著者
浅野 茂 嶌田 敏行
出版者
山形大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

IR先進国とされる米国においても、IR部署及びアセスメント部署が提供するデータを実際の意思決定につなげるのは一筋縄ではいかない。その理由を「ゴミ箱モデル」や「コンティンジェンシー理論」の枠組みに沿って考察したところ、大学の執行部はデータを絶対視するのではなく、意思決定に向けた合意を形成するための参考情報として活用し、ある共通認識の醸成へ向けて、各種情報を活用するという地道な努力の積み重ねが重要であることを明らかになった。データ利用者がデータ提供者であるIR部署等のデータをどのように活用しているかの先行研究は乏しいなか、本研究を通じて仮説的にではあるが一定の知見を示すことができた。
著者
嶌田 敏行 小湊 卓夫 浅野 茂 大野 賢一 佐藤 仁 関 隆宏 土橋 慶章 淺野 昭人 小林 裕美 末次 剛健志 難波 輝吉 藤井 都百 藤原 宏司 藤原 将人 本田 寛輔
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

大学の諸課題の数量的・客観的把握を促すIRマインドの形成を目指した評価・IR人材の能力定義、教材の開発、教育プログラムの開発および体系化を行った。そのために単に研究・開発を行うだけでなく、様々な研修会や勉強会を開催し、全国の評価・IR担当者の知見を採り入れた。そのような成果を活かして、評価・IR業務のデータの収集、分析、活用に関するガイドラインも作成し、評価現場やIR現場で活用いただいている。加えて、合計14冊(合計940ページ)の報告書を作成した。この報告書は自習用教材としての活用も意識した構成とし、すべてwebページを作成し公表している。
著者
正岡 徹 長谷川 廣文 高久 史麿 溝口 秀昭 浅野 茂隆 池田 康夫 浦部 晶夫 柴田 昭 齊藤 英彦 大熊 稔 堀内 篤 斎藤 洋一 小澤 敬也 宇佐美 眞 大橋 靖雄
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.199-217, 2000-03-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
29
被引用文献数
2 16

厚生省から再評価指定を受け, 重症感染症に対する静注用ヒト免疫グロブリン (以下MG) 製剤の抗生物質との併用効果を検証するため, 抗生物質単独投与を対照とした多施設共同非盲検ランダム化試験を実施した。広範囲抗生物質の3日間の投与において感染症の主要症状の改善が認められない無効例をmG群または対照群に無作為に割り付けた。割り付け日 (第1日目) より, いずれの群も抗生物質をimipenem/cilastatin (IPM/CS)+amikacin (AMK) に変更し, 7日間投与した。MG群のみにWIGを第1日目より1日59, 3日間連日併用投与した。効果は解熱に要した日数ならびに臨床症状の消失に要した日数を中心に判定した。有効性評価からの除外率は26.1% (178/682) であった。背景因子 (性, 年齢, 病態の区分, コロニー刺激因子 (以下CSF) 製剤投与の有無, 投与前アルブミン濃度, 投与前IgG濃度および好中球数の推移) に関してはすべての項目で両群間に偏りは認められなかった。Kaplan-Meier法にて推定した第7日目までの解熱率はmG群54.8%, 対照群37.2%で, IVIG群が有意に早く解熱した (一般化Wilcoxon検定: P=0.002)。同様に第7日目までの臨床症状の消失率はIVIG群57.3%, 対照群39.4%で, IVIG群が有意に早く消失した (一般化Wilcoxon検定: P=0.002)。客観的な半掟基準にもとつく「有効」以上の有効率はMG群61.5% (163/265), 対照群47.3% (113/239) でIVIG群が有意に優れていた (x2検定: p<0.001)。IVIG製剤は重症感染症に対し, 抗生物質との併用において有効であると考えられた。
著者
月本 一郎 塙 嘉之 高久 史麿 浅野 茂隆 上田 一博 土田 昌宏 佐藤 武幸 大平 睦郎 星 順隆 西平 浩一 中畑 龍俊 今宿 晋作 秋山 祐一 櫻井 實 宮崎 澄雄 堺 薫 内海 治郎 黒梅 恭芳 古川 利温 山本 圭子 関根 勇夫 麦島 秀雄 矢田 純一 中沢 真平 小出 亮 加藤 俊一 金子 隆 松山 秀介 堀部 敬三 小西 省三郎 多和 昭雄 筒井 孟 高上 洋一 田坂 英子 植田 浩司
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1647-1655, 1990 (Released:2009-03-12)
参考文献数
14
被引用文献数
3

