著者
大石 進一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.2_9-2_19, 2008-10-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
25

筆者は1976 年の卒論より研究をスタートしました。すでに32 年間研究に携わってきたことになります。筆者が精度保証付き数値計算の研究に移ったのは1990年のことです。以来本分野で研究を続けてきました。精度保証付き数値計算の研究の研究に移ったのは筆者なりの必然性があります。1990年当時の精度保証付き数値計算の研究は実用的ではないと考えられていたような気がします。実際、数百次元の連立一次方程式の精度保証が精一杯の感じでありました。現在では特殊な構造を持つ方程式であれば一億次元の連立一次方程式でも精度保証できるようになり、精度保証付き数値計算は実用の段階に至っていると思っています。筆者の研究がこのようなブレークスルーに貢献できたと考えておりますが、本稿ではこのような精度保証付き数値計算の研究の発展と筆者の研究の個人史の交錯を描かせていただきました。
著者
鴨井 好正 沼波 秀晃 大石 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.96, no.208, pp.1-8, 1996-07-27

本報告では, 浮動小数点数を用いて, 高速な演算が可能な精度保証ライプラリを提案する. 浮動小数点演算の際に起こる丸め誤差は, 丸め方向を強制的に変更できる. これを利用すると, 区間の上限と下限に浮動小数点数を使っても, 四則演算結果の真の値を含む区間演算を行なうことができる. この区間演算をもとにした精度保証ライプラリを, C++言語によって作成した. 精度保証付き数値計算では様々なタイプのデータ型間の演算が行なわれるので, C++言語の演算子多重定義の機能を有効に利用して, プログラム開発が極めて容易になるように工夫している.
著者
大石 進一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.10_58-10_60, 2014-10-01 (Released:2015-02-06)
著者
大石 進一 高安 亮紀 久保 隆徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.166, pp.61-64, 2010-07-26

本報告では非線形楕円型偏微分方程式のDrichlet境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算方法について述べる.提案手法は先行研究とは違うまったく新しい精度保証法法で,Newton-Kantorovichの定理に基づき,自然に精度保証条件が導かれる.さらにこの手法は近似解計算の数倍程度の手間で精度保証可能である.精度保証付き数値計算法の計算速度について効果的な結果を得ることができた.
著者
大石 進一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.301-307, 2014-03-10 (Released:2014-04-01)
参考文献数
5

早稲田大学基幹理工学部に応用数理学科を設立して7年経過した.これは工学と数学を半分づつ学ぶ学科である.3年生に回路理論を工学系の中心的な必修科目として設置した.電気回路基礎から電子回路(アナログ電子回路もディジタル電子回路も含む)までを30回の90分講義で教える科目である.この科目を2012年度と2013年度の2年間担当した.講義の準備に当たって,回路理論を数学的な論理性を保って講義することができるかを考えた.講義開始前の数か月と講義開始後の8か月ぐらいの約1年間でこのことに対する思索(とそれに必要な歴史的な文献調査,外国の教科書の調査,現在の技術動向調査が含まれる)を巡らし,その結果をコロナ社から回路理論として出版した.結果的にこの本はマクスウェルの方程式を公理として仮定し,素子特性は数理モデルとして与えられていると考えて回路理論を数学的な論理性を保つように展開することを志した.教科書とするために,数学的道具立ては制限した部分が多く,また,原稿も半分程度に圧縮したが,回路理論の論理的展開のためにいろいろな講義展開法についての試行を行い,我が国の定石の講義法とかなり異なっている部分も多い.2年目には講義の前半は理論,後半は実験という形で講義を展開した.2年目は回路理論を論理的に捉えるだけでなく,実験により回路の実在をどう捉えるか考えさせた.これらの思索と実践について報告する.