著者
白井 良成 岸野 泰恵 水谷 伸 納谷 太 柳沢 豊
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.253-265, 2017-07-15

安価なセンサやプログラマブルなIoT機器の出現により,多くの組織が環境センシングを行うことが可能となりつつある.我々は,試行錯誤的にセンシングを進めながら知見を得ようとする環境センシング行為を探索的環境センシングと定義し,さまざまなフィールドにおいて実証実験を行ってきた.本稿では,我々が取り組んでいる3つの環境センシングプロジェクトを紹介する.3つのプロジェクトを基に,探索的環境センシングのモデル化を行い,トラブル対応指針を策定する.また,探索的環境センシングを効率的に行うために筆者らが実践しているアジャイル環境センシングについて述べる.アジャイル環境センシングにより試行錯誤のサイクルを高速化することで,利用可能なリソースを考慮しながら,センシングプロジェクトのゴール修正や終了判断を柔軟に行うことができる.
著者
森昭太 松尾直志 白井良明 島田伸敬
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-6, 2013-03-07

画像から手話を認識するためには,顔・手領域を抽出する必要があり,特に手形状の抽出は非常に重要である.しかし手話によっては手同士,顔と手で隠蔽がおこる場合がある.その場合,肌色やエッジ検出のみでは顔と手を分離することが困難であった.そこで深度センサ(Kinect for Xbox360)を用いることが考えられる.しかし手話によっては顔と手が密着する場合には,顔・手を分離することが困難である.本手法では,1フレーム前の手領域を現在フレームの手領域があると推測される領域に対して顔の3次元テンプレートマッチングを行うことによって,手領域候補を抽出する.その領域に手以外の領域が含まれていないか距離のヒストグラムから判別分析法により自動で判断し手領域を求める.手同士の隠蔽時も同様の処理を行う.その結果,隠蔽が起こる手話に対して隠蔽中の顔・手領域を正確に分離し,手話認識に用いる領域特徴を抽出する.以上をの手法の有効性を実験によって確かめた.
著者
泉川 晴紀 安永 隆一 鯨井 勝弘 寺地 重巡 白井 良和 小林 直 杉山 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.361-365, 2013-02-28

筆者らは,セルラシステムなどの無線システムのカバレッジマップ/カバレッジホールマップを,受信信号強度や受信信号品質といった無線品質情報と位置情報とから構成される移動端末からの測定レポートにより構築する検討を行っており,3GPPにおいてもMDT(Minimization of Drive Tests)と呼ばれる同様の取り組みがなされている.それらの取り組みでは,受信信号強度や受信信号品質が所定閥値以下になる事象を測定レポートの生成トリガにすることを想定している.ここで,当該マップの用途としては,無線サービス品質向上を目的としたカバレッジ最適化や基地局増設等であると考えられるが,前述の受信信号強度や受信信号品質といった無線信号|青報のみに基づいたレポートトリガでは,例えばトラヒック集中による通信品質低下を検出することが難しく,無線サービス晶質向上に資する上で十分とは言えない.そこで,本稿では,利用されるアプリケーション毎のトラヒック利用状況(受信トラヒック量の変動や上り方向/下り方向のパケット数比率等)を移動端末内で学習し,当該学習結果を元に新たに発生したトラヒックの品質に対する良否を推定する手法を提案する.本手法に基づく測定レポートトリガにより,(無線品質は良好だが)いつもよりもレスポンスが遅い,といった主観的な通信品質(QoE; Quality ofExperience)低下事象の検出が可能になることが期待される.提案手法を実装したスマートフォンの被験者利用に基づく予備評価の結果,QoE低下事象を75%の割合で検出できた.
著者
宗岡 克樹 白井 良夫 高木 健太郎 小山 高宣
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.495-499, 2001-05-01
被引用文献数
18

急性上腸間膜動脈閉塞症の2症例に対し, ウロキナーゼを上腸間膜動脈(SMA)に動注する血栓溶解療法を施行した. 症例1は59歳の男性で, SMA本幹に完全閉塞を認め, ウロキナーゼ60万IUの動注により血栓は消失した. 発症からSMA再疎通までは3.5時間であった. 腸切除を要さず, 1か月で軽快退院した. 症例2は68歳の男性で, SMAの完全閉塞を認め, ウロキナーゼ60万IU動注により血栓は消失した. 発症からSMA再疎通までは6.5時間であった. 腹部所見は軽減したが, 再疎通後3時間目から再度憎悪したため緊急手術を行った. 空腸, 回腸280cmが壊死しており, 腸管切除再建を行ったが, 術後4か月目に多臓器不全で死亡した. 自験例および従来の報告例の検討からは, 本療法を発症後早期(SMA本幹閉塞では5時間以内, SMA遠位部の閉塞では12時間以内)に行えば腸管壊死を回避できる可能性がある.
著者
長井 敦 久野 義徳 白井 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.1086-1095, 1997-05-25
被引用文献数
50

