著者
松井 彰彦 金子 能宏 川越 敏司 関口 洋平 田中 恵美子 西倉 実季 福島 智 森 壮也 両角 良子 山下 麻衣 澤田 康幸 遠山 真世 井伊 雅子 石川 竜一郎 岡崎 哲二 澤田 康幸 清水 崇 遠山 真世 長江 亮 星加 良司 山下 麻衣 臼井 久実子 加納 和子 川島 聡 河村 真千子 倉本 智明 栗原 房江 坂原 樹麗 佐藤 崇 瀬山 紀子 長瀬 修 山森 哲雄
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

いわゆる「障害者」のみならず、長期疾病者や顔にあざのあるユニークフェイス等、制度と制度の狭間に落ち込んでいる人々にも焦点を当て、彼らが直面する社会的障害の共通項を探った。ゲーム理論や障害学を用いた理論研究に加え、障害者団体や地方自治体を通じた障害当事者およびその家族への調査、企業を対象とした調査、長期疾病者を対象とした調査、ネパールやフィリピンでの海外調査を展開し、報告書にまとめた。
著者
栗原 房江 廣田 栄子
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.669-678, 2012 (Released:2013-03-07)
参考文献数
17

2001年に, 保健医療従事関連法における国家資格取得要件が絶対的な欠格条項から, 相対的記載に改正された。そこで, 本研究は聴覚障害をもつ保健医療従事者 (医師, 歯科医師, 薬剤師, 保健師, 助産師, 看護師, 准看護師, 診療放射線技師, 臨床検査技師, 言語聴覚士) 56名の就労に関する実態を調査し, 改正当初と比較して8年の変容と就労環境整備に向けた課題を検討した。その結果, 保健医療専門職および就労先は増加していた。また, 医療施設に就労する者のうち80dBHL以上の例は57.9%であり, 聴力要因による就労状況の差は認められなかった。また, 聴覚障害に起因する転職経験者の割合に改善傾向はみられない, 就労環境における合理的配慮の限界等, その実態は厳しく, 情報保障環境の未整備も指摘された。そのため, 欧米の就労例を参照して本調査結果を考察し, 具体的な就労支援方法に関する検討が望まれた。
著者
栗原 房江
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.658-663, 2017-08-25

相対的欠格事由改正後の動き 本誌57巻11号(2016年11月号)誌上で,相対的欠格事由改正後,初の保健師・助産師・看護師免許付与数の公開について報告1)しました。その際,2001年改訂の視覚,聴覚,音声・言語,精神機能に関する診断書が,平成26年2月5日医政発0205第8号各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知「医師,歯科医師,保健婦,助産婦及び看護婦の免許申請について」にて一部改訂されたことにふれました。 以後,関係者間で2016年4月施行の障害者差別解消法2)(以後,差別解消法)および改正障害者雇用促進法3)(以後,雇用促進法)をふまえた診断書様式などのあり方を検討する場が設けられました。その結果,医師,薬剤師など,相対的欠格事由を有する医療従事関連資格の診断書様式が,法改正および医政局長通知をともなわない形で改訂されました。
著者
栗原 房江
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.906-910, 2016-11-25

はじめに 2001年7月,保健師助産師看護師法(以下,保助看法)における欠格事由が,絶対的から相対的「心身の障害により,保健師,助産師,看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として,厚生労働省令で定めるもの」へと改正されました。同法において心身の障害分類や程度は明記されていませんが,保助看法施行規則第一章 免許 第一条にて「視覚,聴覚,音声若しくは言語機能又は精神の機能の障害」と特定されています。これらは,主に保健師・助産師・看護師国家試験合格後の免許申請時に提出する診断書において記載を求められます。 2001年の改正以後,該当者の免許付与数は公開されておらず,長年,障害者欠格条項をなくす会および当事者により,公開が要望されてきました。その結果,2016年7月,過去3年分の免許付与件数の公開に至りました。また,2014年,当該診断書の様式が改訂されています。 日々学生に接する看護教員に,より深い理解を期待し,今回の免許付与件数公開をめぐる状況について解説します。
著者
熊谷 晋一郎 栗原 房江
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.878-884, 2010-10-25

なぜ医療の道に進んだのか 栗原 私たちは2人とも,障害をもち医療へ携っています。今回は障害をもつ者として,教育と臨床に期待することを,話し合ってみたいと思います。 私の障害について最初にお話ししますと,小学校3年の春の健診で聴覚に障害があるとわかりました。当時は,25~30 dBの軽度であり,日常生活に支障はないと言われていました。19歳の頃,めまいで倒れて,それから少しずつ聴力が下がっていきました。それでも右耳が40 dB,左耳が35 dBぐらいで推移していました。25歳頃,右耳が突発性難聴になって90~100 dBと低下し,昨年の終わりぐらいからは左耳も落ち出して,今年になってスケールアウトになりました。