著者
東 知宏 荒川 満枝 池原 弘展 森本 美智子 鵜飼 和浩
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.183-188, 2012 (Released:2012-08-05)
参考文献数
14

医療施設では擦式アルコール製剤を用いた手指消毒が推奨されているが,実際には製剤の使用量が規定より少なく,指先を擦り込んでいないと報告されている.そこで手指消毒時の指先擦り込みの有無,製剤使用量の違いが除菌効果に影響を与えるか検証した.   研究協力者は指先擦り込み実施群と指先擦り込み非実施群に分け,それぞれ製剤を規定の3 mLと半量の1.5 mL使用し手指消毒を行った,手指消毒前後の細菌をスタンプ法により指先,指中央,手掌から採取し除菌効果の差を検証した.   指先擦り込み非実施群では,指先の除菌率が指中央,手掌と比較して有意に低かった(製剤使用量3 mL, 1.5 mLともにp<0.001).また,指先擦り込み非実施群は,実施群と比較して指先の指数減少値が有意に低かった(製剤3 mL使用時p<0.01, 1.5 mL使用時p<0.001).指先擦り込み非実施群では,製剤使用量が1.5 mLの場合,3 mL使用した場合と比較して指先の指数減少値が有意に低かった(p<0.01).指中央,手掌では製剤使用量の違い,指先擦り込みの有無による除菌効果の差はなかった.これらより,手指消毒時に指先を擦り込まなければ除菌効果が低下することを認識し,指先擦り込みを意識して手指消毒を行う必要があるといえる.さらに,製剤使用量を規定の半量以下とすると,除菌効果がより低下することを認識しておく必要がある.
著者
東 知宏 伊藤 裕之 須長 正治 妹尾 武治
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.521-524, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
7

Motion lines have been studied as expression of motion in static images. We investigated an effect of motion lines in apparent-motion displays. The smoothness of two-frame apparent motion was enhanced by presentation of a motion line between the frames, and even by simultaneous presentation of a motion line attached to an object in the first or the last frame. We additionally proved that the effect of motion lines becomes highlighted with an extended distance between apparent-motion components. The use of motion lines may contribute to production of various types of movies from the point of smoother motion impression with reduced computational load.
著者
岡崎 好秀 宮城 淳 堀 雅彦 東 知宏 中村 由貴子 小坂田 弘子 紀 螢 Bazar Oyuntsetseg Rodis Omar 松村 誠士 下野 勉
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.693-700, 2002-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
37
被引用文献数
2

齲蝕のない3~5歳の小児114名を対象として,Dentocult-SM®strip Mutansテスト(Orion Diagnostica社製)を用い,ミュータンス連鎖球菌数について調べた。また小児の生活習慣に関する15問のアンケートを実施した。そしてミュータンス連鎖球菌数とアンケート項目との関係について数量化理論II類を用い解析した。さらに上位にランクされた項目についてはχ2検定を用い検討を加えた。1.Dentocult-SM(R) Strip mutansテストの判定結果の分布は,クラス0は69.3%(79/114名),クラス1は21.9%(25/114名),クラス2は8.8%(10/114名)であり,クラス3は1人もいなかった。2.以下の項目はミュータンス連鎖球菌数と有意に関係していた。1)間食の不規則摂取(χ2検定p<0.01)2)間食回数3回以上(χ2検定p<0.01)3)甘味飲料を多く飲む(χ2検定P<0.05)4)保護者の齲蝕が多い(χ2検定p<0.05)5)間食後の歯磨きをしない(χ2検定P<0.05)以上より,これらの項目に対する保健指導を行えば,ミュータンス菌の定着のリスクが減少し,ひいては小児の齲蝕予防につながることが期待できる。
著者
岡崎 好秀 東 知宏 田中 浩二 石黒 延枝 大田原 香織 久米 美佳 宮城 淳 壺内 智郎 下野 勉
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.677-683, 1998-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
25
被引用文献数
4

