著者
山田 剛史 村井 潤一郎 杉澤 武俊 寺尾 敦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は,心理統計担当教員間で共有できるテスト問題の項目データベースの開発を行うことであった。具体的な成果は,(1)これまでの研究成果(基盤研究(C)課題番号:17530478)を発展させ改良を加えた,心理統計テスト項目データベースの開発,(2)データベースのユーザビリティについて,全国の心理統計の講義を担当する大学教員を対象にした試験的運用,基礎データの収集を計画した,といったことをあげることができる。
著者
扇原 貴志 村井 潤一郎
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.3-12, 2012 (Released:2020-09-30)
参考文献数
35

本研究の目的は、第一に、大学生が最もイメージする「子ども」の年齢層を調査により定義し、第二に、それに基づき大学生の「子どもへの関心」の程度を測定する尺度を測定し、それに関連する要因を探ることである。まず予備調査として大学生115名に「子ども」として最もイメージする年齢層を尋ねた結果、全体の約67%が「3~6歳の幼児」を挙げた。従って本調査では「子ども」を「(3~6歳の)幼児」と定義して検討した。本調査では、保育学、心理学を専攻する大学生247名を対象とした。その結果、子どもへの関心尺度は「好意的注目」「同情」「好奇心」「寛容性」の4下位尺度から構成されていた。この尺度について信頼性と妥当性を確認した後、関連する要因を検討した結果、幼児との接触経験が多い程、子どもへの関心が高い傾向にあった。また、「好意的注目」「好奇心」では女性の方が得点は高く、専攻別では全下位尺度で保育学専攻の方が得点は高かった。以上のことから、子どもへの関心は幼児との接触経験によって促進され、女性で高く、子どもを扱う学問を専攻する者で高いことが示唆された。