著者
市川孝一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.17-26, 1998-03-01
著者
宮下 敦 村上 浩康 藤田 渉 力田 正一 市川 孝 関谷 友彦
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-07-04

群馬県下仁田町の中小坂鉱山は,明治初期に製鉄が行われた近代産業遺産であるとともに,高品位の磁鉄鉱鉱石を産する下仁田ジオパークのジオサイトであるが,その鉱床学的成因は不明であった. この磁鉄鉱鉱床は,中央構造線に比定されている大北野-岩山線の北側にあり,ジュラ紀付加体であるとされる南蛇井層と70 Maの領家帯平滑花崗岩中に胚胎される,小規模だが高品位の鉄鉱床である.磁鉄鉱鉱石は,アクチノ閃石もしくは加水黒雲母+緑泥石からなり炭酸塩鉱物脈を伴う変質帯中に,レンズ状から脈状の鉱体として産する.磁鉄鉱は3 wt.%に達するケイ素を含み,塩素を含む自形の燐灰石の微粒をしばしば包有している(Fig. 1).磁鉄鉱鉱石に伴う硫化物はごくわずかで,主に磁硫鉄鉱からなり,低硫黄分圧を示唆している,また,しばしば砒鉄鉱と硫砒鉄鉱の複合粒を伴い,その場合硫砒鉄鉱中の砒素量は約36 mol.%と高い.また,磁鉄鉱に伴う蛍石細脈中の初生流体包有物充填温度は500℃以上と,熱水鉱床としては高い生成温度を示す.磁鉄鉱に伴うアクチノ閃石,加水黒雲母,緑泥石も最大1 wt.%の塩素を含むことが特徴である.また,変質帯中にはミョウバン石やカオリナイトなどの酸性を特徴づける変質鉱物は伴わない. 大規模な構造線に近い地質体中に,500℃を超える高温の中性~アルカリ性変質帯があり,その中に燐灰石を伴う高純度の磁鉄鉱が産する産状は,中小坂鉱山の磁鉄鉱鉱床が酸化鉄-燐灰石(IOAもしくはキルナ)型であることを強く示唆する.また,地質状況から見て形成年代は70Maより若く,磁鉄鉱-燐灰石(IOA)型としては世界的に見ても若い鉱床形成年代を持つ可能性がある.
著者
藪内 ふじ江 市川 孝夫 荒川 みゆき 千葉 吟子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-55, 1984-03-01

現代の初潮平均年令は我が国の初潮年令の年次推移によっても欧米諸国の年次推移によっても同じ傾向で100年間に3年から4年, 10年間に4カ月位で若年化していることが報告されている. 体操競技では年々技が高度化し筋肉に強い刺激を与える影響からか全国高校選手権から世界選手権までの一部の選手の資料ではあるが初潮の若年化とは逆に選手の初潮は遅れの傾向にある事が判った. 例えば, 対照群である一般の女子グループは14才で既潮率が100%近くに達しているが世界選手権グループは24%と3年も遅れている. 16才では一般の女子グループが100%に対し世界選手権グループは60%と既潮率が低い. 最終的には選手群は対照群に比べて初潮が3年から5年遅れている. 筋肉の過重負担が月経周期の不定期にもつながり影響の大きい事が推察される.
著者
寺岡 史人 西 眞歩 吉澤 忠博 百瀬 瑞穂 平島 靖江 市川 孝子
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.421-428, 2004-06-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
38
被引用文献数
8 5

嚥下造影検査(以下VF)を行った急性期脳卒中220例について,退院時に経口摂取が可能となったか,一部でも経管栄養を要したかを帰結としてロジスティック回帰分析による予後予測を行った.対象の年齢75±10歳,脳梗塞154例,脳出血66例,平均入院期間106±62日であった.173例(79%)が経口摂取可能となり,47例(21%)では胃瘻等が必要であった.VF上の誤嚥,重度の片麻痺,画像上の両側病変が有意な予測因子として抽出された.得られた予測式で,2項目以上が良好な値であれば,経口摂取可能となる確率は90%以上と予測された.しかし,3変数とも不利な値でも,49%の患者が経口摂取可能となっていた.
著者
中村 本勝 市川 孝夫 小林 正憲
出版者
久留米工業大学
雑誌
久留米工業大学研究報告 (ISSN:03896897)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.107-112, 1998-12-20

As a sport for people of advanced age, gateball is declining in popularity. The major causes are mental stress resulting from athletic competition and physical illness affecting the sport's elderly participants. Gateball's decline has intensified due to the growing popularity of sports like ground golf. This has led to the weakening of gateball teams because there are not enough players to take part in games. Furthermore, the lack of newcomers has resulted in an insufficient number of people engaged in team management. Regarding the causes of mental stress, gateball rules mandate severe penalties in the event of an "outside release" or "out-of-bounds" play. This peculiar rule produces high stress among beginning players. Among the elderly members of gateball clubs, in addition, qualified individuals are granted a high social position or ranking. This is a major source of stress, as it promotes resistance to scolding or pressure from a team coach or manager. Such factors produce a sense of incongruity for gateball and there are many cases in which low player participation has been caused. For these reasons, it is difficult for talented persons to become involved in gateball management. The writer thinks that the following things will be necessary for a comeback or revival in gateball's popularity. Demonstrations of activity and support for all team members will be needed to give returning participants a sense of vitality. Then if the gateball player population increases, team formation will become strengthened by degrees. For this to be accomplished, the cooperation of concerned persons in cities, towns and villages is indispensable. The writer considers gateball to be an important matter for the aging society.
著者
西山 康弘 西川 大祐 倉繁 拓志 山根 享 早田 俊司 市川 孝治 中村 勇夫 三宅 茂樹 渡邊 健志
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-35, 2016

