著者
片岡 一則 横田 隆徳 位髙 啓史 津本 浩平 長田 健介 石井 武彦 西山 伸宏 宮田 完二郎 安楽 泰孝 松本 有 内田 智士
出版者
公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター)
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2013

脳は高度に発達した生体バリアに守られているため薬剤の送達が極めて困難な部位である。本研究では、この生体バリアを克服して核酸医薬を脳内に送達して機能させるウイルス・サイズの薬剤送達システムを、高分子材料の自己組織化(高分子ミセル化)に基づいて構築した。すなわち、(1)血管内腔側内皮に局在するグルコース輸送タンパク質を標的とするグルコース結合型高分子ミセルを創製し、血管内腔からの脳内薬物移行を制限する内皮細胞バリア(血液脳関門)を突破して核酸医薬を脳内送達する事によって、アルツハイマー病(AD)の発症に関わる酵素の産生を抑制する事に成功した。(2)生体内で速やかに酵素分解を受けるmRNAのミセル内包安定化を達成し、脳室内局所投与による単鎖抗体のその場産生を実現する事によって、AD発症に関わるタンパク質であるアミロイドβ量を有意に低下出来る事を実証した。
著者
池永 博威 石神 忍 西山 伸孝
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.465, pp.19-26, 1994
被引用文献数
6 5

In this study, We made some experiments to clarify the influence of observation distance and background on the appearance for stains on external building wall. The results may be summarized as follows: (1) For the same stains of wall surface, distant view with background and close view differ remarkably from each other in discomfort of degree, and intermediate view with background and close view also differ from each other in discomfort of degree close view according to kind of finishing materials. (2) A case of seeing at close range and a case of seeing at a distance differ from each other in discomfort of degree for stains.
著者
土居 恭平 進藤 隆彦 二見 充輝 雨宮 智宏 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.180, pp.41-46, 2012-08-16

我々は、オンチップ光インターコネクション用の光源として半導体薄膜(membrane)DFBレーザを提案してきた。半導体薄膜レーザでは、クラッド層に低屈折材料を用いた強い光閉じ込め効果により極低しきい値での動作が期待されている。これまでに、コア層厚450nm、共振器長300μmの半導体薄膜DFBレーザを試作し、しきい値電流値11mAの室温パルス発振を得た。しかし、室温連続動作には至っておらず、この原因を検討するため熱分布シミュレーションによる熱特性の解析を行った。その結果、試作した構造における熱抵抗値は1100K/Wと見積もられ、室温連続発振が困難であることが明らかとなった。そこで、将来的に極低しきい値動作が期待されるコア層厚150nmを有する半導体薄膜レーザについても同様の理論解析を行った。動作電流1mAにおいて熱抵抗値は7000K/Wと大幅に上昇するが、強い光閉じ込め効果に伴う極低しきい値動作が可能となるため、室温連続動作条件下で10Gbit/sのオンチップ光インターコネクションを行うのに十分な光出力を得られることを示した。
著者
片岡 一則 山崎 裕一 西山 伸宏 長田 健介 宮田 完二郎 岸村 顕広 石井 武彦
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究では、難治がんの標的治療の実現を目指して、細胞内低pH環境応答性と標的細胞結合能を賦与した制がん剤内包高分子ミセルを開発し、その有効性を担がんマウスを用いた動物実験により明らかにした。また、遺伝子デリバリーに基づくがんの分子治療の実現に向けて、細胞内還元的環境下で選択的に開裂する結合を介して内核が架橋安定化された高分子ミセル型ベクターを構築し、がんの血管新生阻害治療における有用性を明らかにした。
著者
内藤 秀幸 阪本 真一 大竹 守 奥村 忠嗣 丸山 武男 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.19-22, 2007-06-22

半導体薄膜導波路構造を用いるDFBレーザは、量子効果による利得増強効果と併せて従来にない極低電力動作、BCB等の屈折率の温度依存性が負となる材料をクラッド層とすることによる発振波長の温度無依存化が期待できる。これまでの作製法で大面積化・再現性が問題となっていた貼り付け法ではなく、薄膜導波路構造下に予め成長した犠牲層の横方向選択エッチングによるエアブリッジ構造を用いて半導体薄膜BH-DFBレーザを試作した結果、光励起下で10℃〜80℃までの連続発振を実現した。最低しきい値励起光強度は20℃で4.3mW、また、レーザの発振波長の励起パワー依存性より見積もった熱抵抗値は11K/mWであった。