655名の小児を対象として,3歳時と小学校1年生時から中学1年生時までの,齲蝕指数の推移について経年的に調査した。1)3歳時の齲蝕罹患者率は65.6%,1人平均df歯数は3.80歯であった。2)中学1年生時の齲蝕罹患者率は93.4%,1人平均DF歯数は4.78歯であった。3)3歳時のdf歯数は,小学校1年生から中学校1年生までのDF歯数と高度の相関が認められた(p<0.001)。4)3歳時のdf歯数が0歯群と9歯以上群の小学校1年生から中学校1年生までの永久歯齲蝕罹患者率には,有意の差が認められた(p<0.001)。5)3歳時のdf歯数が多い群ほど,永久歯のDF歯数も高い値を示した(p<0.05)。3歳時の齲蝕は,将来の齲蝕に影響を与えることから,乳幼児期からの齲蝕予防の重要性が示唆された。
著者
岡崎 好秀 東 知宏 田中 浩二 石黒 延枝 大田原 香織 久米 美佳 宮城 淳 壺内 智郎 下野 勉
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.677-683, 1998-09-25
参考文献数
25
被引用文献数
5

655名の小児を対象として,3歳時と小学校1年生時から中学1年生時までの,齲蝕指数の推移について経年的に調査した。<BR>1)3歳時の齲蝕罹患者率は65.6%,1人平均df歯数は3.80歯であった。<BR>2)中学1年生時の齲蝕罹患者率は93.4%,1人平均DF歯数は4.78歯であった。<BR>3)3歳時のdf歯数は,小学校1年生から中学校1年生までのDF歯数と高度の相関が認められた(p<0.001)。<BR>4)3歳時のdf歯数が0歯群と9歯以上群の小学校1年生から中学校1年生までの永久歯齲蝕罹患者率には,有意の差が認められた(p<0.001)。<BR>5)3歳時のdf歯数が多い群ほど,永久歯のDF歯数も高い値を示した(p<0.05)。3歳時の齲蝕は,将来の齲蝕に影響を与えることから,乳幼児期からの齲蝕予防の重要性が示唆された。
著者
友成 健 後藤 強 佐藤 紀 大澤 俊文 後東 知宏 西良 浩一 加藤 真介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11812, (Released:2020-11-02)
参考文献数
32

【目的】本研究の目的は,末期変形性股関節症(以下,股OA)患者の脊椎アライメントおよび脊椎可動域を明らかにすることである。【方法】末期変形性股関節症患者11 名(以下,OA 群)と健常高齢者16名(以下,対照群)を対象とした。測定項目としてspinal mouse® を用い,立位での静的な脊椎アライメントの比較および,立位および四つ這い位での動的な脊椎可動域を測定した。【結果】立位による胸腰椎の脊椎アライメントは両群間に有意差は認めなかった。立位および四つ這い位におけるOA 群の腰椎可動域は,対照群と比較して有意な減少を認めたが,胸椎可動域は有意差を認めなかった。【結論】末期股OA 患者は静的な胸腰椎アライメントは健常高齢者と差を認めないが,動的な腰椎可動域に関しては減少することが示唆された。
著者
東 知宏 長田 恭一 相倉 悦子 今坂 浩 半田 正之
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.184-192, 2013-04-15 (Released:2013-06-04)
参考文献数
38
被引用文献数
1 7

一般に,りんごは中心果実を肥大させるために摘果される.摘果された未熟果実はプロシアニジン化合物を多く有するが,ほとんど利用されていない.りんご未熟果実の有効利用法を考えるために,4週齢のSprague-Dawly (SD)系雄性ラットに10 %の脂肪と0.17 %のりんご未熟果実由来ポリフェノール(UP)を含む飼料を62日間与え,UPによる脂肪蓄積抑制作用と血糖値上昇抑制作用を検討した.その結果,白色脂肪組織重量は,対照(C)群と比べてUPを摂取したラット(UP群)は有意に低くなった.血漿と肝臓のトリグリセリド濃度はC群よりもUP群は有意に低くなった.空腹時血糖値と血漿インスリン濃度は,C群と比べてUP群は有意に低くなり,血漿アディポネクチン濃度は,C群よりもUP群は高くなる傾向にあった.脂肪酸β酸化酵素のCPTIIとACOXのmRNA発現量は,両者ともにC群と比べてUP群は有意に高くなり,さらに,脂肪酸β酸化系酵素のmRNA発現に関連する核内受容体のPPARαのmRNA発現量も,C群と比べてUP群は有意に高くなった.また,in vitro試験で,UPの脂肪と糖質の吸収に与える作用を調べたところ,リパーゼと種々の糖質加水分解酵素の活性は阻害され,ミセル形成も阻害された.UPによる糖質と加水分解した脂肪の吸収阻害作用が反転腸管法でも確認された.以上のことから,UPの摂取により肝臓の脂肪酸β酸化が促進され,かつ,小腸からの脂肪と糖質の吸収が阻害されることで,生体内の脂肪蓄積が抑制されると考えられる.よって,ポリフェノールを多く含むりんご未熟果実は肥満予防食材として,有効利用できるのではないかと考えられる.
著者
岡崎 好秀 東 知宏 田中 浩二 石黒 延技 大田原 香織 久米 美佳 宮城 淳 大町 耕市 松村 誠士 下野 勉
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.310-318, 1998-07-30
被引用文献数
11

