著者
坂口 嘉之 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.483-491, 1995-03-25
参考文献数
20
被引用文献数
14

衣服の数値計算において,動的に変形する衣服と人体との衝突を,摩擦と跳ね返りの影響をも含んだ制約条件とみなした制約充足型アプローチによる衝突の影響の計算方法とその応用について述べる.衣服の変形過程は,衣服の自己衝突と人体形状に影響されるため,衣服形状を計算するには,これらとの衝突を計算する必要がある.また,衣服を着た人間の動きを表現する場合には,衣服の動きと人体の動きの両方を考慮した衝突計算を行わなければならなず,複雑で時間のかかる処理となる.しかし,人体の動きと衣服の動きの相対速度が十分小さい場合には,衣服から人体への衝突だけに注目すればよく,計算速度を向上させることができる.計算実験として,実際の婦人用ワンピースの型紙と,実測の布特性を用いて,距離画像から作成した人体モデルに着せつけた.その結果,布が人体表面を滑らかにすべるような状況が計算でき,計算結果は実物の形状に近いものになった.
著者
西口 敏司 仙田 修司 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

講義の際に板書される文字を,効率よく記録するためには,文字が書かれるまでは黒板全体を観察し,新しく文字が書かれたときに,その文字だけを記録する必要がある.そのためには,黒板に文字が書かれる状況を実時間で把握し,かつ,必要に応じて記録したい部分に視点を移さなければならない.そこで本稿では,パン,チルト,ズームの制御が可能な首振りカメラを使って,板書された文字(以下「板書文字」という)を画像データとして自動的に記録するシステムを提案する.
著者
神前 暁 八木 啓介 池田 克夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第58回, no.人工知能と認知科学, pp.41-42, 1999-03-09
著者
亀田 能成 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.26-35, 1996-01-25
被引用文献数
74

1枚のシルエット画像から, その画像中に写された関節物体の姿勢を, モデルマッチングによって推定する方法を提案する. 対象となる関節物体モデルをあらかじめ計算機に構築しておく. 関節物体モデルが対象物体を正確に反映するものならば, 特徴点に基づく逆運動学的な解法やマッチング処理の内部にヒューリスティックな知識を埋め込まなくとも, 本方法により姿勢推定が可能であることを示す. 本論文で取り扱う関節物体は, 部品が関節によってつながった木構造をしているものと仮定する. その姿勢は関節のすべての角度を決定することで定まる. CG合成画像に対して本方法を適用し, その能力と特徴を評価した後, 実際の人体についても実験を行い有効性を確認した.
著者
坂口 嘉之 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.2210-2219, 1994-11-25
被引用文献数
12

人間が衣服を着て着飾って動く状況を作り出す仮想服飾環境(PARTY)における,衣服形状を計算するときに用いる,型紙と人体モデルとに適用する格子形成法について述べる.衣服の形状は,衣服を構成する布の物理特性と型紙形状,衣服をまとう人体形状とその動き,衣服の着方等さまざまな要因によって決まる.このために,解析的に衣服形状を算出することは困難であり,数値計算を行うことになる.衣服形状を数値計算するためには,まず,型紙と人体形状を格子に離散化した表現にする必要がある.更に,型紙は人体の展開図的な性質をもつために,この格子形成法は,基本的には型紙と人体とに共通して適用可能でなければならない.本論文では,滑らかさ,せん断変形,格子間距離からなる幾何学的制約を充足することによる格子形成法を提案する.計算実験により,型紙のダーツやプリーツ,縫合に対応できる本手法の柔軟性を示し,人体形状の格子形成では,あらかじめ設定した格子点数で人体形状を表現する.その結果,ほぼ満足できる格子が型紙と人体形状とに対して得られた.
著者
先山 卓朗 大野 直樹 椋木 雅之 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.248-257, 2001-02-01
参考文献数
12
被引用文献数
41

複数台のカメラにより撮影される遠隔講義において, 遠隔地に送信すべき映像を選択するという作業は, 現在主に講義を行う講師自身により行われており, 講師にとって大きな負担となっている.そこで, 本論文ではこの作業を自動化する手法を提案する.まず, あらかじめ定義した講義状態の遷移系列により講義状況を表し, その講義状況とそれに応じた送信映像との関係をルール化する.講義状態は, 実際の講義の情景から容易に観測可能な情報を組み合わせて構成するため, 抽出された講義状態系列と作成したルールをマッチングさせることにより, 講義の内容理解にまで踏み込むことなく, 適切な映像を選択することが可能となる.黒板, OHPを利用した模擬講義に対して実験を行い, 本手法により実時間での送信映像選択が可能であることを示した.
著者
福島 茂之 廣瀬 勝一 池田 克夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.120-121, 1997-09-24

