著者
安永 知加子 柊 和佑 石橋 豊之
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.173-176, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
5

我々は、組織による地域情報の収集・蓄積・利活用を「地域の記憶」アーカイブの中核であると位置付け、収集手法、形式および保存方法、効果的な利活用手法を検討している。本稿では、組織の活動として作成されたCATVや組織内放送用動画像を地域情報資源と捉え、将来的に組織が「利活用」することを第一に考えた収集・蓄積・提供手法を提案する。具体的には、中部大学において約10年にわたって動画を作成し、地元CATVに番組を提供し続けているサークルである放送研究会の素材映像、番組映像および、構成台本、議事録等を収集対象とし、放送研究会および中部大学内で利活用しやすいアクセスポイントの設定および、メタデータスキーマと蓄積手法を検討した。アーカイブする対象としては、放送された映像のカット(映像の切り替わり)を中心に収集・蓄積を行う。素材を含めたアーカイブは既存の動画アーカイブと異なる点である。また、システムのガイドライン作成し、人的要因による入力情報不足を防ぐ。
著者
家島 明彦 玉田 圭作 金澤 宏明 柊 和佑 秦 美香子 池上 賢 西原 麻里 石川 優 岡部 拓哉 雑賀 忠宏 足立 加勇 想田 充 ALISON Brent YANAGIDA Takuya TOGNONI Nubia SARPA Bernard POON Man Wai Carol SOWON Kim BARAGLIA Jimmy
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

人文・社会科学の主要な学会誌等55誌4698冊分を調査し,従来の論文検索では見つけられなかったマンガに関する研究を399本「発掘」した。また,マンガに関する人文・社会科学研究の国際的・学際的データベースを構築した。結果,①各学問領域に散在するマンガに関する研究知見の集約と体系的整理,②国や学問領域を超えた人的交流や情報交換,③当該分野における日本の主導権確立,という成果が得られた。
著者
柊 和佑 阪口 哲男 杉本 重雄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.389-393, 2008-08-01 (Released:2017-04-28)
参考文献数
22

現在,膨大な数のWebページが日々作成され,更新されている。一方,それに伴って消えるWeb情報資源の存在が問題となっている。そのため,様々な国の図書館が中心となり,Web情報資源を収集し保存するWebアーカイブの構築と運用に取り組んでいる。2003年より,Webアーカイブに取り組む組織が協調してInternational Internet Preservation Consortium (IIPC)を作り,共通の規格とツールの研究開発を行っている。本稿では,先進各国のWebアーカイブの現状について,IIPCを中心とした視点から解説する。
著者
柊 和佑
出版者
中部大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

近年、地方自治体を中心とした「地域の記憶」である地域情報資源をコンテンツとしたアーカイブズの構築およびそのディジタルアーカイブズ化が盛んであり、様々な形態のサービスが誕生している。その一方、それらのサービスを利活用するためのハードルが低いとは必ずしもいえない。本研究の中心課題は、ディジタルアーカイブを地域住民が自らが使い易いままにアップグレードしながら長い期間利活用できるようにすることである。今後、日本は少子化が進み、地方都市が消滅していくことが予想されている。本研究は、消滅可能性都市が、将来的のために地域の記憶を少しでも残しておくことを目標としている。そのためには、アーカイブのコンテンツの検索や利用に用いられるメタデータ、コンテンツそのものの特性や構造を記述するメタデータを、地域住民にとってわかりやすい表現と結びつけることが収集における基本的課題となる。そして、それに基づいて地域住民が使いやすい方法でアーカイブをアップグレードする仕組みが必要となる。実際に研究を進める際は、地域コミュニティの知識のナレッジベース化を目標としオーラルヒストリーを中心としたコンテンツ制作手法(つくる)、異なるディジタルアーカイブ間を意味的に結びつける(つなぐ)、地域住民のためのディジタルサイネージなどのディジタルアーカイブ利用支援手法(つかう)を課題カテゴリとして意識した。また、研究を進める際に現れる問題も、どの課題カテゴリに入るのかを意識した。本年度はすでに蓄えられた地域情報資源のディジタルデータを元に、それを観た地域住民が語る言葉をメタデータ化し、ディジタルアーカイブ全体のメタデータ量を増やすための方法の確立を目標とした上で、実際に稚内に赴き、地域住民の反応及び市区町村の役所の人間とミーティングを行い、過疎地域の意識を調査するとともに、その地を訪れた旅行者の行動を観察した。
著者
佐藤 雅也 柊 和佑 山本 明 柳谷 啓子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s13-s16, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
7

