著者
橋本 幸士 富谷 昭夫 野尻 美保子 大槻 東巳 田中 章詞 樺島 祥介 福嶋 健二 今田 正俊 永井 佑紀
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

従来、実験と理論の両輪により進展してきた物理学において、理論的な原理や数理の探索と技術の発展による実験の発展が、宇宙と物質の新しい姿を明らかにしてきた。この両方に寄与してきた計算科学では近年、機械学習という技術革新が社会的変革をもたらしている。そこで我々は「学習物理学」領域を創成し、機械学習やそれを含むデータ科学の手法、緩和数理やネットワーク科学等を物理学の理論的手法群と統合し、基礎物理学の根本課題である新法則の発見、新物質の開拓を行う。素粒子・物性・重力・計算物理学のそれぞれと機械学習の融合を、数理・統計・位相幾何の観点から統合的に遂行し、新領域「学習物理学」を勃興させる。
著者
橋本 幸士
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.352-353, 2019-06-05 (Released:2019-10-25)
参考文献数
8

特別企画「平成の飛跡」 Part 2. 物理学の新展開ホログラフィー原理――素粒子分野から拡がる双対性
著者
橋本 幸成 水本 豪 大塚 裕一 宮本 恵美 馬場 良二
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.374-381, 2013-09-30 (Released:2014-10-02)
参考文献数
24

発語失行の主な症状の一つであるプロソディー異常は,構音の問題に対する代償反応である可能性が指摘されている(Darley 1969)。本研究では,プロソディー異常が発話の主たる症状であった一発語失行例の症状を分析し,Darley の代償説との関連を探った。    症例のプロソディーの特徴として,発話速度の低下と発話リズムの単調さを認めた。発話速度を評価するために,メトロノームの速度に合わせて発話速度を徐々に上げる課題を実施すると,一定の速度に達した時点で構音の誤りが出現した。発話リズムは単調で,その単調さを分析した結果,方略的にフット(2 モーラ)のリズムで発話している傾向がみられた。症例は自己の発話について「一本調子でゆっくり話さないとうまくいかない」と内省報告しており,上記の分析と合わせて考察すると,本症例の場合,明瞭な構音を得るために方略的にプロソディーを調整しているという説明が妥当と思われる。
著者
橋本 幸士
出版者
西筑摩書房
雑誌
シャ-ロック・ホ-ムズ紀要
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.14-20, 1996-05
著者
梅地 篤史 天野 暁 橋本 幸久 内山 侑紀 道免 和久
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.107-113, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
14

要旨:欧米では,脳性麻痺や脳卒中の小児症例に対してCI療法を実施し,その効果が報告されている.今回,脳梗塞後片麻痺を呈した8歳の女児に2度のmodified CI療法を実施した.小児症例にCI療法を実施するにあたり,長時間の訓練へ集中と麻痺手に対するモニタリングが困難であることが予想された.それに対して,訓練環境や時間,方法を工夫,修正した.1度目の介入後に上肢機能の改善を認めたが,日常生活での麻痺手の使用は不十分であったため,実生活での使用に着目し2度目のmodified CI療法を実施した.その結果,さらなる上肢機能の改善と,麻痺手の使用方法に変化を認め,介入1年後まで改善が維持された.
著者
橋本 幸彦 森 豊
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-8, 2017 (Released:2018-04-21)
参考文献数
21
被引用文献数
1

In this study, we describe a transition in the distribution of Japanese serow (Capricornis crispus) in the Suzuka Mountains Japanese Serow Protection Area, along the border between the Mie and Shiga Prefectures. We sampled serow distributions using camera traps at high and low elevations and light census methods in high elevation areas. Two and five cameras were placed in high elevation areas in 2014 and 2015, respectively, and light censuses were conducted monthly, except during the snowy season. Additionally, we placed two and four cameras in low elevation areas in 2014 and 2015, respectively. Despite a report of high serow density in the 1970s in high elevation areas, we found no evidence of the species. However, in low elevation areas, where serows were rarely found in the 1970s, we found the species at all camera locations and confirmed the birth of offspring. These results show that the distribution of serows in the protected area is contracting. Second, we documented changes in serow distribution by analyzing the results of monitoring data collected five times at 5-9-year intervals. In the 1980s, serow density in the center of the protected area (high elevation) was greater than that along the edges (low elevation). More recently, this pattern changed such that densities declined in both areas. In contrast, the density of Sika deer (Cervus nippon) has increased rapidly. The effect of increasing populations of Sika deer on Japanese serow density should be examined, and an action plan for serow conservation should be developed.
著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。
著者
橋本 幸亜
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.1453-1455, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

