著者
村上 謙
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-14, 2009-01

現在西日本各地で尊敬語化形式として用いられる「テ+指定辞」は成立当初(18世紀初頭)、継続性表示機能と現在時表示機能を有していた。そうしたテンス・アスペクト機能はその後失われることになるが、本稿では絵入狂言本や浄瑠璃、洒落本、噺本を用いて近世前期から幕末までの用例を収集し、詳細に分析した上で、1780年代頃にはテンス・アスペクト機能が弱化していたことを明らかにする。さらにこうした変化に拍車をかけたのが、「テ+指定辞」と同様の表現性を持つテイナサルの出現であったことを述べる。また明治以降の「テ+指定辞」の動向についても、尊敬語化形式ハルとの関係などを踏まえつつ論じる。
著者
村上 謙吉
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.65-69, 2008-02-15 (Released:2010-03-25)
参考文献数
3
著者
村上 謙
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.17-32, 2006-10-01

本稿では近世前期上方で生じた状態性を有する尊敬語表現「テ+指定辞」(ex.聞いてじゃ)の成立過程について論じる。これについてはこれまで、省略説、体言化説、状態化説、「ての事だ」の関与説、の四説が論じられているがいずれも採るべきではなく、本稿ではこれらに代わるものとして、「テゴザルからの変化」説を提出する。この説は、状態性を有する尊敬語表現形式テゴザルのゴザル部分をジャなどで代用することで新形態「テ+指定辞」が出現したと考えるものである。このように考えれば、「テ+指定辞」が敬意を有する語を含まない尊敬語表現であった事、近世前期に生じた事、状態性表現であった事を有機的に関連づけて説明できる。
著者
祖父江 寛 村上 謙吉
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.9, no.92, pp.454-461, 1952
被引用文献数
2

樹脂加工用尿素・ホルムアルデヒド初期縮合物は従来のものは甚だ不安定で, 使用中短期間に混濁, またはゲル化してしまう。しかしながらトリメチロール尿素, テトラメチロール尿素のような高メチロール化物を共存させるとき, 樹脂液は長期間安定性を失わぬ [デュポン社, 英特許 641, 703 (1950)]。<BR>かかる実用的な面からしても, 初期縮合物モノ, ジ, トリ, テトラの4種メチロール化物のおのおのの生成量の比及び状態が反応温度, 反応時間, 触媒量の変化によつて, いかに変化するかを知ることは重要なことである。これに関する報文は第2報以下にゆずり, 第1報にては適当な低温条件下で, モノ, ジの2種のメチロール尿素を生成せる場合の尿素, ホルマリン, モノメチロール尿素間の平衡恒数K1及びモノメチロール尿素, ホルマリン, ジメチロール尿素間の平衡恒数K2の測定に関し, 2種類の異つた測定法を述べこれらと井上・細野氏の測定法とを比較検討した結果について記述する。
著者
村上 謙
出版者
関西学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

明治大正期以降の関西弁が「標準語」からどのような影響を受け、変容を遂げたかについて明らかにした。また、その延長線上にある近世期にまでさかのぼって、どうであったかについても検討した。それと同時に、関西を含めた全国で、当時、どのような標準語観が存在していたかについて考察した。また、近世語研究や日本語史研究における標準語史観についても考察を加えた。これらは国語意識史の解明につながるものである。
著者
鈴木 晋介 井上 智夫 村上 謙介 江面 正幸 上之原 広司
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.200-207, 2016 (Released:2017-03-25)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

脊髄損傷の急性期の管理の要点は, ADL自立に向けて早期離床させ, 早期にリハビリテーションを開始することにある. 責任圧迫病変や高度不安定病変に対しての急性期早期観血的治療を行い早期に離床させることはその意味で理にかなっているものと思われる. 脊椎インストゥルメンテーションの使用により術後臥床期間の短縮が可能である. 本邦では近年, 高齢者脊髄外傷症例の著明な増加傾向を認める. 何らかの対策が必要である. 頚椎外傷では椎骨動脈損傷に留意し, その評価が重要である. 移植治療は今後有望な治療方法であるが, まだ決定的なところまでは行っていない. 今後待たれるところが大きい. 脊髄外傷の病態を理解しイニシアチブのとれる脳神経外科医が増えることを切望する.
著者
村上 謙
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.17-32, 2006-10-01 (Released:2017-07-28)

本稿では近世前期上方で生じた状態性を有する尊敬語表現「テ+指定辞」(ex.聞いてじゃ)の成立過程について論じる。これについてはこれまで、省略説、体言化説、状態化説、「ての事だ」の関与説、の四説が論じられているがいずれも採るべきではなく、本稿ではこれらに代わるものとして、「テゴザルからの変化」説を提出する。この説は、状態性を有する尊敬語表現形式テゴザルのゴザル部分をジャなどで代用することで新形態「テ+指定辞」が出現したと考えるものである。このように考えれば、「テ+指定辞」が敬意を有する語を含まない尊敬語表現であった事、近世前期に生じた事、状態性表現であった事を有機的に関連づけて説明できる。
著者
村上 謙吉
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.62-64, 1974-01-15 (Released:2009-10-16)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1
著者
祖父江 寛 中村 茂夫 村上 謙吉 梶浦 淳資
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.19, no.206, pp.365-369, 1962-06-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1

分子量分布の多分散性を示すために一般に用いられているパラメーターMw/Mnの分子量依存性を一般的な分布関数f (M)について検討した。その結果分布の形が全く同一でもMw/Mnの値は分子量が大きくなると単調に1に近づき, 分子量依存性を示すことがわかった。またこのような現象を具体的に示すものとして若干の簡単な分子量分布模型についても検討を加えた。
著者
村上 謙 佐藤 浩司 横谷 哲也 安士 哲次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.279, pp.73-77, 2005-09-15

IEEE802.1のLink Security Task Groupにて, レイヤ2レベルのセキュリティに関する標準化が進められている.具体的には, 802.1AEにてMAC(Media Access Control)サービスを適用するLAN/MAN(Local Area/Metropolitan Area Network)でのセキュア通信機能を, 802.1afにてMACセキュリティのためのコネクティビティアソシエーション確立方法を議論している。802.1AEはDraft3.5によるワーキンググループレベルの投票が7月に行われ、11月までに次のステップ(スポンサー投票)に進む予定である。また来年5月の標準制定を目標としている。一方, 802.1afはDraft0.2が7月に発行されたが, 課題も多く, 依然としてタスクグループ投票前の議論が続けられている。こちらは来年12月の標準制定を目標としている。本報告では, 各ワーキンググループでの審議状況をまとめるとともに, 特に802.1afにおける今後の課題を示す.
著者
村上 謙
出版者
埼玉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

これまで未開拓の分野であった明治大正期の関西弁資料の発掘とその資料的価値の検証をおこなった。具体的には、上司小剣による関西弁小説群と曾我廼家五郎による脚本類などである。またその検証結果をもとに、明治大正期の関西弁における文法問題の抽出、及びその研究と解明をおこなった。具体的には待遇表現や否定表現、音変化のあり方などである。