著者
高林 純示 松井 健二 松田 一彦 佐藤 雅 松村 正哉 五味 剣二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

本研究では(1)植物の香りの生合成経路であるフィトオキシリピン経路の間接防衛に果たす役割の全体像の解明とその応用の研究から、みどりの香りの生態機能に関する多くの新知見を得た。とくに除虫菊の研究から新たな植物防衛の機構が明らかになった。また(2)植物の揮発性物質が生態系の生物間相互作用ネットワークに及ぼす影響の解明とその応用に関する研究では、相互作用・情報ネットワークの概念を確立するとともに、揮発性物質の利活用による害虫防除法を発見した。
著者
小野 正虎 柏木 温子 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.151, pp.25-30, 2002-06-20
参考文献数
5

多視点画像から物体の3次元形状を獲得する手法として視体積交差法が知られている.一般にこの手法を動きを有する物体に適用する際は,複数のカメラによって多視点画像を同時に取得する必要があり,各カメラのキャリブレーションや同期に要するコストが問題となる.そこで本稿では,単一のカメラと複数色光源を利用して視体積交差法と同様な原理を実現する手法を提案する.まず,基準となる物体の影を計測し,光源の位置とカメラパラメータを推定する.次に測定対象に色の異なる光源を同時に照射した際の床面の影を撮影し,各光源に対応する影を画像上の色の違いに基づいて分離する.これらの影と光源を結ぶ錐体を考え,その共通部分を抽出することで物体の3次元形状を求めることが可能となる.
著者
瀧澤 恵介 竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衛 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.106, pp.119-124, 2011-06-23

本稿では,Paricle Swarm Optimization(PSO)を用い,符号化レートを最小とするセルラーニューラルネットワーク(CNN)による画像予測器の教師付学習手法を提案する.提案手法では,従来予測誤差電力を最小化するよう設計されているCNNによる画像予測器をロスレス符号化性能向上のため,符号化レート最小化をPSOを用いた学習により実現している.特に,本方式で用いられているPSOは評価関数の勾配情報を利用しないため,CNNによる非線形予測器の学習に非常に効果的であると考えられる.様々な標準画像に対し符号化を行い,従来手法と比較し提案手法の有効性を確認した.
著者
松田 一朗 橋本 峻弥 須田 貴志 池田 悠 青森 久 伊東 晋
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.8, pp.1486-1495, 2011-08-01

本論文では,JPEG方式で記録されている静止画像のデータサイズを削減するため,画質を保持したまま再符号化する手法を提案する.JPEG方式は離散コサイン変換(DCT)を用いた非可逆符号化アルゴリズムを採用しており,符号化に伴う画質劣化はDCT係数の量子化ひずみによって生じる.したがって,JPEG画像データより抽出された量子化済みDCT係数を再量子化せずに可逆符号化することで,再符号化の前後で再生画像を完全に一致させることが可能となる.提案方式では,ブロック間の相関を利用したイントラ予測を導入するとともに,適応的な確率モデルに基づいた算術符号を用いることで,量子化済みDCT係数の効率的な可逆符号化を実現している.シミュレーション実験の結果,提案方式によって既存のJPEG画像データの符号化レートを19~33%削減できることを確認した.
著者
松田 一朗
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

旧世代の符号化方式で記録された映像コンテンツを、画質を保ったまま効率的に再符号化する技術の開発を行った。主に静止画像および動画像符号化の国際標準であるJPEGおよびMPEG-1方式を対象として再符号化アルゴリズムの実装と検証を行い、既存の映像データの符号量を10~30%削減することに成功した。この結果は、過去に記録された膨大な量の映像資産を、最新の符号化方式に匹敵する効率で蓄積・保存する手法を確立したことを意味する。
著者
松田 一孝 大川 徳之 野村 芳明 森田 直幸 筧 一彦 胡振江 武市 正人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.84-98, 2006-02-15

