著者
渋井 進 赤川 裕美 土屋 俊
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(旧 大学評価・学位授与機構)
雑誌
大学評価・学位研究 (ISSN:18800343)
巻号頁・発行日
pp.2022.23001, (Released:2021-10-14)
参考文献数
35

大学機関別認証評価における,政府公表データの利用について検討した資料を提示する。客観的に比較可能なデータを用いて,評価対象となる個別の大学や属性別に分けた複数の大学の,全大学の中での位置づけや経年推移を比較可能な形で可視化することは,評価の透明性・公平性の確保の観点から重要と言える。本報告では,教育成果の状況を把握するための指標として大学が政府に毎年報告して公表されている,医師,歯科医師,薬剤師,看護師の4種類の保健系分野の2017年から2020年の4年間の国家試験合格率を対象に,合格率の度数分布の状況および,国公私立大学別の経年的な推移について可視化を行ない,その動向について分析した。以上をもとに,評価の根拠資料としての利用可能性を中心に考察を加えた。
著者
田中 弥生 馬場 英朗 渋井 進
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.111-121, 2010

NPO法人数の財政的な持続性などの経営課題が顕著になっている.しかし,NPOなどの民間非営利組織の財政面に関する分析や評価手法は,1990年代に入ってようやく米国を中心に開発された分野である.また,日本ではデータベースが不在であったために,定量的な分析はほとんどなされてこなかった.そこで本研究では,NPO法人のパネル・データベースを構築し,財務的な評価ツールを開発することによって分析を行ない,NPOの持続性にかかる実態と促進・疎外要因を明らかにしようとした.ここでは,主たる収入要素及び持続性指標間における順位相関を算出した上で,持続性確保に至る道筋を,共分散構造モデルを用いて構築した.その結果,事業収入は収入規模の拡大に寄与するが,財務的持続性の向上にはあまり貢献しないこと,その一方で,寄付や会費などの社会的支援収入は収入規模の拡大には寄与しないが,財務的持続性の向上に貢献することが明らかになった.<br>
著者
渋井 進 浅井 美紀
出版者
独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(旧 大学評価・学位授与機構)
雑誌
大学評価・学位研究 (ISSN:18800343)
巻号頁・発行日
pp.2021.22002, (Released:2021-02-17)
参考文献数
27

2004年度から導入された認証評価制度により,全ての大学,短期大学,高等専門学校が,7年以内ごとに文部科学大臣に認証された評価機関の評価を受けることが義務付けられた。2020年度で制度導入から17年目を迎え,認証評価は3巡目に入っている。本稿では,大学改革支援・学位授与機構で認証評価を受けた大学に対して行っているアンケートを用い,1巡目・2巡目における回答の推移に着目して統計的に分析することで,大学の認証評価に対する意識の変化について明らかにした。また,アンケートにおいて大学の意識の変化が見られた項目については,回答に変化が生じた理由について,認証評価制度の改善へ向けて望まれている,改善効果の充実,作業負担の軽減,社会からの理解と支持,との関連を中心に考察を加えた。
著者
渋井 進 山田 寛 厳島 行雄 佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.97, no.506, pp.1-8, 1998-01-22
参考文献数
11
被引用文献数
3

顔面表情のカテゴリー化に関して、同じカテゴリーに分類される表情の中の最も典型的な表情 (プロトタイプ) からの距離によって分類されるというモデルと、カテゴリーの一般的あるいは抽象的概念そのものからの距離によって分類されるという2つの仮説を立てた。表情刺激にはコンピュータグラフィックスの手法により合成された21の平均顔を用いた。実験1ではこれらの刺激および6つの情動概念 (喜び、悲しみ、驚き、怒り、嫌悪、恐れ) をSD法で評定させた。その結果両者は快・不快、活動性の2次元で構成される同一の空間で認知されることが示された。実験2では表情刺激をカテゴリー判断させた。分析の結果プロトタイプモデルの概念モデルに対する優位を示す傾向が見られた。
著者
渋井 進
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

大学評価における大量のデータ・指標の効率的な利用を目的とし、評価者を支援するシステム構築へ向けた検討を行った。過去の評価書のテキストデータを分析する事により、教育評価において、いくつかの重要な指標が明らかとなった。また、直感とデータを一致させる事で認知的な負荷を軽減する事を目的として、データ表示法としての顔グラフに着目し、文献調査や心理実験により、その定義法についての検討を行った。