著者
伊藤 日向子 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1200-1207, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
2

独居高齢者の増加が社会の趨勢として避けられない中、独居しつつも周囲との繋がりを実感でき、生活の質を保ったまま老いていくことができる社会を実現することは喫緊の課題である。本研究の目的は、独居高齢者の生活行動と孤独感の関係を解明し、独居であっても孤独を感じずにいる人々の生活行動の特徴を明らかにすることにある。それによって、孤独感の解消に資する都市空間を実現していくために、介入の根拠となる基礎的知見を構築する。特定の住宅団地を対象にアンケート調査を行った結果、対人交流と外出行動に関する項目が孤独感と相関を示す要素として明らかになった。さらに、補足的なヒアリング調査から、様子確認ができる親密な人の存在に加えて、生活に余暇外出(とりわけ、徒歩30分圏内で行う日常的な散歩)を取り入れることが重要であるということが、孤独感を低減させる上で重要であると示唆された。「社会的孤立」の解消には家族以外による共助・公助の確立が課題となっている一方、「孤独感」は散歩など余暇外出を生活に取り入れることで改善できるとすれば、余暇外出行動を促進する都市環境を整えることで、一人暮らしの「孤独感」を低減できる可能性がある。
著者
秋間 弘貴 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.644-649, 2015

本研究では、わが国の代表的なアニメ産業集積地である東京西郊を分析の対象地として、アニメ制作企業における立地選好の変化をデジタルに伴う作業工程の変化に着目して分析を行う。具体的には次の2点を明らかにする。(1)デジタル化に伴う作業工程の変化 。(2)デジタル化前後における立地要因の変化。近年、コンテンツ産業はその高い成長性から注目されている。その中でも、アニメ産業地域経済の牽引役として期待されている。デジタル化に伴うアニメ産業の立地要因とその変化を分析することは、産業集積の展開を推定する事になるほか、ポスト工業化時代における地域経済の牽引役として重要性を高めつつある、コンテンツ産業の立地特性を理解するためにも重要である。
著者
島田 雅晴 小野 雄一 長野 明子 山村 崇斗
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

前年度に引き続き、料理レシピサイトをコーパスとして、普遍文法の観点から日英語を対象に言語接触の研究を推進した。島田は大学院生のリサーチアシスタントとともに、対象とする英語の前置詞をon、inのほかにwithも加え、データ収集と分析を行った。長野は言語接触理論の文献調査をかなり深いところまで行い、独自の理論構築を行った。小野は言語処理技術を用いて、大学院生とグループを作り、データの抽出と分類、分析を行った。山村は日本語における前置詞の借用一般について調査し、論考をまとめた。研究推進の一環として、6月にリヨン第2大学のVincent Renner氏、高知県立大学の向井真樹子氏を迎え、Tukuba Morphology Meetingという国際ワークショップを2日間にわたり筑波大学で開催し、代表者、分担者のメンバー全員が発表した。また、9月には筑波大学主催のつくばグローバルサイエンスウィークの中で九州大学の廣川佐千男氏、埼玉大学名誉教授の仁科弘之氏、クックパッド株式会社の原島純氏を迎え、Industry-Academia Collaboration among Pure, Applied, and Commercialization Researches Based on Linguistic Dataという国際ワークショップを開催した。また、研究成果の社会への還元を目的として、大学院生とともに、代表者、分担者全員が参加して、中学生を対象にして「ひらめき☆ときめきサイエンス」で講座を開講した。主な研究成果としては、長野と島田が共著で、言語接触に関する理論の提案と具体的な日英語接触についての分析を行った論文を刊行した。また、島田がリサーチアシスタントと共に国立情報学研究所で行った研究発表が「企業賞:クックパット賞」を受賞した。
著者
山村 崇 後藤 春彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.689, pp.1523-1532, 2013-07-31 (Released:2013-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

The purpose of this study is to describe the features of the clusters of Knowledge Intensive Business Services (KIBS) within the Tokyo metropolitan area, and investigate the determinants of KIBS location. Using municipal scale database, significance of potential determinants of KIBS were investigated through path analysis, and that was followed by a more detailed survey in the form of a questionnaire for KIBS companies. As a result, following conclusions were obtained:(1) Several strongly concentrated KIBS clusters were observed in central Tokyo and some of the innner-suburban business districts. By calculating Ellison-Glaeser index, it was confirmed that KIBS has a stronger tendency of geographic concentration when it was compared to other service industries.(2) Most influential determinants of KIBS location are economies of agglomeration, food amenity, nightlife amenity and urbanized regional image. This means that social common capital that is specific to large cities attracts KIBS in direct and indirect manner, which results in a predominant agglomeration of KIBS in highly urbanized areas.
著者
柳沼 優樹 後藤 春彦 山村 崇 山崎 義人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.688, pp.1311-1320, 2013-06-30 (Released:2013-08-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1 4

