著者
萩原 武士 永田 竣嗣 三宅 宏司 綾井 誠昌
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.56-59, 1982-05-25 (Released:2017-02-10)

指導要領の改訂に伴い高校の生徒達は,小学校理科の「音」で学んだ基礎知識だけで振動・波動現象の理解と定式化に取組まなければならない.このような問題点を軽減する目的で,下端を燐青銅薄板で封じた透明アクリル管にアルミニウム懸濁液を入れ,底部から市販の超音波洗浄器からの振動を伝えることにより定常波の観察が可能であるよう工夫した簡単な実験を行った.定常波の観察から波長を求め,この値と発振器の振動数とをもとにして音速を求めた.本実験により得られた水中での音速は約1448m・sec^<-1>であり,これまで他の方法で求められた値とよく一致することがわかった.さらに音速に影響を与える諸因子についての検討をも行った.本実験は準備が簡単であり,操作・測定も容易であるため,高校物理「振動・波動」に関する演示実験用教具として活用できるものと考えられる.
著者
北澤 俊彦 塩見 康博 田名部 淳 菅 芳樹 萩原 武司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_501-I_508, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
20

近距離無線規格であるBluetoothの普及を背景とし,諸外国ではBluetoothのMACアドレス(個体識別ID)を路側で把握することで旅行時間計測やOD計測など交通調査に活用する試みがなされている.わが国でもBluetoothを搭載した電子機器や通信機器が市場に出回るようになっていることから,受信機を設置した任意地点間の旅行時間が計測可能と考えられる.本研究では,BluetoothのMACアドレスを計測・記録して旅行時間計測を行うための調査システムについて検討するとともに,実環境で容易に利用可能な計測ツールの開発を行った.さらに,一般道路や都市高速道路を対象として旅行時間を観測したケーススタディを通じて,Bluetoothを用いた旅行時間計測に関する基礎的な分析を行い,現段階でも旅行時間調査に適用可能なシステムであることが確認できた.
著者
岡田 東一 鈴木 健太郎 柴田 俊一 萩原 武士 兼田 利勝
出版者
福井工業大学
雑誌
福井工業大学研究紀要. 第一部 (ISSN:02868571)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.159-166, 2003-03-20

The time capsule [Biological and Environmental Specimens Time Capsule] aims at the storage of biological and environmental data on contemporary earth until 1000 year future from now on. In order to make the samples kept in the capsule for ultra-long time useful in judging that of biological and environmental degradation of the earth comparing the data with 1000 year time difference, two conditions for the biological contents in the capsule are necessary they are: (1) oxygen free and (2) temperature below -60℃, which should strictly be fulfilled for 1,000 years. The ultra-long-term recorder has been developed which is energized by the stored energy of the materials. The time span [t] is regulated by the torsion creep behavior of pure copper. The pressure [P] in the capsule is to be monitored by a pen cylinder type pressure gauge, and temperature [T] by bimetal. All these three essential key values: P, T, in the capsule and time are to be recorded on the clean surface of metal plate with the scratch of the needles, which follows on each sensor. The extrapolation of the torsion creep data gives approximately 8 rotations on time scale shaft, which leads us to the 40mm transverse motion of scratch needles during 1000 year [3×10^<10>sec] lapse of time.
著者
吉井 新二 黒河 聖 今村 哲理 安保 智典 本谷 聡 前田 聡 小澤 広 萩原 武 西岡 均 後藤 田裕子 村岡 俊二 須賀 俊博
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.2978-2983, 2007-12-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
10

:56歳女性.大腸内視鏡検査にて下部直腸に径10mmの粘膜下腫瘍を認めた.超音波内視鏡検査にて,第2~3層に主座を置く低エコー性病変とその中心部に石灰化を疑うストロングエコー像を認めた.内視鏡的切除術を施行し,病理所見はcarcinoid tumor,深達度sm,lyO,v1で,腫瘍部中心に石灰化所見を認めた. 消化管カルチノイド腫瘍の石灰化例は稀で,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
萩原 武士 石田 展一 竇 暁鳴 林内 賀洋
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 3 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.p15-22, 1993-09

カリウム・コロイドを含むKI単結晶における電界発光現象の機構について知見を得るために,これまでにカリウム・コロイドの導入法の確立とその評価・同定法に関連する実験研究の成果の一部について報告を行ってきた。本研究では電界発光現象におけるカリウム・コロイド役割を明らかにする目的で付加着色法によって高濃度にF中心を導入できる条件下で,急冷法ではなく炉中冷却の方法を採用し,カリウム・コロイド,F中心およびF_2中心を含むKI単結晶を試料として実験を行った。その結果,約80Kの低温で電界発光のスペクトルを観測することにより,240nm,360nm,540nmに発光ピークが存在することが明らかになった。電界発光測定前後の試料についての光学吸収スペクトルを基礎としてカリウム・コロイドと関連する種々の色中心のエネルギー準位を考慮してこれらの三つの発光ピークについてモデルを検討した。240nmのピークについては,強電界下でカリウム・コロイド粒子から放出された電子が伝導帯に励起されて,自由電子となり試料中を動きまわりF中心と会合してF^-中心を形成する際の放射光であるとした。さらに,360nmと,540nmとの発光ピークは,それぞれカリウム・コロイド粒子から放出された正孔型中心であるV_k中心がF_2^+中心と会合する場合とV_k中心から変換されたH中心がF中心と会合する場合の放射光であるとした。
著者
萩原 武士 中山 明子 岸下 裕之 中山 大嘉俊
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.111-115, 2000-08
被引用文献数
1

児童の"能動的な学び"をみるための前段階として, 第5学年の児童を対象に, 理科の自由研究の実態について検討した。その結果, 教師の支援・援助がない状態で, 理科の自由研究をした児童は, 全体の約17%であった。さらに, 自由研究をした児童の内で, 自発的にした児童は約7割であった。この結果は, 6年生を対象にした調査結果と比べると, いずれも若干高い傾向にあった。また, 自由研究をした児童は, 自己評価も肯定傾向にあることが示された。これは, 6年生でも同様の傾向[9]がみられたが, 5年生の場合, 「がんばった」という項目が高いことが分かった。To obtain an information on the pupils' active learning attitude the responses for the inquiries concerning the pupils' free-hand assignments of the science lesson of the summer vacation in fifth grade of the elementary schools have been examined, so far. From the analysis of the inquiries almost all pupils more than 90 percents of total examinees of 170 pupils, without teachers' supports or encouragements, did not show marked interest in accomplishment of their free-hand assignments of science lessons. It has been that only six percents of total pupils have been able to accomplish volantarily their free hand assignments. Pupils' characteristics for active learning attitude were revealed that pupils had volantarily accomplished their free-hand assignments have shown affirmative responses to impose self evaluation in science lessons on themselves. It is also confirmed that this affirmative response of the fifth grade pupils is similar to the previous results obtained for the sixth grade pupils. The marked responses in the present case have been found in their attitude of "tough it out".