パーキンソン病(Parkinson's Disease;以下、PDと略)患者は、手足が震える、動きが緩慢になる、筋肉が硬直する、体のバランスが悪くなる等の症状がみられ、進行の速さは患者によって異なる。さらに、手足の筋肉だけではなく、舌の筋肉や口の周りの筋肉等、すべての筋肉の動きが悪くなるため、食べ物を噛むことも飲み込むことも難しくなる。PD 患者の栄養管理は、病勢に応じた食事形態への配慮や、薬との相互作用に注意することが大切である。
著者
大森 史隆 水本 豪 橋本 幸成
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.13-22, 2022 (Released:2022-01-28)
参考文献数
10

慢性期失語症例に対し,仮名1文字の書取訓練(40分/回,計35回,約4ヵ月半)において単音節語からなる漢字1文字をキーワード,漢字1文字を初頭に含む複合語等をヒントとして用いた.その結果,平仮名44文字中,書取可能な文字数が9文字から31文字に増加した.仮名1文字の書取には,キーワードの書字やヒント想起の可否がかかわっていた.仮名1文字の書取の成否に影響を及ぼす文字特性を検討した結果,キーワードとして用いた漢字の画数が有意であった.書取可能となった平仮名31文字を組み合わせて2文字単語20語の書取訓練(40分/回,計14回,約2ヵ月)を実施した結果,書取可能単語数は3語から17語に増加した.両訓練は,モーラ分解・抽出の必要がない単音節の漢字1文字単語をキーワードとして用いたため,音韻処理障害のある本例に有効であった.訓練に際しては,漢字の画数に留意し,文字数の少ない単語を用いる必要性が示された.
著者
荒木 理沙 藤江 敬子 中田 由夫 鈴木 浩明 松井 幸一 植松 勝太郎 柴﨑 博行 安藤 貴彦 植山 ゆかり 礒田 博子 橋本 幸一
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.121-131, 2018 (Released:2018-06-15)
参考文献数
28
被引用文献数
3 4

オリーブは, 果実だけでなく, 葉にもオレウロペイン等のポリフェノールを豊富に含んでいる。この点に着目し, オリーブ葉茶が生産されているが, ヒトにおけるオリーブ葉茶の機能性は明らかになっていない。そこで, 血清LDL-コレステロール (LDL-C) 濃度が境界域または軽度高値の40‐70歳非糖尿病男女を対象とし, 試験飲料としてオリーブ葉茶と緑茶を用いたランダム化2群並行群間比較試験を実施した。12週間の介入によって, オリーブ葉茶群でのみ, 体重 (p<0.05) と腹囲 (p<0.01) が有意に減少した。このことから, オリーブ葉茶が緑茶に比べて体重や腹囲の減少に有効となる可能性が示唆され, オリーブ葉に特有のポリフェノール等の機能性成分の関与が考えられた。なお, オリーブ葉茶群ではLDL-C濃度の低下傾向 (p=0.054) がみられたが, 明確な糖・脂質代謝改善効果を認めるには至らなかった。オリーブ葉茶がヒトの健康に及ぼす影響について, 今後さらに検討すべきと考えられた。
著者
橋本 幸平 日髙 敏哉 渡邊 久美子 西野 諒 山田 智 戸口 明宏 大塚 喜人
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.437-442, 2019-07-25 (Released:2019-07-27)
参考文献数
14

ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia; PCP)の原因菌であるPneumocystis jiroveciiは人工培養法が確立されていないため,塗抹検査や血清学的検査,遺伝学的検査等により診断が実施されている。本検討で実施した検査と診断結果との一致率はloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法で感度94.6%,特異度94.7%,ディフ・クイック(Diff-Quik)染色で感度67.6%,特異度96.5%,β-Dグルカン検査で感度89.1%,特異度86.0%となった。3法を組み合わせて診断結果と比較した場合,2法以上陽性の症例は全例PCP群と診断されていた。また,PCP群において3法の検査が全て陰性であった症例は存在しなかった。LAMP法は感度の高い検査であるが,コロナイゼーションの可能性も否定できないため,単独でPCP診断を実施するのは困難である。これらの検査を併用することでPCP診断の精度を上げることができ,早期診断,治療につながることが期待できる。
著者
橋本 幸子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊消誌 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.714-730, 2002