今日, 情報ネットワークの普及・拡大にともなって, 遠隔会議のような電子会議が行われるようになってきている. 遠隔会議では, 参加者が直接顔を合わせないため, 匿名で会議を行うごとが可能となる. 参加者が匿名で会議を行うことの利点は, 地位や人間関係にとらわれることなく, 自由に討論できることである. 一方, 匿名であることを悪用して, 会議の進行を妨げる発言をするなどの不正の行われる可能性があるという欠点もある. 本研究では, 暗号技術を利用して, 安全な匿名会議を可能とするシステムを提来する.
著者
椋木 雅之 田中 大典 池田 克夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1914-1921, 2001-07-15
参考文献数
11
被引用文献数
5

対義関係にあるいくつかの代表的な感性語対(基本感性語)の組合せで他の感性語を表現して,その感性語にあてはまる画像を検索するシステムを提案する.まず,対義関係を利用すると,基本感性語について画像との適合度を対義語対ごとに独立に評価しても,適切な評価が行えることを実験により示した.次に,各対義語対における画像との適合度を結合して対義語対からなる特徴空間(対義語空間)を構築し,検索に利用した.対義語空間における表現を感性語ごとに独立に学習することにより,新たな感性語を追加することが容易になった.また,1つの感性語が複数の異なるイメージを表す場合を考慮して,対義語空間における教師画像群のクラスタリングを導入し,検索結果を改善した.さらに,ユーザによる検索要求の違いに対応するため,システムにフィードバック機構を設け,ユーザの希望する画像を効率的に検索できるようにした.本研究で提案した手法に基づく画像検索システムを構築し,実験によって提案手法の有効性を確かめた.We propose a system for image retrieval using emotional adjectives.The system employs adjectives to represent emotionalfeelings as a combination of basic adjectives, so that the systemis able to accept various kind of adjectives.We adopt pairs of antonym as basic adjectives, and build the feature space consisting of antonymous pairs of adjectives.The system has high extensibility of adjectives since the system can learn each adjective independently.The system also detects clusterscorresponding to each idea at the time of retrieval since oneadjective may express several different ideas. Furthermore, thesystem has feedback mechanism in order to retrieve wanted imagesefficiently. Experimental results show the effectiveness of theproposed system.
著者
椋木 雅之 寺尾 元宏 池田 克夫'
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.1016-1024, 2002-06-01
被引用文献数
14

1本のスポーツ映像全体を通して見られる映像構成の規則性を利用することにより,個々のスポーツのドメイン知識を用いずに映像をプレイ単位に分割する方法を提案する.多くのスポーツには,ルールに従った繰返し構造があり,それを反映して,スポーツ映像にも規則的な繰返し構造が見られる.本研究では,この規則性に着目した.提案する映像分割手法では,フレーム単位の色とオプティカルフロー特徴量のカット内の平均と分散によってカットを記述し,それらを分類して識別子を付与する.識別子系列の出現回数をn-gramを用いて調べることによってカット間の連続性を表す結合度を算出する.結合度の谷で映像を区切ることによって,映像を,そのスポーツにおける1プレイに対応する部分映像に分割する.提案手法を様々なスポーツ映像に対して適用し,ドメイン知識を導入せずに1プレイに対応する区間に映像を分割できることを確かめた.
著者
池田 克夫 大田友一 上野 恵美子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.862-869, 1985-09-15
被引用文献数
6

分かち書きされていない日本文手書き原稿の認識において 文字認識の後処理として 単語および単語間の接続の二つのレベルで検定を行い 文字認識率を向上させることを試みた.文字認識の結果は 各文字位置に対する10個の候補文字として与えられる.この候補文字列中から 語彙辞書を用いて可能性のある単語を抽出する.さらに 単語間の接続条件した接続テーブルを用いて接続検定を行うことにより 文法的に合法な文字列を構成しうる文字のみを拾い上げる.語彙辞書や接続規則の構成は コード入力された文章の構文解析の場合と異なり 欠落や暖昧な文字を多数含む候補文字列との照合を必要とする 手書き文字認識処理の性質を考慮したものとなっている.本処理により 正解文字が第1位に現れる率である第1位認識率が 文字認識段階での第2?3位認識率にまで向上する.また各文字について10個ずつ与えていた候補文字を 1?3個程度に減らすことができるので 文字選択の操作が容易になると考えられる.
著者
前田 茂則 椋木 雅之 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1617-1625, 1999-10-25
被引用文献数
8

画像検索システムでは,利用者が頭にイメージした検索したい画像の内容をいかに的確に引き出せるかが重要である.そのため最近,概略画,類似画像等の画像を検索キーに採用し,利用者のイメージの表現の自由度を高める試みが多くなされているが,画像は多義性が大きいため,従来のキーワード等の言語を検索キーに用いる方式に比べて検索キー自体の示す内容のあいまいさが増大し,利用者の意図が適切にシステムに伝わらない場合がある.そこで本研究では,画像検索をシステムと利用者とのイメージコミュニケーションという観点から見直して問題点を検討し,これをもとに,画像を検索キーに用いながらもそのあいまいさの増大を抑える対話機構を提案する.この対話機構では,検索結果が得られた理由等を示す釈明情報をシステムから利用者に提示し,それに基づいて利用者が検索キーの修正をして再検索を行う.実際にこの対話機構を画像検索システムに実現し,実験によりその有効性を確認した.