著者
津田 一郎
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.176-193, 2008-09-25

海馬という大脳辺縁系に属する場所はエピソード記憶の形成に必須であると考えられてきた.また,海馬の萎縮がアルツハイマー病を導く可能性も指摘された.アルツハイマー病を起こさない,あるいはリハビリの過程で海馬における記憶形成の機構をシステムレベルで知ることは意義のあることだろう.講演では,海馬CA3の数理モデルが創発するカオス的なダイナミックスのもとで記憶の連続想起を説明することを示し,海馬CA1の数理モデルがCA3からの時系列出力をカントール集合上に表現することを示した.CA3のカオスダイナミックスは我々が提唱しているカオス的遍歴とみなされる.CA1での情報表現をカントールコーディングと呼んでいる.また,この情報はデコードできることも示す.モデルの結果を仮説としてまとめ,それらを確認する実験が行われ,部分的に実証されたことも報告する.
著者
津田 一郎
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.1056-1058, 2012-11-10 (Released:2020-04-23)
参考文献数
13
著者
津田 一郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.384-385, 2019-06-05 (Released:2019-10-25)
参考文献数
10

特別企画「平成の飛跡」 Part 2. 物理学の新展開複雑系――物理学の新しい地平
著者
沢田 康次 岡部 洋一 佐藤 俊輔 石川 眞澄 矢野 雅文 津田 一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本研究は平成10年度発足の重点領域研究「脳型計算論と脳型計算システムの設計」準備の調査、企画のための研究である。総括班予定者による会議を3回(仙台1回、東京1回、大阪1回)と班員全員の研究会を1回(仙台)行った。会議においては脳化学の工学的手法とその組織づくりを討論すると共に前年度提出(平成9年度発足希望)の重点領域の申請がヒアリングまで審査に進んだが、採択まで至らなかった理由について徹底的に検討、平成10年発足の申請書にその内容を反映させた。その内容は以下の通りである。1)「脳を知る研究」と「脳を創る研究」を混在させないで本重点領域研究においては工学的観点から後者を強調する。即ち、工学的研究である「脳を創る」研究は脳の機能を参考にするが脳と一致する必要はない。逆に工学的研究においては目的を明確にする必要があり、脳型計算機は入力と出力を明確にし、叉その計算機の性能達成目標を明記すること。2)人工知能との関連と区分けを明確にする、。即ち、人工知能はプログラムによってトップダウン的に記号処理するが、脳型計算機はプログラムを用いることなくミクロな神経細胞の活動をベースにその柔軟性と超並列動作によって所望の機能を実現する。3)本研究を現時点で推進する必要性と本研究におけるプレイクスルーを明確にする。即ち、イメージング技術の発達による脳のアーキテクチャの解明が大きく進んだこと、脳計算論のために非線形力学が急速な進歩を見ていること、及び超微細電子技術と集積化技術が進歩し計算機実装の可能性が増大したことが挙げられる。
著者
津田 一郎 西浦 廉政 大森 隆司 水原 啓暁 相原 威 乾 敏郎 金子 邦彦 山口 陽子 奥田 次郎 中村 克樹 橋本 敬 阪口 豊
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

領域の事後評価はAであり、その成果を冊子体の形で集約し、広く社会・国民に情報提供することには大きな意義がある。取りまとめ研究成果は以下のとおりである。1.成果報告書の冊子体での編集と製本を行った。計画班11、公募班44の全ての計画研究・公募研究の班員が、計画班各8ページ、公募班各4ページで執筆し、研究の狙いとその成果を文書と図でわかりやすくまとめた。これらを冊子として製本し、領域に参加する研究者と関係者に配布した。2.成果報告書のCDを作成し、冊子体に添付する形で配布した。3.本成果をWeb上のデータベースDynamic Brain Platformとして成果公開するための準備を完成させた。これまで当領域の成果報告の場として作成公開して来たホームページは、領域終了後に管理できなくなる。そこで、この領域ホームページをINCF 日本ノードDynamic Bain Platform (DB-PF)に移管した。また、成果報告書の電子版をDB-PFにアップロードするための準備を行った。本公開は、広範な分野の人々から永続的な閲覧を可能にするもので、成果を社会・国民に発信する方法として有効であると期待できる。
著者
津田 一郎
出版者
日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.133-150, 2006

筆者は20年以上前に「脳の解釈学」を提案した。「解釈学」というのはさまざまな意味合いを持って議論されることがあるが、その基本は自然現象の認識とその認識を行なう人間の存在の関係にあるのだと理解している。「脳の解釈学」を平たく言えば、「脳の本質的な機能のひとつは外界の解釈である。ここで解釈することを外部刺激に直接反応することではなく、外部刺激に関する内部イメージに反応しそれに意味をつける過程であるとする。この解釈過程がわれわれが心と呼んでいるものに対応する。このような脳の機能を理解する方法自体がまた解釈学的である。」という考えである。筆者たちは研究を進めるために次のような作業仮説を導入した。作業仮説:[脳神経系が示すダイナミックスの数学的な構造が脳の解釈言語になり得て、そのもっとも高度に発達したものがわれわれが使用している自然言語である。]脳の解釈学的研究においては、数学的に表現されるダイナミックスの存在をまず仮定して、それを実現する脳神経系のあり得べき構造を決定し、その後にそれが示すダイナミックスの多様性から心の諸相を解釈していくという方法をとる。Gelfandの唱える精神医療における"adequate language"としての数学諸言語は筆者の唱える解釈言語の一つの形である。本稿では、脳のある特定の動的な現象に着目して、数理的な記述が単に脳という物理的対象が示す現象理解のために重要であるだけでなく、脳の解釈言語、すなわち心の可能な表現であることを主張したい。脳や心の研究は我々自身の研究であるから簡単に対象化できる保証がない。いわば、研究対象の内側にいてその対象を記述することになる。得られる情報は記述の仕方に依存するかもしれない。こういう状況で、対象の外に出て客観的な記述を行なうことが可能だろうか。これはEndophysicsの主題であるが、このような状況での科学的な記述は内と外の間のインターフェイスを発見し、その座標系における記述を試みることである。本稿で扱う事柄はほんの一部に過ぎないし、数理モデルも不十分であるが、数理的な記述はやがて真の心の記述を与えてくれると信じている。
著者
津田 一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.677-680, 2002-09-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
津田 一郎 清水 博
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.231-232, 1986-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
伊藤 孝男 津田 一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.598-599, 2007-01-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
津田 一郎 ケルナー エドガー 清水 博
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.664-666, 1988-07-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。