著者
佐藤進也 福田 健介 菅原 俊治 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.14, pp.69-81, 2007-09-15
被引用文献数
1 6

文書に現れる語をノードとし,出現位置が近接しているものどうしをリンクで結び付けることにより得られる共起ネットワークでは,意味的関連性を有する語どうしがクラスタ構造と呼ばれる稠密な相互のつながりを形成している.本論文では,時間経過にともない文書が生成されていく,いわゆる文書ストリームから共起ネットワークを構成し,そこでクラスタ構造が生成される様子を調べた.その結果,共起ネットワークを(相対的に)古い語彙からなる部分と新しい語彙からなる部分に分けたとき,後者において,クラスタの出現という構造上の変化が,実社会の出来事などに起因する語の出現頻度の増大(バースト)に関連していることが明らかになった.In word co-occurrence networks, where two words appearing close to each other in documents are connected by a link, a group of relevant words forms a densely connected subnetwork called a cluster. In this paper, we analyze the process of emergence of the structure in co-occurrence networks generated from document streams. The analysis reveals that, if we restrict our scope to the subnetwork mostly consisting of (relatively) new words, we can associate emergence of the structure with the increase of word occurrence rate (bursts) that arises from real world events.
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡 Okada Yoshiyuki Takeshi Sakaki Fujio Toriumi Kosuke Shinoda Kazuhiro Kazama Itsuki Noda Masayuki Numao Satoshi Kurihara
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-9, 2013-03-11

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, classify the way of diffusion in four categories, and reapper the real diffussion by using this new model.
著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.3P1NFC00a1, 2018-07-30

<p>東日本大震災時Twitterなどのソーシャルメディアが重要な情報源として積極的に利用された.一方でTwitter利用にはデマが拡散してしまうなどの問題がある.我々はこれまでデマ収束を行うための前段階として情報拡散モデルを構築し, デマの拡散メカニズムの同定を目指してきた.CHIDRIは本年で卒業とのことより,これまでの研究成果から得た知見をまとめ,今後の情報拡散制御手法構築へ向け考察を行う.</p>
著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 栗原 聡
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-36, 2018-03-14

東日本大震災や熊本地震において,Twitterなどのソーシャルメディアが重要な情報源として利用された.一方,デマ情報のような誤った情報の拡散も確認されており,デマ情報の抑制手法の確立は災害大国日本において急務である.しかし,デマ情報がどのように拡散するかは明らかになっておらず,そのため有効な抑制手法も確立されていない.本稿では,これまでに提案した口コミに着目した情報拡散モデルにおいて「人の生活パタン」および「複数の情報源からの情報発信」を考慮した新たな情報拡散モデルを提案する.本モデルを用いて,これまで再現性に課題のあった実際のデマ情報を再現し,本モデルの妥当性を確認した.また,デマ情報の抑制手法の検討および評価もあわせて行った.その結果,デマ情報を否定する訂正情報をより多く拡散させるための手法が明らかになった.During the Great East Japan Earthquake and the Kumamoto Earthquake, people used social media such as Twitter as an important information source. On the other hand, misinformation such as false rumor was diffused. There are many disasters in Japan, we need methods to suppressing false rumor. However, it is not clear how false information diffuses, then an effective suppression method has not been established. In this paper, we propose a novel information diffusion model considering "life pattern" and "information dissemination from multiple information sources". We confirmed the validity of our model by reproducing the actual false rumor that was not reproducible before. We also evaluated the method of suppressing false rumor. As a result, we revealed methods to spread more "correction information".
著者
風間 一洋 鳥海 不二夫 榊 剛史 篠田 孝祐 栗原 聡 野田 五十樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

東日本大震災は日本に長期間に渡ってさまざまな影響を及ぼした.本稿では,Twitterにおいて震災に関連した話題に用いられた単語を抽出し,それらの単語と他の単語との関係の時系列的変化を分析し,震災発生から時間が経過するごとに,どのようにユーザの関心が変化していったかを推定する.
著者
上田 明頌 西川 敬之 福井 健一 森山 甲一 栗原 聡 沼尾 正行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

これまで我々は個人の感性を学習し、それを反映させた楽曲を自動生成するシステムを開発してきた。本論文では、音楽の重要な要素であるメロディのモチーフがどのように展開されるかを学習し、それを自動作曲システムに反映させることを提案する。これにより、メロディの質が向上し、より個人の感性に訴える曲が生み出された。
著者
高橋 謙輔 栗原 聡 廣津 登志夫 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.1851-1860, 2009-11-01
被引用文献数
2