ファイルの操作において,ショートカットまたはシンボリックリンクといった別名の存在は,しばしばユーザを混乱させる.初心者にとってファイル実体と別名との区別は難しい,たとえば通常のファイルマネージャでは,ファイル実体を削除してもそれを指し示している別名は消えずに残り,逆に別名を削除しただけではファイル実体は削除されない.そこで,我々はファイルへの参照すべてを対称かつ統一的に抽象化して扱うファイルマネージャを,木上の双方向変換の技術を用いて実現する.我々のファイルマネージャの上では,1 つのファイルへの複数の参照は互いに同期されており,1 つを変更すると必ず同期された別の部分に伝播される.たとえば,1 つをディレクトリ木から削除すると残りも削除される.さらに,双方向変換を利用することにより,ディレクトリ木からの情報を抽出し操作して表示するなどのディレクトリ木の"見せ方" を抽象化および拡張でき,またその"見せ方"自体も変更することができる.このような"見せ方" の操作やファイル木に対する編集操作は,GUIを通して対話的に実行することができる.本論文では,この木上の双方向変換を利用したファイルマネージャの設計とその実装とを示す.File management is sometimes confusing due to the difference between files and their shortcuts (or symbolic links). While deleting shortcuts to a file can leave the file entity as it is, deleting a file entity may lead to dangling shortcuts. To resolve this problem, we apply the technique of bidirectional tree transformations to design and implement a new file manager which can treat file references in a symmetric and uniform way. This file manager is unique in its synchronization mechanism which eliminates the confusing difference of file references. Plural file references are synchronized, and changes applied on one reference will propagate to the others. For example, if one of the synchronized file references is deleted, the rest are also deleted automatically. This synchronization mechanism can be efficiently implemented based on bidirectional tree transformations. In this paper, we show the design and the implementation of our file manager. The interactive graphical user interface of our file manager enables us to manipulate file references easily, in which bidirectional tree transformations can produce complicated dependency.
著者
小畠 武 松田 一朗 青森 久 伊東 晋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.32, pp.25-28, 2010-07-26

近年,現実のシーンにCG映像などの視覚情報を重畳して呈示する拡張現実感(Augmented Reality:AR)に関する研究が盛んである.本稿では,ARのためのインタラクティブな映像呈示法として,頭部搭載型プロジェクタから直方体の手持ちスクリーンに映像を投影するシステムについて検討する.直方体スクリーンの頂点には赤外線LEDによる不可視マーカが取り付けられており,これを頭部のカメラで撮影し,パーティクルフィルタに基づいた追跡アルゴリズムを適用することで,その位置および姿勢情報を推定する.その結果に応じてユーザの視点に対応したCG映像を生成し,スクリーン上に投影することにより,直方体内部の仮想物体を覗き込むような感覚をユーザに与えることが可能となる.
著者
川谷 宗之 岡本 英彰 松田 一人 北川 哲 大西秀志 番原 睦則 田村 直之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.61-61, 2005-04-15

制約プログラミングとは,「ユーザは解決したい問題を制約の形で宣言的に記述するだけで,あとは制約解消系がその制約を満たす解を求めてくれる」という問題解決手法であり,近年注目を集めている.1990 年代には商用の制約解消系が登場し,これまで制約プログラミング手法に基づく生産スケジューリング,資源割当てなどの,実用的なシステムが開発されている.しかしながら,大規模な問題に対しては,制約解消系の処理に大きな計算量が必要とされるという問題がある.一方,近年の急速なネットワークインフラの高速化,普及を受けて新しい分散処理形態であるGrid が注目を集めている.我々の研究チームでは,Grid 計算環境に制約解消系を実装することでそのパフォーマンスを向上させることを目的とし,Grid に適した制約解消系の設計および実装を進めている.本発表では,その一環として実装を行ったGrid 計算環境上の2 つの制約解消系について述べる.まずSunGrid Engine(S.G.E.)上の制約解消系の実装,次にGlobus Toolkit を用いた制約解消系の実装について説明し,最後に,これらの制約解消系と単体計算機上の制約解消系を用いてパフォーマンス比較を行った結果を示す.ベンチマークにはよく知られているJob Shop Scheduling 問題などを用いた.得られた結果のうち,多くの場合において,今回の2 つの制約解消系が単体の計算機上の制約解消系より良い結果を示しており,制約解消系をGrid 計算環境上に実装することによる有効性は十分にあると結論付ける.In constraint programming, all you have to do is to define problems as sets of constraint declaratively, and then, constraint solvers search solutions. Commercial constraint solvers appeared in 1990s and have been used for production scheduling, resource allocation, and others. Constraint solving systems are useful but there are some issues. One of them is that they need much computational power to solve large scaled problems. Meanwhile, the Grid computing is a hot topic on the recent spread of the network infrastructure. In this presentation, we show some experimental results of two constraint solving systems on the Grid. We have developed these two systems on Sun Grid Engine and Globus Toolkit respectively. In each system, constraint solvers are implemented using Cream developed by our group. Cream is a Java class library for constraint programming and provides various optimization algorithms such as Simulated Annealing, Taboo Search, etc. We use Job Shop Scheduling Problem as benchmarks. In performance, our systems on the Grid gave nice speedup compared with Cream on a single machine.