著者
吉澤 晋 菅原 文子 安枝 浩 信太 隆夫 入江 建久 阪口 雅弘 井上 栄
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.435-438, 1991
被引用文献数
14

ダニアレルギー患者のアレルゲン暴露量を効果的に減らす方策を考えるために, 空中浮遊ダニアレルゲンの挙動を調べた. 布団をたたいてダニアレルゲンをアンダーセンサンプラーで粒子径別に, またスリットサンプラーで経時的に捕集した. 両サンプラーの寒天板上に集められた2種類のダニ主要アレルゲン (Der I, Der II) は, 免疫化学的に測定した. その結果は, Der I, II ともその抗原活性の80%は空気力学的粒子径が5.5μm 以上に分布した. 浮遊両アレルゲンとも30分間で10%に減衰した. これらの結果は, 布団から飛散するダニ主要アレルゲンは空中に長く浮遊せずにすぐ落下することを示している.
著者
菅原 文子 宮沢 博 岡部 かおり
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.515, pp.75-81, 1999
被引用文献数
6 5

The amount of pollen particles intruded into dwellings were determined in laboratory and fields by optical microscope counting and quantitative determination of the cedar allergen. Collections were made by gravitational settlement for number counting and 8 stage-type Andersen samplers for allergen determination to obtain the concentration and the particle size distribution. 4 levels of ventilation rate were used to characterize the intrusion rate caused by the infiltration. Settlement in indoor space is small in quantity and the concentration of airborne particles, especially of small size, were higher. A comparison of the actual measurements and the theoretical prediction of the gravitational settlement which had been developed by us were made to prove valid.
著者
吉沢 晋 菅原 文子
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.391, pp.32-38, 1988-09-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1 1

In order to estimate and control the contamination by the airborne particles through the mechanism of settlement it is necessary to analyze the mechnism of falling particles in the atmosphere indoor as well as outdoor. The quantity of settled particles depend upon the concentration, exposure time and terminal velocity which are the function of aerodynamic diameter of the particle, and consequently the size distribution of the settled particles greatly differ from the original ones. In case of outdoors, the quantity of settled particles are obtained by the integral of product of partial distribution and terminal velocity of the particle using particle size distribution. The calculated values were fairly close to those experimentally obtained. In case of indoors, the authors analyzed the relation of quantity of settled particles and the airborne concentration and obtained the general equation which shows that the settled contamination is dependant on the concentration, particle size distribution which determin the terminal velocity, the ceiling height, and the air change rate which is the reciprocal of the time length of particles' stay within the room. Experiments were performed using model chamber of 30 ×30×30 cm in size with known ventilation rate. Theoretical values coincided with the results of experiment very well.
著者
阪口 雅弘 井上 栄 吉沢 晋 菅原 文子 入江 建久 安枝 浩 信太 隆夫 今井 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.439-443, 1991
被引用文献数
7

布団内のダニアレルゲンの除去方法として, 1) 真空掃除機による吸引, 2) 布団たたきと真空掃除機の組み合わせ, 3) 機械式丸洗い, の3法を比較した. 布団内ダニアレルゲン量は, 布団内15箇所から綿を取り出し, アレルゲンを水に抽出して, 主要アレルゲン (Der f I, II; Der p I, II) の絶対量を免疫化学的に測定した. また, 布団をたたいてアレルゲンを空気中に放出させ, それをエアサンプラーを用いて集め, 定量した. 真空掃除機およびそれに布団たたきを併用した場合には, 布団内アレルゲン量の減少は40%前後であった. 機械丸洗いでは業者によるアレルゲン除去率の違いがあったが, ある業者では除去率は90%以上であった. また空気中に発生するアレルゲン量も, その業者では90%以上減少した. したがって, 布団から発生するダニアレルゲンによる暴露を減らすためには,布団の機械式丸洗いは, 布団たたきや掃除機法に比較して有効な方法である. ただし, 丸洗いによるアレルゲン除去率は, 業者によって違いがあった.
著者
阪口 雅弘 井上 栄 吉沢 晋 菅原 文子 入江 建久 安枝 浩 信太 隆夫 今井 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.439-443, 1991-04-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
4

布団内のダニアレルゲンの除去方法として, 1) 真空掃除機による吸引, 2) 布団たたきと真空掃除機の組み合わせ, 3) 機械式丸洗い, の3法を比較した. 布団内ダニアレルゲン量は, 布団内15箇所から綿を取り出し, アレルゲンを水に抽出して, 主要アレルゲン (Der f I, II; Der p I, II) の絶対量を免疫化学的に測定した. また, 布団をたたいてアレルゲンを空気中に放出させ, それをエアサンプラーを用いて集め, 定量した. 真空掃除機およびそれに布団たたきを併用した場合には, 布団内アレルゲン量の減少は40%前後であった. 機械丸洗いでは業者によるアレルゲン除去率の違いがあったが, ある業者では除去率は90%以上であった. また空気中に発生するアレルゲン量も, その業者では90%以上減少した. したがって, 布団から発生するダニアレルゲンによる暴露を減らすためには,布団の機械式丸洗いは, 布団たたきや掃除機法に比較して有効な方法である. ただし, 丸洗いによるアレルゲン除去率は, 業者によって違いがあった.
著者
菅原 文子 諸岡 信久 宮沢 博
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.482, pp.35-42, 1996
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

