著者
太田 好信 瀬口 典子 辻 康夫 松島 泰勝 池田 光穂 冨山 一郎 加藤 博文 北原 次郎太
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、①(自然人類学と文化人類学との両方を包含する広義の)人類学とこれまで分断されてきた批判的社会運動との間に、公共哲学を媒介として新しい連携を構想、②日本において萌芽的状態にある先住民族研究(Indigenous Studies、Native Studies)という研究領域と海外の先住民族研究との間でのネットワーク形成を促進、③この研究領域を日本の公共空間においても意味のある探究として根付かせるために必要な政治・哲学理論と倫理の構築を目指す。
著者
北原 次郎太 モコットゥナㇱ
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第55回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.F09, 2021 (Released:2021-10-01)

本発表では、近代以降の人類学的研究の中で収集されたアイヌ民族の遺骨について、収集の経緯と返還運動の現状を述べる。また、遺骨の収集と同じ時期・環境のなかで、物質資料や言語資料も収集された。これらの収集行為を巡り、琉球民族やアイヌ民族と和人とでは、それぞれの立場性によって異なった情動が呼び起こされる。これまで意識的に論じられてこなかったこの差異を認識することが、両者の和解・共同に繋がることを述べる。
著者
蓑島 栄紀 三上 喜孝 田中 史生 笹生 衛 北原 次郎太 瀬川 拓郎 井上 雅孝 原 京子 奈良 智法 鈴木 和子 藤原 弘明
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、古代日本(とくに東北地方)の文化と、同時代の北海道文化・アイヌ文化との関係について、宗教や儀礼の側面から、具体的な比較検討をおこなった。特に、宗教・儀礼にかかわる金属製品や木製品などの分布や形態、機能について検討した。それにより、アイヌ文化における宗教・儀礼の道具の源流が、擦文時代やそれ以前に遡る可能性が指摘できた。また、古代北海道やその隣接地域における宗教・儀礼の痕跡が、交易や交流において重要な場所に多くみられる傾向を指摘することができた。
著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 竜一 長谷川 晃 辻 康夫 北原 次郎太 山崎 幸治 加藤 博文
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

英米型の先住民族政策とは異なる、日本とアイヌ民族の実状に適合した先住民族政策のあり方を追求した結果、憲法13条の「個人の尊重」に個人としてのアイヌが自らのアイデンティティを選択する自由の根拠を求め、その自由を実質化する責務を国に課すことによって民族文化の復興を目指すことが、第一段階として必要にして合理的であることが明らかになるとともに、文化の伝承・発信の具体的あり方も示すことができた。また文化の復興は、社会的・経済的地位の向上政策に対する国民理解の推進のために必要であるだけでなく、地位の向上に主体的に取り組むアイヌの累増のためにも有効であることが明らかになった。
著者
北原 次郎太
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学ユーラシア言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.72-96, 2002-03-20