複雑に変動する背景を伴うシーンにおいても有効に機能する移動物体の検出手法を提案する. シーンの動き場において移動物体に対応する部分は, 空間方向に一様で, かつ滑らかに移動することを利用して検出を試みる. オプティカルフローを抽出し, 空間的に均一なフローをもつ領域を切り出して, 得られた領域が移動物体(若しくはその一部)であると仮定する. その後の予測される時空間上の位置に投票を行うことにより, シーン内を横切ったものだけを移動物体として検出する. 背景変動の程度に応じて, 適応的に検出の際の投票値のしきい値を決定する. 移動物体に対して等速直線運動の拘束を与える場合と, 加速度への対応のための拡張手法のそれぞれについて述べる.
著者
横山 直行 白井 良夫 宗岡 克樹 若井 俊文 畠山 勝義
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.486-491, 2006-04-01
被引用文献数
3

症例は74歳の女性.十二指腸乳頭部癌切除後,最大径8cmまでの多発肝転移巣が出現.TS-1を150mg/日(15時に50mg, 22時に100mg内服)隔日で投与した.TS-1投与日の血清5-FU濃度は夜間高く,午前3時に最高値(539ng/ml)を示し,本療法が時間治療であることを確認した.治療開始後転移巣は徐々に縮小・減少し,4か月後には肝前区域に径2.5cm大の単個を残すのみとなった.骨髄抑制や消化器系の副作用はなく,外来での加療が可能であった.治療開始151日目に多量の吐血を来たし,出血性ショックで同日死亡した.病理解剖の結果,死因は肝前区域の残存腫瘍の退縮により,同腫瘍内を貫通する肝動脈が破綻したための胆道出血と診断された.本症例の経験から,TS-1を用いた時間療法が十二指腸乳頭部癌に対し有効である可能性が示唆された.一方,化学療法著効例では腫瘍壊死に伴う動脈性出血にも留意すべきである.
著者
白井 良彦
出版者
「古代史の海」の会
雑誌
古代史の海 (ISSN:13415522)
巻号頁・発行日
no.38, pp.40-47, 2004-12
著者
白井 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.173-175, 2006-02-01
被引用文献数
2
著者
根岸 善朗 三浦 純 白井 良明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.690-696, 2003-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
5 11

This paper describes a map generation method using an omnidirectional stereo and a laser range finder. Omnidirectional stereo has an advantage of 3D range acquisition, while it may suffer from a low reliability and accuracy in range data. Laser range finders have advantage of reliable acquisition of data, while they usually obtain only 2D range information. By integrating these two sensors, a reliable map can be generated. Since the two sensors may detect different parts of an object, a separate probabilistic grid map is first generated by temporal integration of data from each sensor. The resultant two maps are then integrated using a logical integration rule. An ego-motion estimation method is also described, which is necessary for integration of sensor data obtained at different positions. Experimental results on autonomous navigation in unknown environments show the feasibility of the method.
著者
島田 伸敬 白井 良明 久野 義徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.50, pp.25-32, 1994-05-19
被引用文献数
9

本論文では,手指の単眼視時系列シルエット画像から三次元形状モデルを用いて手指姿勢を解釈する手法について述べる.まず時間的な拘束から予測される手の平の姿勢をモデルを用いて生成し入力画像のシルエット形状との適合度を評価することで手の平の姿勢候補を選択する.さらに手の平の候補について各指の姿勢候補をモデルを用いて生成し,輪郭の突起特徴にもっとも適合するものを推定する.突起特徴に対応しない指の姿勢はシルエットとの重なりの形状と面積を考慮して選択する.最後に実際の手指画像に対して行った実験の結果を示す.
著者
白井 良成 中小路 久美代 山田 和明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.14, pp.17-24, 2004-02-06

本研究は,空間的,時間的なユビキタスコンピューティング社会において,多種多様,大量のオブジェクトが個々のインタラクションヒストリを累積した際に,それをどのようにユーザが利用すべきか,それに適した表現系と操作系とはどうあるべきかを考察し,そのためのインタラクションデザインの枠組みを構築しようとするものである.本論では,インタラクションヒストリの要約と閲覧というユーザの行為に着目し,インタラクションヒストリ閲覧目的のtaxonomyの構築をおこなう.そして,それぞれの側面に適した時間軸を利用する要約手法とそのための表現手法について考察する.最後に,インタラクションヒストリの可視化手法の一例として,我々が構築してきているOptical Stainシステムについて論じる.Optical Stainの利用経験の分析と発展させるべきシステムの側面を省察することにより,本研究の今後の課題と方向性について論じる.The goal of our research is to develop an interaction design framework for the use of interaction histories of objects. Ubiquitous computing enables each of a variety of objects (including humans) to keep track of its/his/her interactions with other objects over a very long period of time. Little research has been done in support of how to design representations and operations to use such interaction histories of a large number of heterogeneous objects. This paper focuses on summarization and browsing techniques for interaction histories. We present a taxonomy for interaction history browsing purposes, and discuss what temporal representations would be appropriate for different types of such browsing purposes. We introduce Optical Stain, a system that keeps track of posters on a physical bulletin board and gives visual feedback on the board as trajectories of past posters, to illustrate our point of view.