青年期カップルの服装傾向を規定する要因を検討するために, 2001年9月~10月に関西, 中部圏の大学生, 専門学校生を対象に質問紙調査を行った.予備調査を通して分類された服装4タイプの着用程度によって, 恋人関係にある71カップルを「服装類似カップル」「服装非類似カップル」に分類した.それらに関してステップワイズ方式の重判別分析を用い, 親密性, 衣生活スタイル, 恋愛スタイル, 役割分担行動によって予測した結果, Pragma, Storge (共に女性) , Mania (男性) , 男性的役割行動 (女性) , 『規範性』 (男性) , 男性的役割行動 (男性) , 『社会性・実用性』 (女性) が判別に寄与していた.判別分析の結果, 女性のPragma, Storgeタイプ, 男性, 女性の男性的役割行動の高さは服装の非類似傾向と, 男性のManiaタイプ, 男性の『規範性』, 女性の『社会性・実用性』の高さは服装の類似傾向との関連が示唆された.
著者
大坊 郁夫 高橋 直樹 磯 友輝子 橋本 幸子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.333, pp.17-22, 2001-09-28
被引用文献数
11

顔は個人のパーソナリティや社会的属性などの社会的、心理的なメッセージを伝える。しかも、顔形態自体ととも顔面表情によるコミュニケーションには表示-解読規則が用いられている。また、社会的な脈絡との関連が大きい社会的スキルは、対人関係を展開するために重要な役割を持つ。社会的スキルは対人的な親密さを視座に入れた対人関係や社会的適応を理解するために有効な総合的な概念である。この報告では、動的な顔面表情の表出に記号化スキル(ACT)や社会的活動性(外向性)、心理的安定性(神経症的傾向)を含むパーソナリティ特性が及ぼす効果を検討する。さらに、この表情実験を通じて、解読者の社会的スキルの役割を捉え、記号化と解読の相互関連性を対照して検討することを目的とした。高ACTは、予想通り、快不快の表現力に優れた送り手であり、次いで解読者のACTも解読力に優れることを示している。快不快評定、表出の適切さの両方で、快感情条件において、SPのACTの効果が大きい。男女を問わず、不快表情は、不安定なパーソナリティと結びつけて認知されやすいものでもあった。今後、顔形態特徴と関連させながら、顔面表情の送受信の対応関係について検討する必要がある。
著者
橋本 幸士
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.75-116, 1997-02-20

過去一年半の間において超弦理論の非摂動的性質は飛躍的に理解が進んだ。ここではD-brane、特にtype II超弦理論の強結合と11次元(M-theory)、12次元(F-theory)の関係についてreviewを行なう。
著者
橋本 幸子 尾田 貴子 土肥 伊都子 柏尾 眞津子
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.241-248, 2006

Assuming that sophistication in clothing/makeup has two aspects, we conducted this research for the following two purposes. The first purpose was to develop a scale about two aspects of sophistication in clothing/makeup. A questionnaire was given to 107 female college and university students and their 107 mothers in order to gather data on both younger and older females'. The results of the factor analysis on the data indicated that sophistication in clothing/makeup has two factor structures, "external sophistication" and "internal sophistication". We verified the construct validity between the scale and the lifestyle and habit of clothing/makeup behaviors. For the second purpose, we studied the association between external/internal sophistication and gender personality by generation. As a result of a covariance structure analysis, we found that gender identity promotes external sophistication only in younger females while androgyny promotes internal sophistication in both generations. We also found that internal sophistication promotes external sophistication only in older females.
著者
橋本 幸二郎 道木 加絵 道木 慎二 大熊 繁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp."1A2-E06(1)"-"1A2-E06(3)", 2009-05-25

We have proposed a new modeling method of human's behavior based on the relationship between the change of human's behavior and the situation around human with If-Then-Rules and Hidden Markov Model. In this paper, we study on estimation method of next human's behavior based on the proposed model to support human's driving behavior.
著者
尾田 貴子 橋本 幸子 柏尾 眞津子 土肥 伊都子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.700-709, 2003-11-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究は, 以下の2つを目的とし, 女子大学生およびその母, 216名 (女子大学生109名, 母107名) を対象に質問紙調査を行なった.1) 「おしゃれ行動の二面性」 (橋本・柏尾, 2003) の構成概念妥当性を検討するために, 内面的・外面的おしゃれと被服・化粧行動との関連性を検討する.2) 内面的・外面的おしゃれと心理的健康の関係, および, 年齢を重ねてからのおしゃれについての価値観と心理的健康の関係についても検討する.さらに, 1) 2) について世代間比較を行なった.分析の結果, おしゃれの二面性概念の妥当性が確認された.世代間の比較では, 外面的おしゃれは娘世代, 内面的おしゃれは母世代が一層行なっていた.また, 娘世代では, 外面的おしゃれと「対自己の健康」とに正の相関関係, 内面的おしゃれと「対他者の不健康」とに負の相関関係が認められた.母世代では, 内面的おしゃれのみ, 「対自己の不健康」, 「対他者の不健康」と有意な負の相関関係が認められた.年齢を重ねてからのおしゃれに対する価値づけについては, 娘世代では外面的におしゃれなほど, 母世代では内面的におしゃれなほど, 高かった.