著者
吉村 和明
出版者
東京大学仏語仏文学研究会
雑誌
仏語仏文学研究 (ISSN:09190473)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.81-91, 1991-06-30

菅野昭正先生退官記念特集号
著者
箱石 大 宮間 純一 水上 たかね 村 和明
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

1867年の王政復古政変から1871年の廃藩置県までの維新政権期における明治太政官文書は、1873年の皇城及び太政官庁等の火災により、その大半が失われた。しかし、近年、京都に残置されていたため焼失を免れた文書が、現在は東京大学史料編纂所・国立公文書館・宮内庁の3機関を中心として分散的に所蔵・管理されており、それぞれが本来は同一の文書群に属するものであることが明らかとなった。本研究では、上記3機関に分散所在する文書を本来の文書群として復元するとともに、アーカイブズ学的・古文書学的観点から、文書群全体の構造や個別文書の様式・機能等についても分析し、幕末維新史料学の構築に寄与することを目指す。
著者
村 和明
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.129, no.10, pp.1-4, 2020 (Released:2021-12-01)

本企画の趣旨は、天皇像―すなわち天皇の(図像ではない)イメージ、天皇のあり方・あるべき姿をめぐる像―を分析対象とし、列島のさまざまな時代におけるその形成、変容、利用のあり方を考える、というものである。特に留意したのは、具体的な時代状況・政治過程のなかで考えるという視座と、媒体となる史料・書物に焦点を当てるという方法であった。 本企画はいうまでもなく、天皇の代替わりをめぐる動向が、国民的な関心をあつめている社会状況を強く意識して企画・開催された。この代替わりに先行して、天皇明仁(当時)による、過去の天皇についての歴史認識をふまえた、現代の日本国憲法下での天皇の役割をめぐる積極的な発言、行動がみられた。国際環境の激動のもと、国内政治・経済の新たな動向が模索される社会において、こうした明仁天皇の言動は強い印象をもって受け止められ、それによって現代日本における天皇(皇族も)についての従来の像・イメージは揺らぎ、意識するとしないとを問わず、再構築がなされてきたように思われる。 さて、前回の代替わりの前後を振り返ると、やはり学会を越えて関心の大きな盛り上がりがあり、天皇にまつわるさまざまな事象について研究の気運が非常に盛り上った。この盛り上がりが、関心の焦点を少しく変えながらも継続し、現在まで研究成果が蓄積されてきたと評価できるであろう。現在の状況を念頭に置いてこの時期をみるならば、当時の人々が経験してきた時代状況、昭和天皇の人物像、その地位をめぐる政治過程などの要素が、当時の、そしてその後の天皇像や、研究史における問題関心に大きな影響を与えていたことが改めて見てとれよう。こうしたある種の規定性や、天皇像の社会における変容が、広く認識されつつある現在は、天皇や、より広くは世界の君主制をめぐる歴史学にとって、またとない発展の好機ではなかろうか。 以上のような観点から、本企画では、さまざまな時代における具体的な政治過程とからみあって、天皇のイメージが形成・伝達され、変容してゆく姿に、媒介となる文字資料そのものにこだわりながら、迫ろうとした。これはまた、研究史における天皇像をも史学史的に再検討することを通じて、豊かな研究蓄積を批判的に継承し、新たな発展の手がかりを得ようとする試みである。さらに、近年の歴史学で重視され豊かな成果を生んできた、表象・意識・言説・「伝統」の分析や、こうした動向によって伝統的な蓄積にさらなる深みを加えつつある史料論を活かし、最先端の視座や方法を議論することも意図した。本企画において提示された多様な内容と議論が深められ、また読者諸賢によりさらに豊かな論点や、研究を躍進させる新しい切り口、新しい息吹が汲み出されること、また現在人々が向かい合っている課題を歴史学から考え、歴史学こそがなすべきことは何かを、改めて問う一助となることを期待するものである。
著者
川村 和明
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.504-507, 2002-07-01
参考文献数
9
被引用文献数
3

高分子凝集剤は,水環境の保全に欠かすことのできない機能剤として広く使用されている。従来から使われているアクリルアミド(共)重合体系の凝集剤に加え,近年開発された両性型やアミジン型高分子は凝集剤として特異な性能を発するとして注目されている。また,高分子凝集剤の新たな用途として浄水処理への適用が期待されている。ここでは,高分子凝集剤の特性と最近の技術および今後の展望を紹介する。
著者
前之園 信也 田口 友彦 向井 康治朗 高倉 正博 和栗 聡 松村 和明
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

磁性-プラズモンハイブリッドナノ粒子(Ag/FeCo/Agコア/シェル/シェル型ナノ粒子)を創製し、このナノ粒子を用いてオートファゴソームの磁気分離に挑戦した。ハイブリッドナノ粒子を哺乳細胞にリポフェクションし培養したところ、30分後にはナノ粒子がVps26と共局在し、その後LC3と共局在する様子が観察された。最適なタイミングで細胞膜を温和に破砕し磁気分離に供した。磁気分離分画にはLC3-II、トランスフェリン受容体、及びLAMP2が濃縮されていたが、LC3-Iは含有されていなかった。これらの結果はオートファゴソームが単離できたことを示している。
著者
小川 一夫 岡村 和明
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
經濟研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.132-142,190, 2001

本稿では「家計調査」収録の費目別消費データに基づいて,余暇と消費の間の弱分離性を統計的に検証する.弱分離性が棄却されれば,余暇水準は支出行動に直接的な影響を及ぼすことになる.われわれは,条件付き需要関数に基づき,家計にとって余暇水準が与えられた下で,家計の支出行動に検討を加えた.実証分析の結果,総支出弾力性は余暇時間の大きさに依存することが明らかとなり,消費と余暇時間の間の弱分離制は棄却された.消費サービスを享受する行為に時間が必要とされる「教養・娯楽」,「住居」といった費目への総支出弾力性は,余暇時間が増加するにつれて上昇する傾向が観察される.逆に,労働と密接に結びついて消費費目である「被服及び履物」,「保険医療」といった費目への総支出弾力性は,余暇時間の増加につれて低下していくことが見いだされる.We examine the effects of leisure on household commodity demands using data on monthly expenditure from Japanese Household Expenditure Survey during 1970 to 1996. Specifically we test the separability of commodity demands from leisure based on conditional demand functions. Separability is decisively rejected and it is found that as the time allocated to leisure increases, the total expenditure elasticity of recreation and housing rises, while that of clothing and medical care falls.
著者
岡村 和明 NIZAMUL Islam
出版者
高知大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、既婚女性を対象にある時点での正規労働、非正規労働の経験がその後の働き方に及ぼす効果を検証した。その結果、既婚女性自身の観察されない特性およびランダムな要因等を明示的にコントロールした場合でも、正規労働、非正規労働双方において、ある時点での仕事経験が同じ形態の仕事を経験する確率を高めることが明らかとなった。この結果は、仕事経験の内容が既婚女性自身の能力および選好に長期的な影響を及ぼすことを示唆している。