著者
星 加奈子 瀧本 篤 岩田 誠一郎 深野 雅彦 池田 義雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.1747-1750, 2002-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
4
被引用文献数
5 5

症例は59歳,男性.平成5年7月, S状結腸癌の診断でS状結腸切除術を施行,中分化腺癌, sm, n(-), P0, H0, M(-), stage I, cur Aで,術後再発は認めなかった.平成13年2月大腸内視鏡検査で,吻合部に約4分の1周性の粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,粘膜下腫瘍あるいは大腸癌粘膜下再発の診断で3月29日手術を行った.吻合部に直径2cm大で弾性硬の球形の腫瘤を触知し,吻合部を含めた結腸部分切除術を施行した.組織学的には腫瘤に悪性所見はなく,固有筋層を押し下げるように大腸粘膜により内面が覆われた嚢胞がみられ,嚢胞の内容は濃縮された粘液と少量のバリウムであった.以上によりimplantation cystと診断した.大腸吻合部に発生したimplantation cystは非常に稀で本邦報告例は本症例を含め2例であり,文献的考察を加えて報告する.
著者
永井 知代子 岩田 誠
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.16-23, 2001 (Released:2006-04-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

Gerstmann 症候群をめぐる論点 (Benton 1992) のうち,四徴は同一の基盤を持つ症候群といえるのか,に関して1症例を通して考察した。症例は左頭頂葉出血の 47歳右利き男性。手指および自己・他者身体の左右認知障害,数の概念理解障害を伴う失算,漢字の想起困難主体の失書を認めた。さらに模写・写字・復唱など模倣は良好だが,視覚的記憶からの描画や口述・動物名想起や特徴口述はできなかった。また辞典を引く際五十音順が想起できず,WAIS-R では絵画完成・配列・積木・類似問題が,WMS-R では対連合記憶が不良であった。以上は (1) ある系列の中での対象の順番や配置を理解・操作できない, (2) 視覚刺激のない状況下で記憶から対象を記述できない,とまとめられ,この中に Gerstmann 症候群の四徴も含む。これは心的イメージ形成における,部分を適切な配置に並べる処理過程 (Kosslyn 1988) の障害ととらえられ,四徴の共通の基盤と考えられる。

1 0 0 0 OA 尺〆仕出

著者
岩田誠中 著
巻号頁・発行日
1838

1 0 0 0 OA 読み書きと脳

著者
岩田 誠
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1_19-1_30, 1994-05-20 (Released:2008-10-03)
参考文献数
34

The brain of homo sapiens acquired the ability of reading and writing after the long-standing phylogenetical development. The invention of letters more than 5,000 years ago by our ancestors has realized the communication beyond the limit of time and space, and accordingly all the living creatures finally entered into the histological age of evolution. Thus, the cerebral mechanism of reading and writing might be one of the ultimate goals of the evolution of brain.Scientific approach to the study of cerebral mechanism of reading and writing was initiated by the clinical observations of the patients who had become unable to read and write due to focal brain damage. Through these classical studies, the angular gyrus theory was proposed in the western world to explain the brain function underlying the ability of reading and writing. Although the angular gyrus theory was successful in explaining the anatomo-clinical features of alexia (disability in reading) and agraphia (disability in writing) in westerners, there had been found cases of alexia and/or agraphia in Japan whose clinical pictures could never been explained by this simple classical theory.The enigma was solved when a patient with alexia and agraphia only in kanji with preservation of reading and writing in kana was found to have a focal damage in the left posterior inferior temporal lobe, which was thought to be involved in the process of semantic reading as well as visual evocation of letter form in writing. Upon the clinical observations we proposed the dual processing model of cerebral mechanism in reading and writing. Our recent investigations of PET scan activation studies are now confirming the validity of this dual processing model.
著者
岩田 誠
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.463-463, 1995-06-25

第303回東京女子医科大学学会例会 平成7年6月8日(木) 臨床講堂I
著者
西谷 隆夫 岩田 誠 酒居 敬一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

携帯端末で映像から情報入力を行う際の前処理演算の効率化として多重解像度処理とそれを実現するTOPS(テラ・オペレーションズ・パー・セコンド)までスケーラブルに拡張できるマルチプロセッサのアーキテクチャについて検討した。映像からのデータを活用する前処理は従来の空間的な相関に加え、画素単位の時間的な処理に重点が移りつつある。空間的な処理としてカラー画像強調アルゴリズムの演算量削減を、また、時間的な処理に空間的な要素を加え、安定性と低演算処理を狙った混合ガウス背景モデルによる前景分離を対象に検討を行った結果、双方とも従来例に比べ大幅な演算量削減を実現できた。カラー画像強調と前景モデルを組み合わせることで逆光などの劣悪状況でも追跡が可能なことも示せた。どちらの応用もローカル処理や画素ごとの判定が多く、超並列プロセッサ向きである。また、判定処理が多く、プロセッサ自体をパイプライン化すると条件判定で無駄命令が多発することも明確になった。このため、昨年度提案した超並列DSPを発展させ、その利点を明らかにした。その結果、アルゴリズムは超並列で論じ、ハードウェアはパイプライン化しない範囲の高い周波数で動作させ、超並列アルゴリズムの一部を多重化させる方式が良いとの結論になった。また、昨年度導入したセグメントバスを有効に使うと動き補償などの空間処理で最も効率が良いとされていたシストリックアレーを凌駕するアルゴリズムを導出でることも明らかになった。このアーキテクチャを1985年ごろのパイプライン処理を行わないDSPをベースにFPGAで作ると1チップに約300個実装できることを実験的に確かめた。
著者
市丸 喜久 牧山 繁生 水田 徳美 土橋 利則 釘本 忠人 岩田誠一郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.59, pp.13-15, 1992-12-21
被引用文献数
5

水稲潮風害の実態調査を実施し,以下の事を明らかにした。1.NaCl付着は,海岸から8?地点まで広範囲に認められた。水稲に対する付着の様相は一定しており,穂に付着する割合は,10%であった。2.一穂当たりNaCl付着量は,海岸線付近で2.5?を超え,2.5?地点までは0.5?以上の値であった。3.収量調査の結果,0.3?が潮風害発生限界濃度と推察された。4.今回の水稲の生育ステージ(出穂後4〜15目)の範囲で,一穂当たりNaCl付着量および穂の損傷程度と,減収率の関係を明らかにした。5.4.の手法により,潮風害遭遇後5目以内に被害程度を推定することが可能である。
著者
岩田誠
雑誌
科学
巻号頁・発行日
vol.62, pp.498-509, 1992
被引用文献数
1