本論文では,センサの位置情報についての事前知識を用いずに,反応情報のみからセンサ間の隣接関係の推定法を提案する.コンピュータ機器やセンサデバイスの発展とともに様々なセンサネットワークアプリケーションが提案されてきた.これらのアプリケーションにおいて人間の行動に基づいたトポロジー情報は,人間の行動を支援するために必須のものである.しかし,大量のセンサを使用するアプリケーションにとってこの情報を手動で設定し,維持するのは簡単でない.提案手法ではAnt Colony Optimization(ACO)を用いて精度の高いトポロジーの自動推定を行う.本手法では取得したセンサデータの信頼性を推定し,ACOに適用することによって高精度化を実現する.最後に,独立した三つの環境で収集したセンサデータを用いて提案手法を評価し,従来の手法と比べすべての環境について推定誤差率がかなり向上したことを示す.
著者
川野 陽慈 高屋 英知 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-198, no.2, pp.1-6, 2020-02-29

人々の生活に AI が浸透していく中で,コミュニケーションの円滑化を図る AI の構想は,「人と AI の共生」という観点から非常に重要なテーマである.本研究では,人間同士のコミュニケーションの中でも,インターネット掲示板での議論のように殺伐とした雰囲気に陥りやすいシチュエーションを想定し,その場の雰囲気を落ち着けるようなシステムの構築を目指す.その第一歩として,インターネット掲示板でしばしば登場する「矛盾塊」と呼ばれるアスキーアートの生成を試みた.具体的には,「画像と単語の意味のズレ」が重要であるとの仮説に基づき,WordNet を用いる手法と,辞書の見出し語を用いる手法を試みた.複数人によるアンケート調査の結果,ランダムで生成したものよりも良いという評価など,一定の成果が得られた.
著者
岸本 大輝 杉浦 巧 山田 悠司 栗原 聡
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2023-ICS-210, no.11, pp.1-7, 2023-03-03

コミュニケーションがオンライン中心となるリモートワーク環境では,意思疎通を通じたストレスの把握が行いにくい.そのため,業務を継続しながら実施できるリモートワーカーのストレス検知が重要となる.今回,この問題へのアプローチとして PC 操作ログ分析と表情分析に着目した.本研究では,リモートワークにおける PC 操作特徴量・表情分析による感情推定値とストレスの関係を明らかにすることを目的としている.まず,心拍センサ・PC 操作ログ取得プログラム・Web カメラからデータを取得して加工・統合の処理を行う環境を構築した.PC 操作ログに関しては,キーボード,マウス,ウインドウの操作ログを取得する.PC 上で行うタスクを設定した上で,疑似的にオフィスワーク及びリモートワークを実施し,データの取得を行った.実験で得られたデータの分析結果として,左クリックの回数や嫌気,悲しみの感情推定値がストレスの変化に関係していることが示唆されたが,どれも弱い相関であった.しかし,業務に慣れるまではリモートワークではなくオフィスワークを実施することでストレスが軽減するという,リモートワークを実施する上で重要となりうる知見が示唆された.
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.SAI-016, pp.01, 2013-03-11 (Released:2021-08-31)

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, classify the way of diffusion in four categories, and reapper the real diffussion by using this new model.
著者
栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.AGI-022, pp.19, 2022-11-15 (Released:2022-11-15)

大規模言語モデルの登場は画像生成AIの高性能化を実現し,世間を多いに驚かせているものの,これによりAI研究が完結するわけではなく,System1側の能力を向上させたに過ぎず,完成したAIとしての汎用AI実現にはSystem2の実現と統合が必要であり,System2の実現においても大規模言語モデルの登場は極めて重要である.ただし,人を超える汎用AIの実現には大規模言語モデルでも不十分であり,この部分について議論したい.
著者
白井 嵩士 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.DOCMAS-B102, pp.06, 2012-03-11 (Released:2021-08-28)

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, and discuss how to prevent a false rumor diffusion.
著者
栗原 聡 井原 史渡 岸本 大輝 吉田 直人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I1GS5d04, 2021 (Released:2021-06-14)

COVID-19感染問題における感染拡散状況の把握と予測を行うため,SNSや報道データ分析と基本的に冪乗則に従う人の行動様式から独自の行動モデルを提案し,これを複雑ネットワークとして構築した実環境を模した移動ネットワーク上にて典型的な感染モデルであるSERIモデルにて感染拡散シミュレーションを実施した.その結果,提案モデルにて昨年からの感染状況の再現が可能であることが分かった.本稿では,さらに,このモデルによる,緊急事態宣言の効果やワクチンの接種率や摂取方法の効果についても考察する.