著者
森田 均 小方 孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.85, pp.39-46, 1999-10-15
被引用文献数
3

文学理論のうち、読者を強く意識した読者反応批評、受容理論をハイパーテキスト小説の作成へ応用する可能性について考察する。これらの理論は、多様な読書の可能性を文学理論の立場から検証したものであり、ハイパーテキストはその理論を実証する場として位置付けることが出来る。また、コンピュータによって文学作品は戯曲や楽譜のような存在となったわけだが、本研究では読者中心批評をハイパーテキスト小説作成にあたっての理論的支柱として応用可能であることを示す。さらに、この仮説に基づいて既存の小説から2作品(筒井康隆『デマ』、三好徹『見えない復讐』)を選んでハイパーテキストの経路に着目した試作と多様な読みの可能性に着目した試作を行い、ハイパーテキスト小説化の問題点と課題を明らかにする。We consider applied possibility of a literary theory for Hypertext. Currently, Hypertext is very popular technology. In the field of literature, there are pragmatic attempts, but its creative software technology is not established. In this paper, first, we analyze characteristics of reader-response criticism. Next, based on the prototype of hypertext novel, we consider the methodology and point out problems for creating hypertext novels.
著者
森田 均 藤田 米春
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.327-334, 2001-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

Digital technologies have revolutionized textual practices. How does language on computer screen work differently from language on the page? We analyze the potential of new forms of text, new forms of rhetoric, and new approaches to literary theory.
著者
藤田 米春 徃住彰文 小方 孝 太田究三郎 赤星 哲也 森田 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.5, pp.45-52, 1999-01-22

本報告では、日本認知科学会の中に設立した研究分科会「文学と認知・コンピュータ」の設立趣旨、研究分野、研究手法、設立までの経緯・活動等について述べ、今後の展望と「人文科学とコンピュータ」研究会の新しい展開への期待を述べる。In this report, we describe prospect, research areas, research methods and activity of the special interest group "Literature in Cognition and Computer" and mention an expectation of new development of the SIG:Computer and Humanity.
著者
杉山 あかし 直野 章子 波潟 剛 神原 直幸 森田 均
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、テレビ放送を、個別の番組としてではなく、われわれが生きている環境を形作るものとして捉え、この環境の分析を行うことを目的としている。具体的主題は、「戦争と原爆の記憶」である。わが国では例年、8月前半に満州事変から第二次世界大戦に到る戦争についての特集番組が多く組まれ、人々の戦争観の形成に大きく寄与している。8月前半、1日~15日の地上波アナログの全テレビ放送を録画・内容分析し、現代日本における戦争・原爆に関するメディア・ランドスケープを明らかにする。本年度は、H.19年度、H.20年度に録画記録したデータを分析する作業を行なった。分析結果の一端として数量的分析によって得られた知見を以下に列挙する。(1)登場人物は日本人と推定される者がH.19年で89.7%、H. 20年で81.1%。これに対し連合国(アジア地域を除く)側と推定された者がそれぞれ9.4%、15.9%であった。朝鮮(当時地域名)・中国、その他の日本占領地を含むアジア地域の者はそれぞれ1%以下、2%以下と、ごく少ない。(2)日本人の描かれ方は、H.19年で74.0%、H.20年で52.8%が被害者として描かれており、加害者としての取り上げはそれぞれ8.1%、7.4%であった。(3)日本人が被害者として描かれる比率はかなり大きく変動しているが、これは描写の仕方が変化したためではなく、北京オリンピックの放送編成に対する影響であったと考えられる。ワイドショーはオリンピック一色であり、ドラマについては、この期間、特集的なものはほとんど放送されなかった。結果としてH. 20年に当該戦争を描いた番組は、ほとんどドキュメンタリー形式の番組であり、ドキュメンタリーで比較すれば、H.19年とH.20年で日本人の描かれ方(被害者的/加害者的)に大きな差はなかった。
著者
森田 均 MORITA Hitoshi
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13466372)
巻号頁・発行日
no.9, pp.129-142, 2008-12-22

This thesis proposes the method of anayzing the TV program. This new method clarifies the identity frequency of the event and the TV programming according to F-measure. F-measure is a value obtained from a multiple average of accuracy and the reproduction rate.
著者
森田 均 森田 均
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:18838111)
巻号頁・発行日
no.11, pp.193-207, 2010

The themes of this research are The Peace Ceremony and Nagasaki Kunchi Festival. Especially,this paper considers how these local events have been used as contents of TV programs.TV programs recorded with the personal computer and past newspaper articles areused for the analysis.
著者
森田 均 藤田 米春
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第18回全国大会(2004)
巻号頁・発行日
pp.142, 2004 (Released:2006-02-11)

翻訳・翻案、朗読、映像化された文学作品は原テクストの解釈を明示化したものと考えられる。本研究では、これらの解釈を試作したハイパーテキストの評価に用いることにより、文学作品のハイパーテキスト化にあたっての指標を確立させる研究へと発展させることが可能であることを示す。