Recombinant human granulocyte colony-stimulating factor (rG-CSF), produced by Chinese hamster ovary cells, was administered in 69 chemotherapy-induced neutropenic pediatric patients (pts) with malignant tumors. Each pt received two cycles of the same chemotherapy and had neutropenia with absolute neutrophil counts (ANC) <500/μl in the first cycle. Initiating 72 hours after termination of chemotherapy in the second cycle, rG-CSF (2 μg/kg/day) was given subcutaneously or intravenously to each pt for 10 days. rG-CSF significantly increased ANC at nadir; 72±14 vs. 206±40/μl (data in the first cycle vs. data in the second cycle, respectively), and reduced the period of neutropenia with ANC<500/μl; 9.7±0.6 vs. 5.1±0.6 days, and the period for restoration to ANC≥1,000/μl after initiation of chemotherapy; 25.5±0.6 vs. 17.5±0.9 days. rG-CSF did not affect other components of peripheral blood. The number of days with fever ≥38°C was significantly reduced by rG-CSF treatment. Neck pain and lumbago were observed in one pt, polakysuria in one pt, and elevation of the serum levels of LDH and uric acid in one pt, however these were mild to moderate, transient, and resolved without any specific treatment. We concluded that rG-CSF was effective in neutropenia induced by intensive chemotherapy for malignant tumors without any serious side effects.
著者
浅野 茂
出版者
京都大学高等教育研究開発推進センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.97-108, 2017-12-01

日本の大学関係者及び政策立案者のInstitutional Research(IR)に対する関心は依然として高い。本稿は、こうした関心に応えるべく、IR先進国である米国における現状を捉えるとともに、昨今、米国の高等教育機関が強く要請されているInstitutional Effectiveness(IE)にも焦点を当て、IRのみならずIEについての理解促進を図ることを目的としている。米国におけるIR及びIEについては、明確な定義は存在しないものの、IRは「諸活動の効果検証に向けて展開される情報収集、統合・分析、情報提供を支援する機能」として、IEは「機関が自らの使命に沿って展開する各種活動の成果についてIRが行う効果検証の結果に基づいて、成果に至るまでのプロセスを継続的に改善していく循環サイクル」として捉えられていることが明らかとなった。このことは、昨今の日本においても要請が高まっている教育の質保証、教学マネジメント、学習成果の把握などにおいて、IRは機関の使命に沿って展開している諸活動の成果の把握と効果検証を通じて、継続的改善へとつながる循環サイクル(IE)を確立していくことが重要であることを示唆していると考える。
著者
浅野 茂 ASANO Shigeru
出版者
名古屋大学高等研究教育センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.177-196, 2017-03 (Released:2017-03-30)

