著者
三好 和也 松井 武志 雁木 淳一 和久 利彦 折田 薫三
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.77-81, 1995-01-01
参考文献数
12
被引用文献数
8

門脈ガス血症は, さまざまな疾患に伴ってみられる比較的まれな病態であり, 一般に予後不良の微候とされている. 特に, 本症を伴う急性上腸間膜動脈閉塞症の予後はきわめて不良であることが知られ, 過去にわずか4例の救命例が報告されているにすぎない. 症例は Buerger 病の既往を有する64歳の男性で, 突然発症した腹部の疝痛を主訴に来院した. 腹部 X 線検査では, 右上腹部に拡張した小腸ガス像を認めたが, 門脈内のガス像は抽出されなかった. 腹部 computed tomography では, 肝内門脈内い樹枝状に広がるガス像を認めた. 発症後13時間にて開腹したところ, 回腸の一部が壊死に陥っていたため, 壊死腸管を 40cm にわたり切除し, 端々吻合にて再建した. 術後経過は良好であった.
著者
鵜生 高徳 宮本 雅規 市川 浩司 中村 克己 松井 武 馬淵 雄一 三島 章 小林 金也 中村 篤 林 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.488, pp.55-60, 2003-11-28
被引用文献数
2

自動車向け電子制御装置(以下、車載電子機器)の電源系ノイズシミュレーションに向けて電源系及び発振回路部についてモデル化の検討を行った。その結果、電源系についてはこれまで提案されてきたモデルに対して、モデル電源系端子間に複数の電源回路を持つ多電源モデルが有効であるとの結論を得た。また、発振回路系については線形モデル回路の提案を行った。これらについて実際のICを用いてモデルを作成し、VHF帯でその精度を検証することでその有用性を確認した。
著者
三好 和也 松井 武志 雁木 淳一 篠浦 先 折田 薫三
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1716-1720, 1996 (Released:2011-08-23)
参考文献数
18

1992年から1994年末までの3年間に, 20年以上の長期にわたり抗精神病薬の内服治療を受けてきた8例の精神分裂病患者について消化器外科手術を経験した.手術の対象となった疾患は胆石症2例, 急性胆嚢炎2例, 虫垂炎の穿孔による汎発性腹膜炎2例, 肝内結石症と横行結腸癌が各1例であった. 術後の合併症は胆管空腸吻合の縫合不全と麻痺性イレウスを各1例に認めたのみで, 突然死例はなかった. 横行結腸癌で閉塞性イレウスをきたした1例を除いて, 抗精神病薬は手術の前日まで減量せずに継続した.手術の翌日から抗精神病薬の就眠前の非経口投与を開始し, 食餌開始にあわせて術前の経口剤を再開した. 4例に精神症状が見られたが, いずれも軽症で外科的管理上問題にならなかった. 精神分裂病患者の安全な周術期管理のためには精神科医の協力による精神的ケアが重要であった.
著者
松井 武敏
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.175-183,279, 1952-07-30 (Released:2009-04-28)
参考文献数
28

(1) In order to clarify the nature of geography, it is necessary (a) to interpret it epistemologically, or methodologically, (b) to expound it from the standpoint of historical development, and (c) to examine it on the basis of real studies. The present essay deals with the nature of geography mainly from the first point of View above mentioned.(2) Science can be classified in to abstract and concrete sciences. Concrete science is further divided into sciences of time and space. Geography is a science of space which belongs to the category of conrete science. The Character of geography lies in the investigation and studying of the structure of a region in the concrete.(3) A region is a unity that is realized on the surface of the earth with which different phenomena are associated. It is a collective object having its own structure and exists in a different dimension from each seprate phenomenon. It forms an object of study peculiar to geography.(4) “To investigate the structure of region means to understand a region not as a simply united whole but as a compound whole made up of elements, and to grasp mechanism of such a make-up. What is characterisitc of geography in the most recent times is that the structure of a region is made clear functionally and the mutual relations of elements composing the whole are grasped in a numerical manner. In the understanding of the structure of a region, the most important subject of study is a correlation between nature and cultural phenomena. The ascertaining of how the component elements are distributed will prove essential in such a study.(5) By studying the structure of a region in the concrete is meant not only that a region is grasped mechanistically on basis of real facts but that a structure which is not be thoroughly understood in such a manner is clarified concretely. In this study the historical consideration plays an important role.
著者
松井 武彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.947-956, 1965-09-01

