著者
川島 浩誉 山下 泰弘 川井 千香子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.384-392, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

科学技術・学術政策研究所と科学技術振興機構(JST)情報企画部情報分析室は現在,相互協力に関する覚書およびJSTの所有する情報資産の利用に関する覚書に基づく共同研究を実施している。本稿では,その共同研究の一つである,JREC-IN Portal掲載の求人票に基づく大学における研究関連求人の推移の分析プロジェクトに関して紹介する。本分析は2つの目的をもっている。一つはこれまで総体的な分析対象とされてこなかったJREC-IN Portalの統計的性質を明らかにすること,もう一つはJREC-IN Portalの統計により研究関連求人市場の動向を示すことで当該人材の流動性の増進を促した近年の政策の帰結を明らかにすることである。本分析プロジェクトは現在進行中であり,結果の数値は最終的な研究成果公表において変わりうるものではあるが,現段階で得られた近年の研究関連求人の動向の一端を示す集計結果も本稿に示す。
著者
川島 浩誉 山下 泰弘 川井 千香子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.384-392, 2016

<p>科学技術・学術政策研究所と科学技術振興機構(JST)情報企画部情報分析室は現在,相互協力に関する覚書およびJSTの所有する情報資産の利用に関する覚書に基づく共同研究を実施している。本稿では,その共同研究の一つである,JREC-IN Portal掲載の求人票に基づく大学における研究関連求人の推移の分析プロジェクトに関して紹介する。本分析は2つの目的をもっている。一つはこれまで総体的な分析対象とされてこなかったJREC-IN Portalの統計的性質を明らかにすること,もう一つはJREC-IN Portalの統計により研究関連求人市場の動向を示すことで当該人材の流動性の増進を促した近年の政策の帰結を明らかにすることである。本分析プロジェクトは現在進行中であり,結果の数値は最終的な研究成果公表において変わりうるものではあるが,現段階で得られた近年の研究関連求人の動向の一端を示す集計結果も本稿に示す。</p>
著者
川島 浩平
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文學報 = The Zinbun Gakuhō : Journal of Humanities (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.77-112, 2011-03

「黒人は固有の運動能力を有する」という意味での「黒人身体能力神話」を研究の対象とするにあたって,次の二つの立場を措定することがで、きる。第一は,「神話」の浸透を国際的な広がりをもつ現象として捉え,その起源と形成・普及の過程をグローパルな視点から解明しようとする立場である。第二は,「神話」の浸透におけるすぐれて日本的な状況に注目する立場である。ここで問われるべきは,「神話」の歴史性や時代的文脈におけるその性質であると同時に,否それ以上に,「量的」あるいは「比率的」な展開のありかたである。すなわち,グローパルな水準に照らし,「なぜ日本において,かくも無批判に『神話』が受容されるのか」である。本論は第二の立場に立ち,「神話」の日本における受容の過程を,「人種」/「黒人」という言葉・概念との遭遇とその習得を中心に解明することを目的とする。具体的な構成は以下の通りである。まず第一節にて,「黒人」,「身体能力」,「神話」などの主要概念に定義を与え,文献調査や意識調査の結果を紹介し,日米間の神話に対する意識や態度の差異の度合を明らかにする。第二節では,研究調査の方法論を詳述する。特に,アンケートと聞き取りの結果に基づいて設定した神話受容の過程を解明するために検討すべき4つの経験領域(1 実際の「黒人」との遭遇,2. 「人種」や「黒人」という言葉・概念との遭遇とその習得,3. これらの言葉・概念の公的教育カリキュラムによる学習. 4. 「神話」を支持するに至った契機と体験)の説明に力点を置く。第三節では,第一の経験領域に関してすでに発表した主要な分析結果を報告し,第四節では,第二の経験領域に関して具体的な分析を行う。最後にこの分析に続く作業を展望し,本研究調査の意義を指摘する。
著者
古川 亮 増西 桂 古賀 章浩 川島 浩幸 小林 亮夫 籾内 正幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.317-318, 2007

For high-resolution retinal camera, we have developed an adaptive optics system using a membrane deformable mirror (DM) with electrostatic actuators. An aberration compensation algorithm is adopted in the system, which can generate appropriate control input by a linear combination of voltage templates prepared in advance, each of that forms a specific Zernike shape approximately. The nonlinear effect and strong coupling of control channels in continuous-surface DM make it difficult to form the desired mirror surface shapes. In this paper, we propose a computational method to obtain the voltage templates using genetic algorithm and grouping electrodes for reducing the number of independent voltage sources. The results show that the method can be used to obtain appropriate applied voltages for high-order Zernike shapes.
著者
川島 浩勝
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 = Bulletin of the Graduate School of Education, Hiroshima University. Part. 2, Arts and science education (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.68, pp.73-80, 2019

The Relationship between general listening proficiency and musical background was investigated from the perspective of Japanese EFL learners with various levels of English learning experience. The subjects' (n = 63) general English listening proficiency was examined by the listening section of a standardized English language proficiency test. With regard to musical background, the subjects' fondness for school music education and out-of-school music activities were assessed by nine-point Likert-scale questionnaires at the elementary and junior high levels and from the elementary to college level, respectively. The subjects' English learning experience, defined by the amount of their out-of-school English learning from the elementary to college level, was also assessed by the same style of questionnaires. Data analyses, including principle component regression analysis, revealed: 1) that both the learners' English learning experience and musical background may be independently related in statistical significance to general listening proficiency, although the link between musical background and general listening proficiency is not strong; 2) that the observation of such relationships may become feasible when non-linear elements such as interactions of out-of-school music activity variables are employed; and 3) that the predictive power of the variance of general listening proficiency by musical background may reach its highest level, 27% (p=.00).
著者
川島 浩平
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
no.16, pp.5-20, 2008

