著者
岡谷 恵子 小野田 舞 柏木 聖代 角田 直枝 川添 高志 小西 美和子 斎藤 大輔 澤柳 ユカリ 重富 杏子 任 和子 橋本 幸
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.559-563, 2021-07-10

救急外来を受診する高齢患者の約半数は入院に至らずに帰宅する患者である。これらの患者が再受診や予定外の入院をすることなく,住み慣れた場所で生活の質を維持しながら療養を継続するためには,初回受診時に帰宅後の生活を見据えた医療機関と地域・在宅での療養をつなぐ統合的な療養生活支援が必要である。 日本看護管理学会では,2022(令和4)年度の診療報酬改定に向けて,「救急外来における非入院帰宅患者に対する看護師による療養支援」への評価を要望する。これは上述の療養生活支援の役割を外来看護師が担うことへの診療報酬上の評価を求めるものである。救急医療の限られた資源を適切に活用することにもつながり,病院経営上,組織運営上の効果も大きいと思われる。 本稿では要望作成に当たった検討委員会の立場から,要望の目的と意義を述べる。
著者
田宮 菜奈子 森山 葉子 山岡 祐衣 本澤 巳代子 高橋 秀人 阿部 智一 泉田 信行 Moody Sandra Y. 宮田 澄子 鈴木 敦子 Mayers Thomas Sandoval Felipe 伊藤 智子 関根 龍一 Medeiros Kate de 金 雪瑩 柏木 聖代 大河内 二郎 川村 顕 植嶋 大晃 野口 晴子 永田 功 内田 雅俊 Gallagher Joshua 小竹 理奈 谷口 雄大
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-07-18

誰もが満足できる人生の幕引きができるシステム作りのための、介護医療における実証研究およびそれに基づく提言を目的とした。まず、内外のガイドライン等レビューを行い、次に、我が国における医療・介護における実態・分析として、①看取り医療の実態と予後の検証(医療の視点)を救急病院での実態やレセプト分析により、②老人保健施設における看取りの実態(介護の視点)を、介護老人保健施設における調査から実施した。実態把握から根拠を蓄積し、本人の納得のいく決定を家族を含めて支援し、その後は、適切な医療は追求しつつも生活の質を一義としたケアのあり方を議論し、工夫実行していくことが重要であると考える。
著者
柏木 聖代 水流 聡子 柏木 公一 美代 賢吾 西亀 正之
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.169-178, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
11

本研究の目的は,看護記録が電子化され,看護サマリー作成システムが導入された際,「看護サマリーデータ項目セット」を病院情報システムに適用できるかを明らかにすることである.そこで,今回は,看護サマリーネットワーク研究会が作成した「看護サマリーデータ項目セット」を用い,そのデータ項目の情報が病院の記録に記載されているかについて,大学病院と大学病院以外の病棟管理者295名に対し,自記式質問紙調査を実施した.243名から回答を得たうち,有効回答であった171名を分析対象とした.その結果,患者属性・診療情報に分類されるデータ項目の情報は80~90%記録に記載されていた.逆に,患者・家族への指導,福祉サービス等,在宅ケアを意識した情報の記載率は40%前後であった.さらに,大学病院群と大学病院以外の病院群にわけ,記載率との関連をみた結果,28項目に有意な差が認められ,すべて大学病院以外の病院群の記載率が高かった.
著者
大河原 知嘉子 森岡 典子 柏木 聖代 緒方 泰子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.85-91, 2019-06-20 (Released:2019-06-26)
参考文献数
28
被引用文献数
1

目的:訪問看護事業所の教育・研修内容の実態を可視化し,事業所規模により比較する.方法:2015年度介護サービス情報公表システムのデータを用い,東京都の訪問看護事業所を対象とした混合研究法を実施した.研修内容に関する自由記載から研修主催情報とテーマのカテゴリを作成し,事業所規模とのコレスポンディング分析と,各研修の実施割合と規模を量的に解析し結果を統合した.結果:311か所を分析対象とした.研修主催機関8カテゴリのうち,「医療機関」は中規模でより記載され,規模が小さいほど実施割合が高かった.研修テーマ38カテゴリのうち「精神科看護」「小児看護」などは中規模以上で記載されており,量的にも規模が大きいほど実施割合が高かった.結論:東京都の訪問看護事業所における教育・研修主催機関・テーマが明らかとなった.規模によらず様々な研修機関を活用していた一方,テーマは規模との関連が見られた.
著者
加藤 剛平 田宮 菜奈子 柏木 聖代 赤坂 清和
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-26, 2011-02-20

【目的】地域在住要介護者等の外出頻度に関連する環境因子を横断研究により検討する。【方法】通所リハビリテーション利用者(77名)を対象にした。多重ロジスティック回帰分析を用いて,外出頻度が低い状態に関連する利用者の基本属性および環境因子を探索した。一週間の外出頻度を従属変数とし,性別,年齢,疾病の種類,日常生活活動能力,利用施設,一週間の通所リハビリテーション利用日数,環境因子を独立変数とした。環境因子は,Home And Community Environment(HACE)日本語版を用いて評価した。【結果】地域の障害の多さを示すHACE日本語版の地域移動性得点が高いことは,一週間の外出頻度が通所リハビリテーションの利用を除くと「まったく外出しなかった(調整オッズ比[95%信頼区間]:8.84[1.80-67.02])」と独立に関連した。また,通所リハビリテーションを外出頻度に含めた二次的分析でも同様の結果が得られた。【結論】地域の物的障害が多いことは,地域在住要介護者等の低い外出頻度に関連する環境要因として重要である。
著者
柏木 聖代
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2010-2011