著者
渡辺 雄二郎 鈴木 憲子 山田 裕久 藤永 薫 小松 優
出版者
日本イオン交換学会
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.75-81, 2013 (Released:2013-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

福島第一原子力発電所の事故により,環境中に放出された放射性セシウムは多くの生態系に深刻な影響をもたらしている。この放射性セシウムの回収及び固定化材としてゼオライトが注目されている。我々はイオン交換法によって様々なカチオン種を含む各種ゼオライトを作製した。本研究では,これらのゼオライトのセシウムイオン吸着挙動及び,800℃~1200℃ で焼成後のゼオライトからの溶出挙動を純水と 0.6 M 塩化ナトリウム水溶液中で検討した。
著者
湊 淳一 キム ワイージェイ 山田 裕久 渡辺 雄二郎 田村 堅志 横山 信吾 チョー エスービィ 小松 優 スティーブンス ジィーダブリュー
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.102, 2004

産業・生活廃水中のアンモニウムイオンは、河川や湖に富養化をもたらしている。その吸着・除去剤として安価な天然ゼオライトが注目されている。天然ゼオライトのアンモニウムイオン吸着効率は、ゼオライト種、交換性陽イオン容量、長石やイライトなどの不純物量などによって決定される。本研究では、クリノプチロナイトとモルデナイトを主成分とする韓国産の天然ゼオライトを空気分級法を用いて、異なる粒径の試料に調整した。空気分級されたそれぞれの試料は、XRD、粒径測定、SEM-EDS、ICP-MSを用いて特徴付けた。さらにそれぞれのアンモニウム吸着量の粒径依存性について明らかにしたので報告する
著者
渡辺 雄二 隅田 衣江 太田 徹
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.26-31, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
19

A relationship between eating behavior and attitude to uncleanness of daily life in female college students and female high school students was statistically studied by method of questionnaire. Following results were obtained;1)  The fundamental factor of attitude to uncleanness on daily life was “hating to make use of goods placed public utility”.2)  274 subjects were classified into three groups by using their principal component scores.3)  In attitude to uncleanness, 44 subjects who showed over minus 0.9 score were liable to hate hanging on to straps of trains and buses, touching door knobs and keyboards of personal computers, using toilet seats, sofas and mules in public utility. On the other hand, 41 subjects who showed over plus 0.9 score were not.4)  In eating behavior, they who showed over minus 0.9 score were liable to pay attention to the dirt of tablewares and tables at the time of eating out. But they who showed over plus 0.9 score were not.  From above results, it was speculated their attitude to uncleanness on daily life closely related eating behavior of female college students and female high school students.
著者
市川 朝子 渡辺 雄二 神戸 恵 平江 陽子 川嶋 慶子 下村 道子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.190-195, 2001-05-20
被引用文献数
4

希釈卵液ゲルの塩味として, 一般に用いられている食塩のほかに, 他の無機塩類を添加し, 調製したゲルの食味と物性の評価を行って, 食塩の代替塩として利用することが可能かどうかを検討した。その結果は以下のとおりである。(1)KCLを用いたゲルは, 硬さはNaClと同程度で, 色は明るく黄緑がかったゲルとなった。またKClをモル濃度でNaClの19.7%量以下で添加して併用することは, 実用的に利用され得るとみなされた。また, 卵を用いたゲル状食品にNaClと併用して用いるときは, NaClは0.068M(0.4%)程度のより低濃度でKClを添加する方法で, ゲルの硬さを補強することもできる。(2)MgCl_2を用いた卵液ゲルは硬く, 明度の暗いゲルとなった。味は舌にまとわりつくような後味が残り, NaClに添加しても有効とはみなされなっかた。(3)CaCl_2を用いた卵液ゲルは軟らかく, 離漿量の多い明度も低いゲルとなった。また, NaClにCaCl_2を添加した場合, 味の点では少量の添加は可能であるが, 添加量が増すと破断応力値は低下し, 軟らかいゲルとなった。したがってCaCl_2をNaClと併用して用いるときは, モル濃度でNaClの6.5%量以下が適当とみなされた。
著者
下村 道子 高橋 ユリア 渡辺 雄二 吉松 藤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.87-94, 1988-06-20
被引用文献数
1

郷土料理,行事食の中の汁物の特徴を検討するひとつの方法として,クラスター分析を行った。汁物は「週刊朝日百科・世界の食べもの」日本編から選びだし,だし汁の主な材料,実の主な材料,主な調味料,汁の実の量の各項目について,地域別の類型化を試みた。分析過程において,非類似度の定義および距離の更新によってクラスターの形態は変化するが,それぞれのクラスターの融合過程を検討し,各要因と関連づけていく方法をとった。それによって以下の結果が得られた。だし汁の主な材料については,クラスター〔北海道・東北,九州〕,〔関東,中国,四国〕,〔北陸,中部,関西〕,〔沖縄〕に類型化できた。〔北海道・東北,九州〕は,さまざまなだし汁の材料を使用しており,かつ,だし汁を使用しないものも多かった。〔関東,中国,四国〕は,だし汁を使用しないものが多かった。〔北陸,中部,関西〕は,昆布だしが多かった。〔沖縄〕は,獣鳥肉類が多かった。実の主な材料については,クラスター〔北海道・東北,関西,九州〕,〔関東,中国,四国〕,〔北陸,中部〕,〔沖縄〕に類型化できた。〔北海道・東北,関西,九州〕は,魚介類と野菜類が多かった。〔関東,中国,四国〕は,魚介類が多かった。〔北陸,中部〕は,魚介類と豆類が多かった。〔沖縄〕は,獣鳥肉類が多かった。主な調味料については,クラスター〔北海道・東北,関東,中部〕,〔中国,九州〕,〔北陸,関西,四国〕,〔沖縄〕に類型化できた。〔北海道・東北,関東,中部〕はみそと塩が多かった。〔中国,九州〕は,みそとしょうゆが多かった。〔北陸,関西,四国〕は,みそが多かった。〔沖縄〕は,塩が多かった。汁の実の量については,クラスター〔北海道・東北,沖縄〕,〔四国,九州〕,〔北陸〕,〔関東,中国〕,〔関西〕,〔中部〕に類型化できた。〔北海道・東北,沖縄〕は,量が多かった。〔四国,九州〕は,量の多い汁と少ない汁の割合が高かった。〔北陸〕は,量の中位の汁が多かった。〔関東,中国〕は,量の中位の汁と多い汁の割合が高かった。〔関西〕は,量の中位の汁と少ない汁の割合が高かった。〔中部〕は量が少なかった。総合的にみると,関西,中部,北陸地域の汁物は,昆布だしが多く,汁の実の量が少ない。これらの地域から遠くなるに従い,汁の実の旨味を利用したり,さまざまなだしの材料を使った汁物が増す傾向にあり,汁の実の量も多くなった。全国的に汁の実は魚介類が多かった。調味料は全国的にみそが多いが,関西,北陸地域を境にして,みそとしょうゆが多い中国,九州地域と,みそと塩の多い中部,関東,北海道・東北地域に区別された。ただし,沖縄は独特であり,だし汁および実の材料に獣鳥肉類が多く,調味料には塩が多かった。