ジョン・ホバマン著『ダーウィンズ・アスリーツ』が1997年に出版され、アメリカ合衆国の言論界で人種とスポーツをめぐる論争を引き起こしてから、はや10年が経過した。本書は、学術誌や一般誌の書評欄で取り上げられたり、テレビやラジオの番組で紹介されたりして、様々な階層の人々の注意を喚起し、少なからぬ賛同者を得た。しかし学界では、厳しい批判にもさらされた。本論では、本書の意義を考察し、批判に反論するかたちでの再評価を試みたい。第一節は、ホバマンの主張を、特にアメリカ社会で強い反響を呼んだものに焦点を絞りつつ振り返る。第二節は、本書に対する批判の内容を明らかにする。国外、そして国内のアフリカ系、非アフリカ系研究者など、学界の各方面から提起された批判のうち、ジェフリー・サモンズ、ベン・キャリントン/イアン・マクドナルド、ダグラス・ハートマンによるものを紹介する。第三節は、出版後の10年間におけるアメリカスポーツをめぐる動向のうち、人種・エスニシティ的な観点からみて注目すべきものを拾い上げて解説する。ハリー・エドワーズによる黒人スポーツの「黄金時代」が終焉を迎えるかもしれないという危機の予告、ステレオタイプを超越するかに見えるアメリカスポーツ界の動向、『プライド』、『グローリー・ロード』、『コーチ・カーター』などハリウッド映画における黒人アスリート表象、NBA (全米バスケットボール協会) による『ワン・アンド・ダン』改革などへの言及がなされる。以上の作業に基づいて、最後に本書に対する再評価を試みる。『ダーウィンズ・アスリーツ』に特徴的な因果関係を双方向的に捉える視点は、時宜にかなった、きわめて正確かつ適切なものとみるべきである。この点だけに鑑みても、本書が、人種社会アメリカにおけるスポーツの現在と未来を考察するための、確かな基盤を提供するものであることは明らかである。
著者
川島 浩平
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.100, pp.77-112, 2011

「黒人は固有の運動能力を有する」という意味での「黒人身体能力神話」を研究の対象とするにあたって,次の二つの立場を措定することがで、きる。第一は,「神話」の浸透を国際的な広がりをもつ現象として捉え,その起源と形成・普及の過程をグローパルな視点から解明しようとする立場である。第二は,「神話」の浸透におけるすぐれて日本的な状況に注目する立場である。ここで問われるべきは,「神話」の歴史性や時代的文脈におけるその性質であると同時に,否それ以上に,「量的」あるいは「比率的」な展開のありかたである。すなわち,グローパルな水準に照らし,「なぜ日本において,かくも無批判に『神話』が受容されるのか」である。本論は第二の立場に立ち,「神話」の日本における受容の過程を,「人種」/「黒人」という言葉・概念との遭遇とその習得を中心に解明することを目的とする。具体的な構成は以下の通りである。まず第一節にて,「黒人」,「身体能力」,「神話」などの主要概念に定義を与え,文献調査や意識調査の結果を紹介し,日米間の神話に対する意識や態度の差異の度合を明らかにする。第二節では,研究調査の方法論を詳述する。特に,アンケートと聞き取りの結果に基づいて設定した神話受容の過程を解明するために検討すべき4つの経験領域(1 実際の「黒人」との遭遇,2. 「人種」や「黒人」という言葉・概念との遭遇とその習得,3. これらの言葉・概念の公的教育カリキュラムによる学習. 4. 「神話」を支持するに至った契機と体験)の説明に力点を置く。第三節では,第一の経験領域に関してすでに発表した主要な分析結果を報告し,第四節では,第二の経験領域に関して具体的な分析を行う。最後にこの分析に続く作業を展望し,本研究調査の意義を指摘する。
著者
小笠原 盛浩 川島 浩誉 藤代 裕之
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Sociology, Kansai University (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.121-140, 2018-03

本研究では東日本大震災時のコスモ石油流言の発生・発展・消滅段階で、NHKなどのマスメディア報道がTwitter 上の災害流言の抑制にどの程度効果があったかを定性的に分析した。著者らは東日本大震災発生から1週間の約18万ツイートのデータから、流言に関する特徴的なツイートを目視で抽出して流言の文脈を解釈した。分析結果によれば、マスメディア報道は発生・発展段階では流言抑制に効果がなかったが、消滅段階ではある程度の効果があったと考えられる。災害時の事実ではないTwitter 流言を抑制するには、流言の発展段階でマスメディアが流言を特定し、人々が状況理解のために求めている情報を的確に発信することが有効と考えられる。This study examined the effectiveness of mass media reporting in controlling the spread of the Cosmo Oil Rumor on Twitter; at birth, adventures, and death stages, during the 2011 Great East Japan Earthquake. Authors manually extracted characteristic tweets and analyzed these texts, from over 180 thousand tweet data for the first week in the disaster. The result suggests that mass media reporting did not contribute to control the rumor at the birth and the development stages, and was effective to some extent at death stage. Mass media reporting will be effective to control false rumor via Twitter during disasters, when it provides right information which people need for understanding their environment at the developemnt stage.