著者
斉藤 嘉一
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.33-43, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
32

Amazon.comやTripAdvisorなど多くのクチコミサイトには,helpfulボタン(役に立ったボタン)が設置されており,読者はhelpfulボタンを押すことでレビューが役に立ったことを表明することができる。レビュー有用性,すなわち,レビューが獲得するhelpfulの数,あるいは割合がどんなレビュー特性,発信者特性,製品特性によって影響されるかは,マーケティンングと消費者行動,および情報システムの両方の領域において盛んに検討されてきた。本研究は,レビュー有用性の影響要因について,ナラティブレビュー(質的なレビュー)とメタ分析(量的なレビュー)を行った。その結果,テキストの長さと投稿者の写真の開示は,レビュー有用性とプラスの関係にあることが示された。一方,評価得点(星の数),および投稿者の名前や住所の開示と,レビュー有用性との関係については,既存研究において得られた実証結果は一貫したものではなかった。これらの一貫しない結果を整合的に説明するために,受信者のhelpful意思決定を検討することを提案した。
著者
赤坂 庸子 内藤(古谷野) 浩美 神部 芳則 古谷野 千恵 野口 忠秀 松本 浩一 木村 豊 伊藤 弘人 斉藤 嘉一 村石 三紀 大橋 一之 小佐野 仁志
出版者
Japanese Society of Oral Medicine
雑誌
日本口腔粘膜学会雑誌 (ISSN:13417983)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.36-41, 1996-06-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
23

口腔扁平苔癬と肝機能障害との関連性を明らかにするため, 病理組織学的に扁平苔癬と診断された68症例について, 肝機能との関連を臨床統計的に検討した。(1) 肝機能異常群 (Group 1) は12例 (17. 6%), 正常群 (Group 2) は56例 (82.4%) であった。(2) 性差は Group 2で男性が多く, 平均年齢は差はなかった。(3) 主訴は Group 2に比べ Group 1でしみるが多かった。(4) 既往歴は Group 1で肝疾患, 次いで糖尿病の順で, Group 2では高血圧, 次いで消化器潰瘍であった。(5) 発症部位は両群とも頬粘膜, 舌, 歯肉の順であったが1人平均病変部位数は Group 1は4.8部位, Group 2は2.8部位と明らかに Group 1の方が多かった。(6) 臨床型は Group 1ではびらん型が60.7%と最も多く, Group 2では網状型が多かった。すなわち肝機能異常群はびらん型が多く, 病変が広範囲であることが明らかになった。以上のことから肝機能異常が扁平苔癬の発症・増悪因子として関与している可能性が示唆された。
著者
井上 淳子 赤松 直樹 斉藤 嘉一 寺本 高 清水 聰
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41, 2019-06-30 (Released:2019-08-18)

慶應義塾大学 本稿では,2000年以降のマーケティング・サイエンスと消費者行動研究のトレンドを把握すべく,Marketing ScienceとJournal of Consumer Researchに掲載された論文のアブストラクトをテキスト分析し,両分野に重なるトピックと各分野に特定的なトピックを導き出した。 またJournal of Marketing Researchに掲載された論文の引用傾向を検討し,同誌がマーケティング・サイエンスと消費者行動研究の議論に共通の場を提供する重要な鍵である可能性を指摘した。最後に,両分野の知見が有機的に結びつくことで今後の発展が期待される研究テーマを示し,関連する既存研究をレビューした。(マーケティング・サイエンス,消費者行動,研究動向,知覚,認知,社会的ダイナミクス)