著者
佐々木 温子 西澤 美幸 佐野 あゆみ 佐藤 等 阪本 要一 池田 義雄
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.530-536, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:東京衛生病院の減量ステップアップ講座参加者に対して呼気アセトン濃度を測定し,減量の補助的指標としての有用性について検討した.方法:対象は2011年1月から2014年7月の期間中,東京衛生病院の減量講座(週1回,計6回)を受講した45名である.食事内容,体重変化,歩数,活動量を記録させ,毎回体重,体組成およびセンサガスクロSGEA-P1による呼気アセトン濃度を測定し,初日と最終日に血液生化学検査を施行した.結果:減量講座終了時には,行動変容の改善に伴い,肥満関連検査項目である身体計測値,血圧,糖・脂質代謝,肝機能の検査値の有意な改善がみられ,血中総ケトン体,呼気アセトン濃度は有意に増加した(血中総ケトン体:開始時73.6±59.2 μmol/L ,終了時240.5±193.8 μmol/L,p<0.001,呼気アセトン濃度:開始時529.2±150.8 ppb,終了時1,156.6±590.9 ppb,p<0.001).体重と体脂肪量は講座の回数を重ねるほど有意に減少し,呼気アセトン濃度は有意に増加し,特に5週目以降で著明な増加を示した.結論:減量経過において呼気アセトン濃度測定は脂肪燃焼を示唆する補助的指標として有用であると考えられた.
著者
阪本 要一 西澤 美幸 佐藤 富男 大野 誠 池田 義雄
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.38-41, 1993-10-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
14
被引用文献数
5

体脂肪の測定法として,近年いろいろな簡易法が開発されてきている。今回,生体インピーダンス法の応用として,立位で測定した両足間の生体インピーダンスから体脂肪を推定する方法を新たに考案し,皮脂厚法及びBMIとの相関性について検討した。その結果,皮脂厚法及びBMIのいずれとも高い相関性を示し,体脂肪の評価に有用である事が確認された。
著者
大野 誠 池田 義雄
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.317-325, 1993-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
15
著者
鈴木 和枝 藤田 弘美 橋場 直彦 本吉 光隆 池田 義雄
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.706-712, 2016-10-30 (Released:2016-10-30)
参考文献数
8

過去30年間における糖尿病栄養指導の推移を把握するために,1982年から10年間隔で合計4回実施したアンケート調査結果を比較した.調査は,過去3回に準じて全国1,961の医療機関のうち回答を得た915施設を対象に実施した.管理栄養士・栄養士の雇用率と,個人指導の実施率は,過去30年間高い割合で推移した.日本糖尿病療養指導士(Certified Diabetes Educator of Japan:CDEJ)の雇用率は,発足当初の10年前52.1 %,今回62.9 %であった.時間がかかる指導内容として,「糖尿病食事療法のための食品交換表の説明」と答えた施設の割合は30年前75.0 %,20年前58.8 %を占めたが,10年前37.6 %,今回は28.0 %になった.このことは,CDEJ資格取得のための教育効果によって管理栄養士・栄養士の知識・意欲が向上し,糖尿病栄養指導の在り方が変貌した結果として捉えられた.
著者
星 加奈子 瀧本 篤 岩田 誠一郎 深野 雅彦 池田 義雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.1747-1750, 2002-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
4
被引用文献数
5 5

症例は59歳,男性.平成5年7月, S状結腸癌の診断でS状結腸切除術を施行,中分化腺癌, sm, n(-), P0, H0, M(-), stage I, cur Aで,術後再発は認めなかった.平成13年2月大腸内視鏡検査で,吻合部に約4分の1周性の粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,粘膜下腫瘍あるいは大腸癌粘膜下再発の診断で3月29日手術を行った.吻合部に直径2cm大で弾性硬の球形の腫瘤を触知し,吻合部を含めた結腸部分切除術を施行した.組織学的には腫瘤に悪性所見はなく,固有筋層を押し下げるように大腸粘膜により内面が覆われた嚢胞がみられ,嚢胞の内容は濃縮された粘液と少量のバリウムであった.以上によりimplantation cystと診断した.大腸吻合部に発生したimplantation cystは非常に稀で本邦報告例は本症例を含め2例であり,文献的考察を加えて報告する.