近年, 妊娠貧血に関する研究は多方面に亘り, その進歩には目覚しいものがある. 古くは末梢血の検索が主たる研究課題であったが, 最近は優秀な理化学器械の出現と放射性同位元素の応用などにより研究方法が一新したかの感がある. 末梢血の検索が貧血の診断に重要であることは今更申すまでもないが, 更に一歩前進して血液中の造血資材の検索はそれ以上に診断的価値があるものと信ずる. 妊娠貧血の原因については未だ氷解しない面が多いようであるが, その大部分は鉄欠乏性のものであるとの意見が強い. 私は健常妊婦の末梢血の検索の結果, 低色素性のもの以外に高色素性の貧血をかなりの頻度に認めた^&lr;22)>. このことが動機となり健常妊婦の血清鉄および血清ビタミンB_<12>量の変動を追求した. 1) 昭和37年1月から昭和39年1月まで約2年間に亘り, 長崎大学産婦人科外来健常妊婦330例について検索を試みた. 2) 末梢血の検索は一般に行われている方法で行った. 3) 血清鉄および不飽和鉄結合能の測定はSchade et al ^<37)>の原法に従って行った. 発色剤は2, 2', 2"-terpyridine, 試薬はすべて特級を使用した. ガラス器具は硝酸:水=1:1に一昼夜以上浸し鉄イオンの排除につとめ, 洗滌は再溜水で何回も行った. 4) 血清ビタミンB_<12>量の測定はMeynell et al^<26)>の原法に従って行った. 定量用菌株は, Lactobacillus leichmannii, 保存, 前培養および定量用培地はDifco社製市販既成培地, ビタミンB_<12>標準原液はRubramin(Squibb社製)を用いた. 試料中の菌の増殖度は試料のpHの変化から求めた. 研究成績 : 赤血球数, ヘモグロビンおよびヘマトクリット(以下それぞれをRBC, Hgb, およびHct. と略記する)は妊娠初期にすでに健常非妊婦に比し推計学的に有意の減少(P<0.05)を示した. 妊娠月数の進行につれてその減少は著明となり, 妊娠中期に最大の減少が認められ, 以後やゝ恢復傾向が認められたが, 妊娠初期の値にまでは達しなかった. 初経産別では経産群に有意の減少(P<0.05)を示した. 大部分のものは正球性正色素性を示したが, この外, 小球性低色素性および大球性高色素性のものがかなりの頻度に認められた. 血清鉄は健常非妊婦に比し有意の減少(P<0.05)を認め, 不飽和鉄結合能は有意の増加(P<0.05)を認め鉄欠乏の存在を確認した. 血清ビタミンB_<12>量は健常非妊婦に比し有意の減少(P<0.05)を認めなかった. 妊娠月数の累加にともない減少傾向にあり, 妊娠中期に有意の減少(P<0.05)が認められた. 妊娠後期ではやゝ恢復の傾向を認めた. 小球性低色素性群にも血清ビタミンB_<12>量の欠乏を認め, 又大球性高色素性群にも血清鉄の減少を認め妊娠中は鉄欠乏とビタミンB_<12>の欠乏の両者が合併しているために複雑な病相な呈するのではないかという結論に達した.
著者
真田 茂 小林 健 高島 力 松井 武司
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.60-68, 1999-01-20
被引用文献数
6

Current radiographs were compared with previous ones, and their anomalies were enhanced by the digital subtraction of both images. This procedure affords easy recognition of temporal changes. The image by which the first derivative filter limits the orientation of gradients was used in order for "lung markings" to be matched when making adjustments prior to the subtraction of the two images. Previous and current images were then matched using the sequential similarity detection algorithm (SSDA) method. With our method, Althougy artifacts due to disagreement of the costal shadow were generated, subtle opacities such as infiltrates, nodules, bands, linear shadows, and cardiomegaly were clearly enhanced on the subtraction image. This suggests improved accuracy when fadiologists diagnose a sepuential chest image using the subtraction image.