本稿の目的は、昨今、日本の大学に強く要請されている「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」の一体的な策定と、その基での体系的で組織的な大学教育の展開に向け、筆者が実践している事例の紹介を通じて、その解決の糸口を示すことである。この実践的な問題意識に基づき、米国におけるInstitutional Research(IR)、とりわけAssessmentに関する取組や国内の先行事例を参考に、各ポリシーの一体性・整合性を確保するために考案した作業様式等を提示する。また、各ポリシーの策定の単位、基本項目や記載内容の基本的な考え方、実際の作業過程において直面する問題点とその解決法等を共有する。なお、現在、進行中の取組であるため、Assessmentのプロセス全体を示すことはできないが、最も比重が大きく、かつ実際の学修成果の測定において拠り所となるにも関わらず、実践例の蓄積が乏しい最初の段階に関する具体的な取組の紹介を通じて、微少なりとも他機関における3つのポリシーの策定作業、さらには教育の質保証強化の取組を推進する一助となることを願っている。Japanese universities are required to formulate clear learningobjectives and independently demonstrate that the educationalprograms that they provide are effective. To accomplish theserequirements, most universities are working toward a coherent set of“3 policies.” These are locally known as the Diploma Policy, theCurriculum Policy, and the Admission Policy and are considered to befundamental in the assessment of student learning outcomes.In this paper, we will address how the IR/IE Office in YamagataUniversity formulated those three policies and describe the issues andchallenges that we faced during the process. In the U.S., academicprograms and their outcomes are clearly defined and closely related;however, those relationships scarcely exist in Japan. To tackle theseproblems, we examined how U.S. universities assess theireffectiveness.Since our research is currently ongoing, we cannot share the entireassessment process. However, this paper will aim to help otherJapanese institutions in their continuous improvement by sharingwhat we have learned from formulating our three policies andassessment plans.
著者
斎藤 健一 安武 幹智 芹澤 領 丸山 みどり 竹内 久彌 小尾 俊一 小畑 清一郎 浅野 茂隆 高橋 恒夫
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.12-19, 1998-02-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Banking of human placental/umbilical cord blood (PCB) requires volume reduction for prevention of hemolysis-related side effects and cost-effective storage. We collected, separated, and cryopreserved PCB following the New York Blood Center's protocol, and obtained PCB with an mean volume of 70.0±28.1ml (n=100). Red cells were sedimented by addition of 1% hydroxyethyl starch with gentle centrifugation. Recovery of nucleated cells (NC) and colonyforming units (CFU) was 82.9±13.7% and 90.4±18.9%, respectively (n=25). Volume of the NC suspension was reduced to 20ml by centrifugation and 5ml of 50% dimethylsulfoxide and 5% Dextran 40 solution were added slowly. The frozen cells were washed with a solution containing 10% Dextran 40 and 5% human serum albumin. NC and CFU recovery was 88.8±7.13% and 81.2±20.3%, respectively (n=18). No aggregation of cells occurred after the washing procedure.We studied the effect of storage after collection, cell separation, and cryopreservation under various conditions. Results suggested that collected PCB should be prestored at 25°C for less than 24 hours, and that HES of moleculer weight 400, 000 should be used at the concentration of 1-4% for efficient cell separation. Further, the cryoprotective solution could maintain the number of NCs, CFUs, and CD34+ cells under slow cooling.
著者
外崎 明子 佐藤 正美 七澤 朱音 浅野 茂隆
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

座りがちな生活習慣は肥満やメタボリック・シンドロームの発症リスクの上昇と関連し、座ったままで過ごす時間がインスリン抵抗性を高めるためであると推測されている。乳がん化学療法を受ける患者では座りがちな生活スタイルとなる傾向にある。本研究はパイロットスタディとして、乳がん化学療法中の患者を対象に活動強度別活動時間とインスリン抵抗性、体重増加率、身体組成の変化との関連性を検証する。インスリン抵抗性はHOMA-R(Homeostasis Model Assessment Score)で評価する。データ収集中の現時点で、体重増加率は3.OMETs(metabolic equivalent)以上の活動時間数と強い負の相関関係にあり、化学療法中の体重増加抑制には中等度以上の身体活動量が影響する傾向が認められた。
著者
真喜屋 清 塚本 増久 真鍋 英夫 浅野 茂利 岩田 康
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.227-232, 1987-06-01
被引用文献数
1

北九州市に住む50才の男性が集団検診で胸部の異常陰影を指摘され, 気管支鏡・x線などによる精査の結果肺癌の疑いで入院した. 開胸手術により摘出ざれた病巣は10.6×95mmの楕円形で境界が鮮明な肺組織の壊死と異物による肉芽腫であっで, 血管腔内に虫体の断面が確認された. 2個の線虫断端の径は216-240×296μmで角皮は少なくとも3層から成り, 角皮の外側には縦走隆起がなく, 内側に縦走隆起の横断像が認められた. 側索は筋層の高さに達し, 多数の筋細胞(1 quadrant 当り30個以上)が見られた. このような虫体断端の大きさと形態的特徴から大糸状虫Dirofilaria immitisの未成熟虫と判走され, 0uchterlony法と免疫電気泳動法を用いた免疫学的診断でもこの結果と一致したため, 本症は大糸状虫による肺肉芽腫と診断された. 患者の自宅周辺で媒介蚊の調査を行ったところヒトスジシマカが多く, この蚊の大糸状虫媒介の可能性について考察した.(1987年2月16日 受付)
著者
山本 雅 渡邊 俊樹 吉田 光昭 平井 久丸 本間 好 中地 敬 永渕 昭良 土屋 永寿 田中 信之 立松 正衛 高田 賢蔵 澁谷 均 斉藤 泉 内山 卓 今井 浩三 井上 純一郎 伊藤 彬 正井 久雄 村上 洋太 西村 善文 畠山 昌則 永田 宏次 中畑 龍俊 千田 和広 永井 義之 森本 幾夫 達家 雅明 仙波 憲太郎 菅村 和夫 渋谷 正史 佐々木 卓也 川畑 正博 垣塚 彰 石崎 寛治 秋山 徹 矢守 隆夫 吉田 純 浜田 洋文 成宮 周 中村 祐輔 月田 承一郎 谷口 維紹 竹縄 忠臣 曽根 三郎 伊藤 嘉明 浅野 茂隆
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