上部尿路結石症に対するTULは,バスケットカテーテルで抽石することで術中に全ての結石を摘除できる可能性があることが,ESWLに比較しての最大の利点である.<br> TULでは,その手術における目標到達点の設定を適切に行うことが重要で,それが確実な治療を行う上での要点となる.TULの目標到達点としては,大きく三つのレベルに分けて考える.目標到達点の最良レベルは,術中に全ての結石を抽出できる「術中ストーンフリー」で,これを最大の目標として手術に臨む.次のレベルは,抽石はできないが結石を全て自排石可能な大きさまで砕石できる「砕石のみ」である.このレベルでESWLと同等の治療効果であるが,ESWLにおいては術中に全て自排石可能な大きさまで砕石できるのは最良レベルと言える.その次のレベルは尿管ステントが留置でき尿路を確保できる「尿路確保」である.<br> TULの手術難易度は個々の症例で様々であり,「術中ストーンフリー」を目指していたが,術中所見によっては「尿路確保」ができれば最良の治療効果と判断せざるを得ない症例も存在する. <br> 術中ストーンフリーを目指すTULでは,抽石操作を容易にするアクセスシースを積極的に利用し,抽石効率をに意識しながら手術をすることが重要である.アクセスシースが良好に使用できる症例は抽石操作が容易となり,術中ストーンフリーが得やすい.<br> 例えば尿管嵌頓結石は,症例により難易度が大きく異なり,目標到達点を術中に適切に判断しながら手術することが要求される.<br> 尿管陥頓結石を例に図示し,TULの手順,手術時の術者の思考過程を考察することにより,より適切で確実なTULが普及することに貢献したい.
著者
市川 孝一
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.123-130, 2003-01-01

The purpose of this paper is to review books, articles and essays on youth and youth-culture in post-war Japan. People born after World War Ⅱ are divided into four generations, according to the time when they become adolescent.— 1960’s: Dankai-no-Sedai (first baby boomer in post-war period), 1970’s:Shirake-Sedai (apathy generation), 1980’s:Shinjinrui-Sedai (new-species generation), 1990’s:Dankai-junior Sedai (second baby boomer in post-war period). \nCharacteristics of each generation are described as follows: Dankai-no-sedai: spirit of resistance and protest, Shirake-Sedai: apathy and moratorium, Shinjinrui-Sedai: super-individualistic, ego-centric, Dankaijunior-Sedai: indifferent to others, lack of imagination. \nThese characteristics and traits have been gradually generalized as those of common Japanese in later times. And Japanese mass-culture has been influenced by youth-culture. Youth and youth-culture is a significant indication of future images of people and culture in general. It is the reason why we examine the changes of these features.
著者
佐藤 毅 相田 敏彦 安川 一 川浦 康至 栗原 孝 市川 孝一 草津 攻
出版者
一橋大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

1.調査の概要 (1)目的-子どもの社会化、とくにしつけの局面における親子(父、母、子)の相互行為の実態を明らかにすること。(2)対象-武蔵野市と長野市の小学5年生(271名)、中学2年生(208名)それぞれの親(父母、合計952名)から回答を得た。(3)方法-質問紙によるアンケート調査(一部で投影法を用いた)。2.調査による主な知見 (1)親の産育意識-育児の苦労や次の社会を担う世代という意識が強く、今や親の都合や家の存続を前提とした観念は薄くなっている。(2)親の子どもへの期待像、子ども自信の期待像-「やさしい子ども」をあげる回答が最も多いが、親子のズレも多く見られた。(3)子どもの将来の理想像-親子ともに「幸せな家庭生活」をあげるものが最も多い。(4)親の親子観-「子どもを独立した人格」と見なす回答が最も多かったが、父親の親子観が相対的に未分化なのにたいして、母親のそれには依存と干渉、放任と独立というカテゴリーがより明確に意識されている。(5)親子のコミュニケーション関係-子どもは母親に比べて父親に対して、あまり話しかけないし、また、自分の話をきいてくれるとも思わないこと、さらに、相互理解という点でも父親は疎遠な存在である。(6)しつけの担い手-母親が主たる担い手となっている。(7)しつけの重点-父親は「礼儀作法」「勉強」「ものを大切に」、母親は「勉強」「礼儀作法」「家事」の順に多くあげる。(8)叱り方-父親では「怒鳴る」が「よくわかるように説明する」を上廻り、母親では「小言やぐちを言う」を多くあげる傾向がある。(9)叱り言葉-「早くしなさい」が親の言葉として最も多いが、子どものあげる叱られ言葉との間にギャップがある。(10)ほめ言葉-親は子どもの学業成績に関してほめている言葉が目立つ。(11)慰め言葉-親は子どもにリターンマッチをすすめる言葉を多く発する傾向があり、親子のギャップがある。