uthors determined the mite-allergen and fungal colonies in the floor dust collected from the dwellings in Seoul, Korea and in Koriyama, Japan which were located in the same geographical latitude. Measurements in Seoul were carried out in September, 1992 and in March, 1993 and the data were compared with those of Koriyama in the same periods. The average mite-allergen in Koriyama was 22 times as much as in Seoul for Der I and 33 times for Der II in September and 10 times for Der I and 74 times for Der II in March measurements. Those difference of mite-allergen in two locations seem to have resulted from the traditional "ondoru", floor heating and from the relatively lower humidity in Korea. Further comprehensive research is advised.
著者
吉澤 晋 飯倉 洋治 松前 昭廣 菅原 文子 小峯 裕己
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.313-329, 1991 (Released:2018-05-01)

近年,喘息その他のアレルギー性疾患が社会的な問題となって来ている。その原因としては食物以外に,大気汚染,ダニ,花粉,カビ等居住環境に関連した多くのものが挙げられているが,特にカビは住宅の断熱性・気密性の向上と生活様式の変化に関連しでいるものと考えられている。この研究は,カビ・アレルギーの実態,患者の居住環境のカビ汚染の実態,評価方法,成育条件等の調査を通して,被曝量の予測,総合的対策について検討したものである。まず小児アレルギー疾患とカビについて住宅構造との関連について既知の知見をまとめた。住宅室内に成育するカビについての調査を夏季・冬季に行ない,成育する状況およびその主要なカピの属・種を求めた。さらに在来からの知見により,住宅に成育するカビの主要なもののまとめを行なった。住宅の空気経路による被曝の評価のためには,多数の住宅における測定が必要であり,患者家族に測定を依頼するためにパッシプ型の測定器の基本特性を求めた。カビ粒子に対して,12時間程度の被曝を計測する落下法が利用できることが分かった。カビの成育について,壁面の水蒸気圧と結露の影響を実際の住宅で調査を行なった。また,各種の相対湿度に対する建築材料,畳等におけるカビの成育速度,および更に温度変動を与えた時の成育速度への影響等を求めた。最後にこれらの調査に基づいて,住宅室内におけるカビ・アレルギーの防止対策の提案を行なっている。
著者
小野 俊孝 小幡 俊彦 小田島 安平 赤沢 晃 近藤 知巳 飯倉 洋治 石原 融 吉沢 晋 菅原 文子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.976-983, 1987
被引用文献数
3

最近, ポータブルの空気清浄器が普及しつつあるが一般家庭での浮遊塵除去能, 喘息児に対する臨床的効果についての検討は少ない.今回, 空気清浄器(EH351W松下電工(株))を用いて, 症状の持続する喘息児12例(中等症3例, 重症9例)を対象としてその効果を検討した.particle counter (KC-01 RION Co.Ltd)にて測定したふとん敷きによる浮遊粒子の変化では, 良好な集塵効果が認められ, 室内浮遊真菌についても明らかな低下がみられた.臨床的効果については, 喘鳴, 咳嗽, 日常生活障害及び睡眠障害の有意な(p<0.05-0.01)低下と, 発作の抑制が認められた.総合効果判定では, 有効以上6例(50%), やや有効以上9例(75%)で, 悪化例はなかった.以上より, 空気清浄器(EH351W)は, 室内浮遊塵, 浮遊真菌を除去する効果があり, 臨床的にも環境整備の有力な手段になると考えられた.
著者
菅原 文子 吉沢 晋 諸岡 信久 角野 猛
出版者
郡山女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

東北地方の中部の郡山市において,集合住宅,一戸建住宅の床麈埃の収集を行い,麈埃中のカビコロニー数,ダニアレルゲン量を測定した。測定対象建物の一年間の季節的変動,両者の比較,カビコロニー数とダニアレルゲン量との関係,温湿度とカビコロニー数,ダニアレルゲン量との関係を求めた.平成三年度の二月,九月の集合住宅のアレルゲン量の測定では,二月に比して九月は,非常に大きな値を示すが,DerI,DerIIにその特徴が著るしく,DerpIは,ばらつきが大きく,九月が必らずしも大きな値を示していない。同時に行ったカビコロニー数の測定に関しては,特に大きな特徴を示してはいない。平成四年度の一戸建住宅,平成五年度の集合住宅の測定では,年間消長は,ダニアレルゲン,カビコロニー数共に冬期に少なく,春季〜秋季特にカビでは夏季に,ダニアレルゲンでは,秋季に大きな値を示しているが,各戸必らずしも同一の傾向を示していない。ダニとカビは,その増殖の温湿度の範囲が似ていることから,平成三年,四年,五年度の測定結果を用いて両者の相関関係を求めたが,いづれの場合にも,相関関係は認められなかった。また,室内の温湿度,床面温湿度と,ダニアレルゲン量,カビコロニー数との関係も明らかな結果は,認められなかった。床仕上材とダニアレルゲン量,カビコロニー数との比較では,一戸建住宅の中では,差は認められないが,集合住宅と一戸建の比較では,一戸建の畳,集合住宅のカーペットにアレルゲン量が多く,住い方の相異によるものと思われる.韓国ソウル近郊の住宅での同一の測定では,ダニアレルゲン量は,郡山市より低く,建物の構造,暮し方の相異によると思われる.