著者
中尾 充宏 田端 正久 今井 仁司 土屋 卓也 西田 孝明 陳 小君 大石 進一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

研究期間中、各分担者とも、個別の問題によらない無限次元・有限次元の共通的精度保証付き数値計算およびその関連数値計算方式の開発に対して恒常的に取り組み、その改良・拡張と、新たな方式の検討を行った。また、実際の現象に即した問題に対する、数値的検証の実例も与えその有効性の実証に努めた。また、内外の研究集会に参加し、講演討論を行い、研究成果の発信を行うとともに活発な研究情報を交換し、新たな研究の進展を図った。主な研究実績は以下の通りである。1.共通的数値検証理論とその実装(1)任意領域における楕円型方程式、定常Navier-Stokes方程式の解に対する数値的検証のために、Poisson方程式、および2次元重調和方程式の有限要素解に対する構成的事前誤差評価について検討し、十分な実用性をもつ評価定数の算定を行った。(中尾、山本、田端、土屋)(2)非線形楕円型方程式のdouble-turning-pointの数値検証を定式化しその実例を与えた(皆本)(3)1階微分項を持つ2階楕円型方程式の数値検証の効率化について検討した(中尾、渡部)(4)線形化作用素の逆作用素ノルムを直接評価し、それを用いた無限次元Newton法にもとづく新しい検証方式の検討を行い、その適用による有効性を確認した。(中尾)(5)有限次元一次相補性問題の解の精度保証付き計算について検討しその方式を定式化した(陳)(6)連立一次方程式の解の高速精度保証について検討しその大幅な改良を得た(大石)(7)多培長演算ソフトウェアを実装し超高精度近似解の計算を可能とした(今井)(8)非線形振動問題に関する計算機援用可能な分岐理論を定式化しその応用例を与えた(川中子)2.個別問題の解に対する数値的検証方式とその適用(1)2次元熱対流問題の大域的分岐解の検証付き追跡および分岐点の存在検証を行い、さらに3次元問題に対してもその拡張を図った(西田、中尾、渡部)(2)線形化Navier-Stokes作用素の固有値問題であるKolmogorov固有値問題の精度保証付き数値計算によりトーラス上の流れの安定性を検証した(長藤)(3)水面波の数学モデルであるNekrasov積分方程式の精度保証付き数値計算を実現した(村重)
著者
野津 裕史 田端 正久
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.427-445, 2008
参考文献数
29

Navier-Stokes方程式のための,圧力安定化有限要素法と時間刻み1次精度特性曲線法を組み合わせたスキームを提案する.P1/P1要素を用いており,現れる行列は対称である.2次元および3次元問題の数値計算結果を与える.
著者
友枝 謙二 三村 昌泰 山口 智彦 川口 正美 田端 正久 儀我 美一 NAKAKI Tatsuyuki 今井 仁司
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、過渡状態での解析に耐えうる理論的信頼性をもった実験及び数値計算法の確立という目的に沿って下記の現象i)〜iii)を中心に扱ってきた。i)反応拡散系に現れる空間パターンの変化ii)粘性流体でのヴィスコスフィンガリング現象iii)蒸発過程での浸透領域の変化その結果、これらの現象を中心にして多岐にわたる新しい界面現象が発見され、本目的を達成することができた。すなわち過渡状態の現象に接近できる信頼性の高い実験方法および数値解析法の開発が可能になり、多くの界面現象のダイナミクスの解明がなされた。同時に数値解析としては今後取り組むべき重要な問題点も提起された。主な成果は以下の通りである。1)反応拡散系の数値計算法については、TCD(Threshold Competition Dynamics)法でシミュレートする方法を開発した。これによって、多次元での位相的に複雑な界面挙動を高精度に且つ容易に再現することができた。また有限要素法による気泡上昇問題の解析ではその泡の併合現象の再現が可能となった。2)成長する結晶表面の動きの数理モデル化では反応拡散の他に輪送効果を導入することによって、これまでにない新しい様々な解析結果が得られた。3)ヴィスコスフィンガリング現象を再現するHele-Shawセル中を上昇する泡において、箒星の形状の伴流が実験で発見された。どのように数値シミュレーションで再現するかが今後の課題である。4)マルチスケール有限要素解析を用いて多結晶集合組織内での界面ダイナミクスを正確且つ高速に数値解析を行うことができた。5)空間2次元での蒸発過程に現れる浸透領域の分離・融合・再分離過程を再現する計算法とそのような現象を引き起こす初期分布関数の陽的表現を得ることができた。更に、その分離・融合を反復繰り返すための初期分布も決定することができた。