カリオスタットと齲蝕の関係について数多くの報告があるが,歯周疾患との関係については少ない。学童期における歯肉炎の多くは,不潔性歯肉炎であり,齲蝕と同様プラークが原因である。そこで中学生437名を対象に,齲蝕活動性試験カリオスタット^[○!R]および唾液潜血テストサリバスター潜血用^[○!R]を行い,齲蝕歯数(D歯数)・歯肉炎との関係について調査した。1)カリオスタット24時間判定結果(24H)においては,D歯数・歯肉炎と高度の相関関係が認められた(p<0.001)。また,歯肉炎の程度より3つに群分けし,カリオスタット(24H)との関係をみたところ,有意な分布の差が認められた(χ^2検定p<0.001)。2)カリオスタット48時間判定結果(48H)においては,D歯数・歯肉炎との間に相関関係が認められた(p<0.05p<0.001)。しかし歯肉炎の群分けにおいては,カリオスタット(48H)に有意な分布の差が認められなかった。3)サリバスターはD歯数と有意な関係は認めなかった。しかし歯肉炎とは相関関係が認められた(p<0.05)。歯肉炎の群分けにおいては,サリバスターには,有意な分布の差が認められなかった。4)カリオスタット(24H)とサリバスターの間には,有意な関係が認められなかった。5)カリオスタット(24H)を用い, 1.0以上を基準として歯肉炎をスクリーニングし敏感度・特異度を算出すると,それぞれ0.34,0.83となった。サリバスターで+以上をスクリーニング基準とすると0.55,0.55であった。歯垢を試料とするカリオスタットは,口腔衛生状態を反映し,齲蝕だけでなく,歯肉炎とも関係が深いことが考えられた。
著者
岡崎 好秀 中村 由貴子 東 知宏 宮城 淳 田中 浩二 久米 美佳 大町 耕市 下野 勉
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.2-8, 1999-01-30
被引用文献数
19

幼稚園児(5,6歳)94人を対象として,齲蝕活動性試験Cariostat^[○!R](三金工業)・Dentocult-SM^[○!R] Strip mutans (Orion Diagnostica)・Dentocult-LB^[○!R] (Orion Diasnostica)と口腔内状態の関連性について調査した。1 : Cariostatは,全員から採取可能であった。しかしDentocult-SM Strip mutans・Dentocult-LBは,85名(90.4%)しか採取できなかった。2 : 幼稚園児の齲蝕有病者率75.3%1人平均d歯数4.04歯,平均df歯数6.55歯,CSI 13.9であった。3 : Carinstat^[○!R]とDentocult-LB^[○!R]は,d歯数,df歯数,CSIの各齲蝕指数との関係において高度の相関が認められた(p<0.001)。4 : Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansは,d歯数,df歯数と高度の相関性が認められた(p<0.01)。5 : すべての試験方法において,健全群と未処置群,処置終了群と未処置群の間に有意差が認められた(p<0.05)。6 : Cariostat^[○!R]はスクリーニング基準を1.5/2.0間にしたとき,敏感度0.703,特異度0.857となった。Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansでは2/3間で敏感度0.359,特異度0.900であったDentocult-LB^[○!R]では10^3/10^4間で,敏感度0.625,特異度0.85となった。Cariostat^[○!R]とDentocult-LB^[○!R]は齲蝕指数と同程度の相関が認められたが,Dentocult-SM^[○!R] Strip mutansの相関はやや低かった。