This paper analyses the accumulation process of small sized knowledge intensive business services (KIBS) in the suburbs of the Tokyo Metropolitan Area, with a focus on the outer-suburban KIBS accumulation at Kamakura-Zushi(KZ) seaside area. Through interviews with KIBS owners, following conclusions were obtained: (1) Most business owners in KZ area commenced their business career in central Tokyo, and later relocated their office to the current location in their 20's and 30's. (2) Major determinants of small KIBS location in KZ area were: proximity to owner's home town, personal familiarity to the place, better working environment compared to central Tokyo, flexible life style and the creative atmosphere. (3) Many of the business owners highly appreciate the value of the regionality of KZ area mainly for the following reasons: abundant opportunities of regional contribution activities, business opportunities generated from casual conversation with other corporate managers, mental rewards gained from nature and people and inspiration from its history.
著者
浜田 麻里奈 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.783-788, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
8

地縁に基づいたコミュニティの崩壊を受け、既存のネットワークとは異なる形で地域活動を維持することの重要性が高まりつつある。本研究では、地域活動の拠点となりうるコミュニティカフェ(以下、C.C.)の中でも、さらに地域外部との交流拠点ともなりうる、特有のテーマ性を持ったC.C.(以下、テーマ型C.C.)に着目する。その上で、テーマ型C.C.の運営者および関係を持つ団体にヒアリングを行い、持続的な地域活動における役割とそのメカニズム明らかにすることを目的とする。以下の点が明らかとなった;(1)テーマ型C.C.は地域周辺と良好な関係を形成した場において、地域活動の拠点となる。(2)地域活動を通してネットワークを形成した結果、関連団体は主体的に活動へ参加する意向が見られた。これは、テーマ型C.C.が、テーマに基づいた活動の経験や人材を地域側に紹介し、新たな活動が展開されたためである。(3)テーマ型C.C.は地域活動の拠点、および地域外部団体間との経験や人材を提供する役割を担う。これは、テーマ型C.C.が多目的の活動拠点を整備し、特有のテーマ性を有していたため可能であった。
著者
高嶺 翔太 後藤 春彦 馬場 健誠 山村 崇
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.686, pp.857-865, 2013-04-30 (Released:2013-06-04)
参考文献数
29

This study aims to clarify the effects of the morphology of the urban fabric upon the sequential scenery from the Metropolitan Expressway. The morphology of the urban fabric specified within this research is topography, land use during Edo Period and the land use prior to the construction of the Metropolitan Expressway. Through two experiments, cognitive and visual, the following has been identified.1) The topography and land use prior to the construction of the Metropolitan Expressway, effects the form of the expressway impacting the cognitive change in sequential scenery.2) The green space left from the Edo Period land use effects the cognitive change in sequential scenery.
著者
山村 崇
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東京区部の零細オフィスビル集積地域を抽出し、街区単位で周辺環境特性を分析することで、零細オフィスビル集積地域の5類型を得た。また、零細オフィスビルが持続的に利用され続ける条件として、都心からの距離やビル内部の機能性などの「物理条件」、個人ビルオーナーによる管理の質・テナントの属性・権利関係などの「事業者条件」、コストパフォーマンスを中心とした「市場条件」の3要件が重要であることを明らかにした。またいずれの地域においても、手頃な価格のオフィス供給の存在が新たな都市型サービス業流入の要因となっており、零細オフィスビルが新産業育成の苗床として機能していることを明らかにした。
著者
吉江 俊 後藤 春彦 山村 崇
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.716, pp.2231-2241, 2015
被引用文献数
8

The purpose of this research is to identify the spatiotemporal characteristics of values of living environment, based on the analysis of housing advertisements within the Tokyo metropolitan area from 1980 to 2010. (1)Firstly the values were sampled as 102 groups based on their meanings, and their tendency of increase and decrease was revealed. (2) Secondly the housings were classified into 7 types and their geographical characteristics were identified. (3)And finally the qualitative changes of the values which reflect the transformation of the center of tokyo metropolitan area were revealed, which were represented as "being high-rised" of housings, "being imageable" of the nature, "being security - biased" of safeties, and "being individual - biased" of families. At the same time in the whole metropolitan area, "being indoor" of the comfortableness and diversification of families were also identified.