著者
中島 礼 水野 清秀 古澤 明
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.70-79, 2008-02-15 (Released:2009-02-21)
参考文献数
51
被引用文献数
4 7

渥美半島に分布する中部更新統渥美層群の田原層と豊橋層に挟在する2層のテフラの岩石学的特徴を記載・分析した.田原層赤沢泥部層に挟在するAt-3upテフラは,多孔質型と低発泡~無発泡のその他型の火山ガラス(n=1.505-1.508)と緑色普通角閃石(n2=1.674-1.683)によって特徴づけられ,その屈折率と火山ガラスの化学組成から,六甲山地西麓に分布する高塚山テフラに対比される.また,豊橋層寺沢泥部層に挟在するガラス質テフラを伊古部-1(Ikb-1)テフラとして新たに記載した.このテフラは主に扁平型で,その屈折率がn=1.501-1.503の火山ガラスから構成され,その屈折率と化学組成から,南九州を給源とする広域テフラの加久藤テフラに対比される.これらのテフラの対比に基づき,田原層と豊橋層の堆積した時期がそれぞれ主に海洋酸素同位体比ステージの11と9に対応することを明らかにした.
著者
島 礼 山下 洋二 渡邊 利雄 菅村 和夫
出版者
地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、低分子2重基質ホスファターゼの機能解析を行い、二つの分子(DUSP26およびDUSP13B)の細胞内基質とその生理的機能を明らかにすることに成功した。 DUSP26が、KIF3A(KIFモーター複合体のサブユニット)に結合し、KIF3Aを介してKAP3を脱リン酸化することを明らかにした。さらに、DUSP26の脱リン酸化活性は、N-Cadherinおよびβカテニンの細胞-細胞の境界への集積や、細胞と細胞の接着性の維持に働いていることを明らかにした。一方で脳腫瘍のグリオブラストーマにおいてDUSP26の遺伝子発現を調べたところ、DUSP遺伝子プロモーターに著しいメチル化とともに、発現の減少が認められ、グリオブラストーマの持つ高い浸潤性の原因の一つに、DUSP26遺伝子メチル化/発現減少があることが考えられた。 DUSP13Bを、新たなMAPKホスファターゼとして同定した。DUSP13Bは、MAPKの特にJNKとp38を特異的に脱リン酸化する活性を持つことから、ストレス経路に働く新たな制御因子と考えられた。
著者
佐藤 雅美 島 礼 田沼 延公 野村 美有樹 佐々木 希
出版者
宮城県立がんセンター研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1)プロテインホスファターゼによる、mRNAスプライシング、KIF3モーターを介した細胞内輸送、および細胞増殖(ERK)経路におけう制御機構に関して重要な知見を得た。(2)肺癌サンプルにおけるプロテインホスファターゼ遺伝子発現の異常に関して重要な知見を得た。
著者
藤本 末美 福間 和美 松山 直美 中島 礼子 園田 美香 末永 貴代 徳永 活子 金子 智美 陣川 しのぶ 吉川 直美
出版者
田園調布学園大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13477773)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.21-43, 2004-03-17

地域における保健福祉活動を考えるにあたって,住民の住んでいる地域(地区)における生活や生活を支える地域組織活動が大きく影響していると考える。しかし,日常生活を営んでいる平常時には,当たり前の存在として過ごしていることが多い。しかし,災害等が発生する非常時には,平常時の生活と地区組織がどのような活動をしているかによって,生活の支え方が大きく左右されるものと考える。今回,雲仙・普賢岳噴火災害地域・K地区について災害から10年を経過した現在までの,住民の生活と地区組織活動の再編成過程について,その関連を検討し新たな知見が得られた。この知見は,今後の平常時の生活と地区組織活動のあり方や,さらに非常時である災害発生時の生活と地区組織活動のあり方に応用展開できるものと思われる。