著者
大坪 達弥 辻 琢己 梅山 貴生 首藤 みほ 米須 香那 松本 美菜子 吉田 侑矢 坂野 理絵 友金 幹視 藤田 敦夫 河野 武幸 三上 正
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.3, pp.363-369, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2 5

Local venous pain caused by dacarbazine (DTIC) injection is due to its photodegradation product 5-diazoimidazole-4-carboxamide (Diazo-IC). The production of Diazo-IC can be decreased by protecting the drug from light. Furthermore, the production of Diazo-IC reportedly increases with time; however, there are no studies reporting the association between the injection preparation time and local venous pain caused by the DTIC injection. We evaluated the efficacy of the following: (1) method used to shorten the injection preparation time and (2) method used to change the diluting solution for DTIC. We found that shortening the injection preparation time tended to decrease the local venous pain expression due to DTIC, and Veen F decreased the production of Diazo-IC compared with the normal saline and 5% glucose solution. These results indicate that shortening the injection preparation time may be effective in preventing the local venous pain caused by the DTIC injection; moreover, using Veen F for DTIC may also reduce the pain.
著者
安達 和彦 東 洋平 藤田 敦史 甲村 英二
出版者
一般社団法人 日本コンピュータ外科学会
雑誌
日本コンピュータ外科学会誌 (ISSN:13449486)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.23-32, 2010 (Released:2015-10-30)
参考文献数
14

We have developed novel three-dimensional finite element brain model (previously reported whole model) with material property of hyper elastic feature, which successfully demonstrated the intraoperative deformation simulation. However, shortening of computation time was essential for the real-time simulation. In this study, a parametric study to evaluate the difference of constitutive models affects both deformation results and computational time of simulation. Hyper and linear elastic models performed both gravity induced brain shift after fronto-temporal craniotomy and cerebellar hemispheric retraction by spatula for the posterior fossa surgery. The gravity induced brain shift simulation using the linear elastic material model successfully achieved up to 51% reduction of computation time compared with hyper elastic one within acceptable displacement error. Cerebellar retraction simulation also showed acceptable deformation results in both models, while in pressure analysis, an obvious underestimation in liner elastic one. Our results showed the usefulness of linear elastic model in gravity induced simulation for the reduction of computation time. On the other hand, careful attention was needed in the evaluation of pressure analysis by surgical maneuver when using linear elastic model.
著者
藤田 敦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.122-132, 2005-03-31 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
4

概念受容学習事態において, 複数の具体的事例を提示して概念の説明を行うと, 学習した概念の般化が促進されるという知見がある。この促進効果を, 科学的な概念領域において検証し, 説明することが本研究の目的である。まず, 66名の大学生を被験者として, 具体的な実験事例を提示しながら気圧の力学的な性質について説明する実験授業を行った。その後, 被験者が, 提示された実験事例とどの程度類似する般化問題であれば, 学習した概念を適用可能であるかを調べた。その結果, 提示する事例数が少ない場合には, 表面的な特徴が提示事例と類似する問題に対しては学習した知識を適用できること, 提示事例数が増えることで, 表面的には異なるが構造的には類似しているというタイプの問題に対しても, 知識の適用範囲が拡がることが確認された。この結果に基づき, 概念受容学習事態において複数事例を提示する効果は, 学習者が, 提示される事例間の共通点を手がかりとして, 学習した概念の適用範囲を判断するための基準を再構成していくことによって生じるのではないかという考察を行った。
著者
伊藤 宏之 中山 治彦 藤田 敦 石和 直樹 池原 瑞樹 田中 学 山田 耕三 野村 郁男 野田 和正 亀田 陽一 密田 亜希
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.132-135, 2000
参考文献数
6

症例は34歳男性。5年前に近医で右肺野の腫瘤陰影を指摘され, mucoid impactionを伴ったcystic brochiectasisと診断された。1999年3月, 健康診断で胸部異常陰影を再度指摘され, 4月26日に当院を紹介受診した。胸部CTでは, 右B^6bを中心に経約4cmの気管支に沿って拡がる樹枝状の, 内部に一部空洞を伴った充実性腫瘤陰影を認めた。この空洞にcystic brochiectasisに特徴的所見とされるair fluid levelがないことから, 気管支鏡検査を行ったところ, B^6内腔を閉鎖する赤紅色の易出血性のポリープ状腫瘤を認め, 生検によりatypical carcinoidと診断された。6月10日, 右下葉切除およびR2a郭清を施行した。摘出標本の病理組織所見においても, B^6より出現した腫瘍が気管支を拡張しつつ, 長軸方向への気管支内発育をし, 樹枝状の形態をとっていたことが確認された。また画像上腫瘍内部に認められた空洞は, 腫瘍末梢の嚢状の拡張気管支であることが判明した。
著者
丸野 俊一 藤田 敦 藤田 豊 安永 悟 南 博文 加藤 和生
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

3ヶ年間の成果の概要をまとめる以下のようになる。1. 新たなMK式議論尺度の開発: これまでディスカション状況に積極的に参加し、創造的な問題解決行動を遂行していく上で不可欠なスキルや態度やモニタリング能力などを測定すす客観的な尺度がなかたので、新たに3つのコンポーネント(議論スキルの側面,モニタリングの側面,態度・価値の側面)から成り立つMK式議論尺度を開発した。また外部基準尺度を用いてその信頼性や妥当性を検証した結果、信頼性、妥当性は極めて高く、尺度の標準化へ向けての確信が得られた。2. 議論過程のモデル化: ディスカッション過程がどのように展開していくかについて、特にモニタリングに焦点を定め、モニタリングについて3位相モデル(pre-monitoring,monitoring in action,post-monitoring)を提案し、各位相ではどのような側面や内容が思考吟味の対象になるか、またそこで必要とされる思考特性とはどのようなものかについてのモデル構成を行った。3. モニタリング訓練効果: 自己反省的思考、前提の問い直し、常識への疑いなどを吟味することが創造的思考を育む上で不可欠であるという仮説の基に、複眼的思考を育成するようなモニタリング訓練を行い、議論スキルた議論に取り組む姿勢や態度の変容過程を検証した。4.「話し合い」活動に対する素朴認識: 大学生や小学生を対象に、「話し合い」活動に対する取り組みの姿勢や、話し合い活動の意義や価値に対する素朴認識を検討した。特に、教育現場では「話し合い活動」がどのように行われているのか、また子供たちはどのようにその意義や問題点を認識しているかについて体系的な調査研究を行い、対話型授業を効果的に展開していくための教授プログラムや教授環境設計の指針を示した。5. LTD学習法の実践: LTD学習法の手続き的知識やスクリプトを精緻化し、教育現場でその実践を繰り返し、LTD学習法が対人関係技法の開発や創造的・批判的思考の促進や他者への共感的理解の促進などに効果的であることを実証した。