著者
村井 潤一郎 橋本 貴充
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.116-136, 2018 (Released:2019-07-11)
参考文献数
77
被引用文献数
4

Many problems have been reported concerning null hypothesis significance testing (NHST), although it is used in most psychological research. The authors believe that this situation will not change, at least not in the near future. Before shifting to a Bayesian approach, there are several things that must be done in psychological research that uses NHST. Among them, sample size planning (SSP) is especially important. In practice, whether significant results exist primarily depends on sample size, and many studies have indicated that SSP is vital. However, the use of SSP is rare in psychological research. Most psychological research basically depends on the significance of NHST; therefore, psychologists should conduct SSP before collecting data. We describe the present situation of SSP in psychological research, discuss related topics, argue for the importance of SSP, and present future directions for SSP in psychological research using NHST.
著者
内田 照久 橋本 貴充
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.79-97, 2019 (Released:2019-08-18)
参考文献数
9
被引用文献数
2

センター試験を利用した私立大学出願の特徴を分析した。はじめに,多数の私立大学に出願する出願者の年次推移を検討した。(1) 散発的点在期(H20~23 年度)は,特定地域への局在性は見られず,散発的に点在していた。(2) 被災地局在期(H24~27 年度)は,東日本大震災の被災地域で急増し,3 年程で沈静化した。 (3) 膨張的拡大期(H28~29 年度)は,首都圏で先行して急増し,他の地域にも拡大していた。この (3)の背景として,大規模私立大学での (a) 複数学部のセット受験時の検定料の低廉化,(b) インターネット出願による手続きの簡素化,の2 点が誘因とされた。一方で,センター試験で私立大学に出願する実人数は,全国総計では増加していたが,18 歳人口の減少傾向が著しい過半数の県では逆に減少しており,地域間での対照的な動向の違いが明らかになった。
著者
石岡 恒憲 峯 恒憲 宮澤 芳光 橋本 貴充
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

短答式記述採点支援システムを実装した。採点エンジンの性能を評価するために、国立情報学研究所が主催するタスク競争型の国際研究集会NTCIR-13の質問応答のサブタスクに参加し、国内外11の研究機関が参加する中、横浜国立大学と並んでトップの成績を収めた。タスク課題は東大2次試験の世界史における500字論述試験の自動採点(過去5年分)である。研究成果は国際的なトップカンファレンスの一つであるWI 2007に採択された。その後も九州大学と連携しシステム性能の向上を目指した。技術的には、LSTMというストリーム型の言語モデルに学習の精度を上げるための工夫を創案し、JAWS 2019にその成果を発表した。
著者
大津 起夫 橋本 貴充 荘島 宏二郎 石塚 智一
出版者
日本行動計量学会
雑誌
日本行動計量学会大会発表論文抄録集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.174-177, 2006-08

大学入試センター試験は約50万人の受験者を有する大規模な試験である.センター試験を採用する大学には、利用する受験科目の裁量が可能である.また同一時間に同一教科に属する複数科目の試験が実施されるため、受験者ごとに様々な科目パターンが発生し、一貫した基準による受験者の比較が難しい.ここでは、欠測値に対応した、非線形因子分析を用いることにより、これら受験者の学力比較のひとつの基準を提案し、またこれを用いてセンター試験における受験者の科目選択の状況の概要を把握する。
著者
橋本 貴充
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

大学入試センター試験は大規模データの分析に注目されがちであるが、受験者の少ない科目のための分析が必要である。そこで、事前情報を活用できる「ベイズ統計」を利用し、より適切な分析を行うことを試みた。まず、通常のモデルにベイズ統計を適用することに限界があることを明らかにした。次に、より適したモデルで分析を行うためのソフトウェアを開発した。最後に、受験者が少ないときの、そのモデルの振る舞いについて明らかにした。
著者
植野 真臣 森本 康彦 藤原 康宏 永森 正仁 橋本 貴充 安間 文彦 安藤 雅洋
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本eポートフォリオ・システムの特徴は、(1)個人のeポートフォリオを構造化し、ハイパーリンクでつなぐことにより、多様なパスで有用な他者情報の発見を支援する、(2)高度な検索機能により、キーワード検索、過去の優秀なレポートやテスト成績の良い学習者、相互評価の高い学習者などが容易に検索できる、(3)すべての階層で多様なアセスメント機能が用意されており、自己のリフレクションを誘発するだけでなく、優秀な他の学習者の発見に利用できる、などが挙げられる。実データより、本システムの有効性を示す。