して考えた。そして階数の低い群(SU(p,q);p+q≦3,Sp(2,R))の場合に次の結果を得た。定理次の(1),(2)は同値である。(1)Θ〓V(λ)がGの極大splitカルタン部分群上恒等的に0に等しい。(ΘはG'={Gの正則元全体}上の実解析関数とみなせることを用いる。)(2)L_wの極大splitカルタン部分群T_w(これはGのカルタン部分群にもなる)およびT_o上でΘ(w_ot)=ーΘ(t)(tはT_w〓G'またはT_o〓G'の元)が成り立つ。ただしw_oは(〓,t_w)あるいは(〓,t_0)のimaginary Weyl群の最長元である。これは緩増加な場合に自然な拡張になっている。これまで得られてきた事例をもう少し発展させ一般化できることを期待しており、その時点でまとめて公表するべく考えている。
著者
降旗 英史 山口 光 渡辺 雅志 松本 康史 南 英信 中谷 真人 市川 恵美 井上 雅之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.46-51, 2006-03-30

本製品は、2003年5月から2004年12月にかけて大同工業株式会社(石川県)と共同開発したものである。当社はいす式階段昇降機の草分けメーカーであり、市場で最大のシェアを占めてきた。しかし近年他社の追い上げが激しく、シェアの優位性を強化するためにデザインの導入を決断した。市場調査の結果、現在市場に出ている製品は大半が事務いすを搭載した機械のような印象のデザインであることが判明した。高齢者や身体的なハンディを持つ人が家の中で使うものであれば、機械ではなく家具のようなものであるべきだと考え、「機械から家具へ」という開発コンセプトを定めた。デザインと技術の協働により、世界で初めて成形合板椅子を搭載し、世界最小の折畳み幅を実現した製品を開発した。2004年度のグッドデザイン賞を受賞し、同年の国際福祉機器展で好評を得、2005年1月商品化された。