著者
吉川 雄一郎 篠沢 一彦 石黒 浩 萩田 紀博 宮本 孝典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1284-1293, 2007-03-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

人間同士のコミュニケーションにおいて,視線は意図の伝達や会話の調節など,重要な役割を持つことが知られている.人間と対面するロボットやスクリーンエージェントの従来研究においても,それらの視線をどのように構成するかに注目が集まっているが,相手の視線の動きを考慮した枠組みの研究は少ない.しかし,相手の視線が自分の視線に対してどのように変化しているかを見ることは,人間が相手の視線を認識するうえで重要な手がかりになっていると考えられる.そこで本研究では,対面相手の視線に基づいて自身の視線を動かすことのできるロボットを構築し,応答的視線によってより強い被注視感を相手にいだかせることができることを示す.In face-to-face communication, eyes play a central role, for example in directing attention and regulating turn-taking. For this reason, it has been a central topic in several fields of interaction study. Although many psychology findings have encouraged previous work in both human-computer and human-robot interaction studies, so far there have been few explorations on how to move the agent's eye, including when to move it, for communication. Therefore, it is this topic we address in this study. The impression a person forms from an interaction is strongly influenced by the degree to which their partner's gaze direction correlates with their own. In this paper, we propose methods of controlling a robot's gaze responsively to its partner's gaze and confirm the effect of this on the feeling of being looked at, which is considered to be the basis of conveying impressions using gaze in face-to-face interaction experiments.
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.31-40, 2011-02-25 (Released:2019-09-04)
参考文献数
42

The paper presents a persuasion effect of a robot's whispering behavior that consists of a whispering gesture and small voice. Whispering behavior naturally provides physical proximity and the context of confidential talks that increase intimacy with each other. We have conducted a between-subject experiment to investigate the persuasion effects of whispering gesture and small voice. In the experiment, a robot requested an annoying task, which is a writing as many multiplication table equations as possible. The result shows that whispering gesture significantly increased the number of equations and writing time, meanwhile, small voice had no effect for them. The reason might be that we used simply small voice (voiced speech) not but breathed speech. We believe that whispering behavior is useful for various services that require persuasion effects, such as advertisements, sales promotions, encouragement to study and so on.
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.1, pp.136-145, 2012-01-01

近年,教育や福祉の分野において,ロボットを利用した様々なサービスに関する研究開発が進んでいる.これらの分野において,ユーザとのインタラクションの中で,学校の宿題や,健康のための運動などといった,日々のタスクに対するモチベーションを向上させるようなロボットの働きかけが有用である.接触がロボットの印象にポジティブな効果があることは過去の研究において示されているが,ロボットの能動的接触が行動にどのように影響するかは明らかにされていない.ロボットの能動的接触の効果を調べるために,我々は,非接触/受動的接触/能動的接触の3条件で,ロボットが被験者に退屈なタスクを依頼する実験を行った.実験の結果,能動的接触による依頼を行った場合,他の条件に比べてタスクパフォーマンス(達成量及び継続時間)が有意に向上した.一方で,ロボットへの印象とタスクパフォーマンスに相関は見られなかった.これらの結果より,ロボットの能動的接触がユーザのモチベーションを向上させる可能性が示された.ロボットとの接触を伴うインタラクションが想定される様々なサービスにおいて,本知見はロボットの振舞いのデザインに役立つと我々は考える.
著者
尾形 正泰 大澤 博隆 篠沢 一彦 今井 倫太
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-4, 2011-07-21

本稿では,Twitter をつぶやきプラットフォームとして利用し,Twitter 上に集約されている実世界に関する情報をロボットアバターを用いて提示するエージェントシステムを提案する.ロボットアバターは近年エージェントとして利用される機会が増えているが,モバイル端末などから使用するにはシステムが大掛かりでユーザに負担であった.音声認識技術を用いて容易な入力方法と,肩に載せるタイプのアバターロボットを用いることで,従来と比べてカジュアルなアバターロボットの使用を実現した.また,つぶやきを発話と方向指示をアバターロボットに表現させることで,利用者に実世界の事象を指していることを理解を促すシステムを作成した.In this paper, using Twitter as micro-blogging system, we propose agent system that presents information on twitter about real world with robot avatar. Though robot avatar is getting popular as agent recently, it is a burden for user to make use of agent through such as mobile device because of large system. Using easy input method with voice recognition and a type of avatar robot on shoulder, we realized more casual avatar robot than before. And to make avatar robot to present tweet as utterance and direction indication, system accelerate user to understand that information from avatar is about real world.
著者
柏原忠和 大澤博隆 篠沢一彦 今井倫太
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.237-238, 2011-03-02

本論文では、遠隔コミュニケーションの為の肩乗り小型ロボットア<br />バタの提案を行う。遠隔地からアバタを操作することで、遠隔地の<br />ユーザーは相手の空間を自由に見渡しながらコミュニケーションを<br />行える。ロボットと一緒に行動をすると人間はロボットの動作に気<br />を使い、また小型ロボットの場合は人間が手に持つという煩わしさ<br />があるが、本アバタは身に付ける事によりこれらを解決する。また<br />、アバタ装着者と同じ目線の映像を共有する事により、遠隔地の操<br />作者は相手の空間にいるような感覚を実現し、装着者もアバタによ<br />って遠隔地のユーザーの存在感を得る事が出来る。肩にいるアバタ<br />が耳元でささやく効果も上記に加えることで、より密接な遠隔コミ<br />ュニケーションを行える。
著者
渡邉 哲 小池 京太郎 尾形 正泰 篠沢 一彦 今井 倫太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.227, pp.1-4, 2014-09-19

インターネットを使った配信において,不特定多数の視聴者と,配信者側の人たちのコミュニケーションを実現する上で肩乗りロボティックアバタが有効な手段となりうるか検証した.視聴者の存在を実体化するために,ロボティックアバタを導入する.不特定多数の匿名な視聴者に一つの身体としてロボティックアバタを与え,全員で身体を共有し,キャラクター化させることによって,多数視聴者と配信者の周辺にいる人々をつなげた会話の場の構成を容易にすることが狙いである.また,広角カメラから取得したパノラマの映像やクリックと連動して動く映像を配信することによって,ロボティックアバタの周囲の会話状況を視聴者に捉えやすくする.
著者
佐野 智章 神原 誠之 萩田 紀博 宮下 敬宏 篠沢 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.178, pp.29-32, 2011-08-17

twitter等のリアルタイムコミュニケーションサービスの登場により,個人間での即応性の高いやりとり(Q&A)が行われている.それらを利用して,時間や場所に依存した疑問に答えるサービスが提供されているが,素早く信頼性の高い回答を集める仕組みがない点や,類似の疑問を集約できないという問題が残る.そこで本研究では,即応性の高いQ&Aシステムを実現するために,1)類似した疑問の集約,2)信頼性の高い回答ができるユーザの推定,3)そのユーザへの疑問の提示,を行う機能を持つtwitter上でのエージェントを提案する.本稿では,課題2)へ主眼をおき,専門知識の有無,回答候補者の返答の可能性,返答の信頼性の観点に着目し,4人の被験者による実験結果について述べる.
著者
落合 慶広 鈴木 英人 篠沢 一彦 鈴木 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

気象予報業務の自由化に伴い、局地・短時間の詳細な気象予測情報の提供が望まれている。そこで、本稿では、ニューロ技術を利用して3時間先までを分単位で、かつ、数km以下の詳細な降水予測情報を生成することが可能なニューロ気象予測システム"My Weather"について述べる。