近年ではヴァーチャル・リアリティ(以下VR)技術の発展により容易にVRコンテンツに触れることが可能になった。現在流通する3Dモデルのアバター(以下アバター)現在流通するアバターの数は少なく、製作するか配布・販売しているものを利用する必要がある。将来的に個人の所有するアバターの数が増えることが予想できる。また、VRサービスが一般化することで、従来の“わかっている”利用者以外が経済圏に参入してくる。その際、アバターは洋服的な“着替える”対象になり、感情や気分、体調といった要因で選択されることが考えられる。そこで、今後の利用者及びアバター自体の増加に対応できるように、洋服を選ぶようにアバターを蓄積し、検索、装着などの広範な利用方法を検討する必要がある。本稿では、ファッションの分類を参考に、価格や3Dモデル特有のポリゴン数などの要素を追加した、アバターのアーカイブ化について提案を行う。
著者
柊 和佑 阪口 哲男 杉本 重雄
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-57, 2008-02-19 (Released:2008-02-28)
参考文献数
14

毎日、膨大な数のWebページが発信者によって作成・更新され、それに伴って消えるWebページも多く、近年は様々な組織がWeb ページのアーカイブに取り組んでいる。既存のWeb アーカイブは独自に収集と提供を行うことが多く、発信者の意向を考慮した運用は困難である。そこで、先に我々は、発信者がWeb アーカイブと連携することで、収集と提供を効率よく行う組織内Web アーカイブを提案した。この組織内Webアーカイブの研究では、アーカイブの運営組織に改組が起きた場合の対応については未検討であった。そこで、本論文では改組の際に、複数のWebアーカイブが協調的に動作し、Web アーカイブを維持する方法を提案する。改組を分割、合併、消滅に分類、それらに共通した他のWeb アーカイブのデータを取り込む方法を確立し、これを統合と呼ぶ。統合では、各Web アーカイブで使われているメタデータのスキーマ変換と、データの分割を行う。本論文では統合を自動化するために、一連の処理を整理し、変換規則と分割条件を表現する記述を定義している。
著者
柊 和佑 阪口 哲男 杉本 重雄
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-57, 2008-02

毎日、膨大な数のWebページが発信者によって作成・更新され、それに伴って消えるWebページも多く、近年は様々な組織がWebページのアーカイブに取り組んでいる。既存のWebアーカイブは独自に収集と提供を行うことが多く、発信者の意向を考慮した運用は困難である。そこで、先に我々は、発信者が Webアーカイブと連携することで、収集と提供を効率よく行う組織内Webアーカイブを提案した。この組織内Webアーカイブの研究では、アーカイブの運営組織に改組が起きた場合の対応については未検討であった。そこで、本論文では改組の際に、複数のWebアーカイブが協調的に動作し、Webアーカイブを維持する方法を提案する。改組を分割、合併、消滅に分類、それらに共通した他のWebアーカイブのデータを取り込む方法を確立し、これを統合と呼ぶ。統合では、各Webアーカイブで使われているメタデータのスキーマ変換と、データの分割を行う。本論文では統合を自動化するために、一連の処理を整理し、変換規則と分割条件を表現する記述を定義している。
著者
杉本 重雄 逸村 裕 佐々木 秀康 永森 光晴 原 正一郎 池内 淳 上保 秀夫 阪口 哲男 新保 史生 鈴木 誠一郎 柊 和佑 森嶋 厚行 吉村 和真
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

ネットワーク環境におけるコンテンツ情報基盤に関する総合的取組として(1) ディジタルアーカイブの連携性向上のためのメタデータスキーマレジストリ技術(2) 図書館,文書館等における頑健なディジタルアーカイブのためのメタデータモデル(3) ディジタルマンガ等の新しい形態のコンテンツのためのメタデータモデル(4) これらを総合的にとらえたディジタルアーカイブ間連携等の課題に関する研究を進め, 公開シンポジウム等の機会も通じて, ネットワーク環境におけるディジタルアーカイブの相互運用性, 利用性向上のための情報基盤に関する知見を得た。