近年、がん遺伝子、がん抑制遺伝子の研究が進み、がんを遺伝子ならびにその産物の機能に基づいて理解することが可能になった。それと共に、細胞増殖のためのシグナル伝達機構、細胞周期制御の機構、そして細胞死の分子機構の解明が進んだ。また細胞間相互作用の細胞社会学的研究や細胞表面蛋白質の分子生物学的研究に基づく、がん転移の機構についての知見が集積してきた。一方で、がん関連遺伝子の探索を包含するゲノムプロジェクトの急展開が見られている。また、ウイルス発がんに関してもEBウイルスとヒトがん発症の関連で新しい進展が見られた。このようながんの基礎研究が進んでいる中、遺伝子治療のためのベクター開発や、細胞増殖制御機構に関する知見に基づいた、がんの新しい診断法や治療法の開発が急速に推し進められている。さらには、論理的ながんの予防法を確立するための分子疫学的研究が注目されている。このような、基礎研究の急激な進展、基礎から臨床研究に向けた情報の発信とそれを受けた臨床応用への試みが期待されている状況で、本国際学術研究では、これらの課題についての研究が先進的に進んでいる米国を中心とした北米大陸に、我が国の第一線の研究者を派遣し、研究室訪問や学会発表による、情報交換、情報収集、共同研究を促進させた。一つには、がん遺伝子産物の機能解析とシグナル伝達・転写調節、がん抑制遺伝子産物と細胞周期調節、細胞死、化学発がんの分子機構、ウイルス発がん、細胞接着とがん転移、genetic instability等の基礎研究分野のうち、急速な展開を見せている研究領域で交流をはかった。また一方で、治療診断のためには、遺伝子治療やがん遺伝子・がん抑制遺伝子産物の分子構造に基づく抗がん剤の設計を重点課題としながら、抗がん剤のスクリーニングや放射線治療、免疫療法に関しても研究者を派遣した。さらにがん予防に向けた分子疫学の領域でも交流を図った。そのために、平成6年度は米国・カナダに17名、平成7年度は米国に19名、平成8年度は米国に15名を派遣し、有効に情報交換を行った。その中からは、共同研究へと進んだ交流もあり、成果をあげつつある。本学術研究では、文部省科学研究費がん重点研究の総括班からの助言を得ながら、がん研究の基盤を形成する上述のような広範ながん研究を網羅しつつも、いくつかの重点課題を設定した。その一つは、いわゆるがん生物の領域に相当する基礎生物学に近いもので、がん細胞の増殖や細胞間相互作用等の分子機構の急激な展開を見せる研究課題である。二つ目の課題は、物理化学の分野との共同して進められる課題で、シグナル伝達分子や細胞周期制御因子の作用機構・高次構造に基づいて、論理的に新規抗がん剤を設計する試みである。この課題では、がん治療薬開発を目的とした蛋白質のNMR解析、X線結晶構造解析を推進する構造生物学者が分担者に加わった。三つ目は、極めて注目度の高い遺伝子治療法開発に関する研究課題である。レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクターの開発に関わる基礎側研究者、臨床医師、免疫学者が参画した。我が国のがん研究のレベルは近年飛躍的に向上し、世界をリ-ドする立場になってきていると言えよう。しかしながら、上記研究課題を効率良く遂行するためには、今後もがん研究を旺盛に進めている米国等の研究者と交流を深める必要がある。また、ゲノムプロジェクトや発生工学的手法による、がん関連遺伝子研究の進展によって生じる新しい課題をも的確に把握し研究を進める必要があり、そのためにも本国際学術研究が重要な役割を果たしていくと考えられる。