著者
田中 誠一郎 樫村 博 石井 武美
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, 1978-03-15

凍結工法に際して凍結対象地盤に急速な地下水流があるとき, 完全止水の可能な凍結限界流速を知るために行なった実験結果である。縦40・横60・高さ60cmの試料箱に豊浦標準砂を詰め銅製凍結管6本を10cmピッチにそう入し, 水そうから水を自由落下させることによって試料箱中に所定の流速を持つ水流を生じさせる。凍結用寒冷源には液体窒素(LN_2)を用いた。この装置を用いて水流の流速を0m/day〜19m/dayまで変化させ, 凍結止水時間・凍結土の形状寸法・凍結管周辺部の温度を測定した。実験結果によれば, 13.5m/dayまでは流速V(m/day)と凍結止水時間(hour)との間にT=2.0V+3.0の実験式が得られた。流速が13.5m/day以上になると液体窒素の使用量は急激に増大し, 凍結止水までに要する時間も長くなるので実際上は凍結不可能になる。流速と凍結土壁の形状との関係は, 流速が大きいと凍結管下流側に凍結土の成長が著しいことがわかった。
著者
池澤 和人 樫村 博正 三代 寧 中原 朗 山形 迪 松崎 靖司 武藤 弘 福富 久之 大菅 俊明 折居 和雄 深尾 立 菊池 正教
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.1019-1027, 1995-05-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
17

症例は41歳女性.29歳より計5回の甲状腺乳頭癌の手術歴があり,1992年7月腹痛のため当科を受診した.下部消化管精査の結果大腸全域にびまん性の腺腫性ポリープが密生し,また,横行結腸に全周性の内腔狭窄を併う2'型大腸癌,S状結腸に1'型大腸癌,下行結腸にIsp'型大腸癌を認めた.胸部X線,肺CTにて3カ所に小結節陰影が認められ,大腸癌及び甲状腺乳頭癌の肺転移を伴った家族性大腸腺腫症と診断し,全結腸切除回腸直腸吻合術及び肺部分切除術を施行した.家族性大腸腺腫症は放置すればほぼ100%大腸癌に罹患することが知られているが,甲状腺乳頭癌を重複した報告は稀であり,文献的考察を加えて報告した.