著者
清水 正嗣 水城 春美 福山 義邦 松本 有史 河村 哲夫 柳沢 繁孝
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.1380-1384, 1991-07-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
10

A case with fresh gunshot wound penetrating from the left lateral neck to the mouth angle, which was caused by pistol shooting during a conflict between gangs, was reported and discussed by us.The patient, a 41-year-old male, was shot probably with a 38-caliber revolver from behind. Its entrance was on the left rear of the neck, and the exit hole at the left mouth angle. The route through the body: the bullet passed inside of the mandible, where it caused a crashing fracture of the body in the molar region while breaking the lower prosthesis. But, he was very lucky that the important blood vessels and nerve bundles were not injured, although the route was very close to them. He was transported to our Dept. that same day and operated on under general anesthesia for removing foreign bodies, uniting and fixing the jaw fracture, and also for reconstructing the mouth angle, while we sanitized the wound and sutured the soft tissues at each place. At last, a tracheotomy was performed, to prevent suffocation from postoperative swelling. The progress after the operation was good, and he was discharged three weeks later. After 3 years he is now healthy and in prison.
著者
松本 有二
出版者
静岡産業大学
雑誌
静岡産業大学情報学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.8, pp.13-35, 2006-03-01

計画策定と予算編成機能を統合化したシステムとしてPPBSが知られている。このシステムは、公共部門では新しい予算編成システムとして、また、民間部門では、マネッジドコストの管理技法として期待されていた。実際、アメリカ連邦政府がこのシステムを採用した実績もある。しかしアメリカ連邦政府は、わずか3年でこのシステムを放棄し、民間部門でもPPBSは利用できないとの評価が定着しているとされている。このPPBSの「失敗原因」については、既に各種の研究がなされており、いくつかの失敗原因が、指摘されているところである。しかしながら、管理会計の観点からの指摘はあまり無い状況にある。本稿は、従来指摘されていなかった管理会計の観点からの失敗原因の有無について考察したものである。方法としては、PPBSの中で用いられているプログラム概念に着目し、近年公表されたPBudgetingという予算管理システムにおけるプログラム概念と比較する方法を用いた。結論として、管理会計の観点からも失敗の原因があると考えられ、また、PPBSが公表された1960年代と現在とで組織に求められているものの違いがあることがわかった。最後に今後の課題を述べ、結びとした。
著者
坂口 裕亮 田中 宏 北村 雅彦 松本 有紀 中垣 佳浩 松倉 将史 川辺 朋美 中山 正成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.e193-e196, 2023 (Released:2023-08-05)
参考文献数
9

CT検査により脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認めた椎間板ヘルニアのミニチュアダックスフンド2症例に遭遇した.2症例ともに脊髄造影検査を実施したところ,神経徴候が悪化した.片側椎弓切除術にて,椎間板物質の摘出を試みたが,周囲組織と癒着しており摘出は困難であった.このことから,CT検査で認められた石灰化した椎間板物質は,脊柱管内で時間経過を経たものと考えられ,脊柱管内を大きく占拠する椎間板物質に長い経過で圧迫されている脊髄に対し,造影剤を注入することで脊髄障害を悪化させた可能性が考えられた.以上より,CT検査によって脊柱管内を大きく占拠する石灰化した椎間板物質を認める症例に対し,脊髄造影検査を実施する際には悪化の可能性を考慮する必要があり,また,手術法やその適応など十分検討が必要であると考えられる.
著者
片岡 一則 横田 隆徳 位髙 啓史 津本 浩平 長田 健介 石井 武彦 西山 伸宏 宮田 完二郎 安楽 泰孝 松本 有 内田 智士
出版者
公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター)
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2013

脳は高度に発達した生体バリアに守られているため薬剤の送達が極めて困難な部位である。本研究では、この生体バリアを克服して核酸医薬を脳内に送達して機能させるウイルス・サイズの薬剤送達システムを、高分子材料の自己組織化(高分子ミセル化)に基づいて構築した。すなわち、(1)血管内腔側内皮に局在するグルコース輸送タンパク質を標的とするグルコース結合型高分子ミセルを創製し、血管内腔からの脳内薬物移行を制限する内皮細胞バリア(血液脳関門)を突破して核酸医薬を脳内送達する事によって、アルツハイマー病(AD)の発症に関わる酵素の産生を抑制する事に成功した。(2)生体内で速やかに酵素分解を受けるmRNAのミセル内包安定化を達成し、脳室内局所投与による単鎖抗体のその場産生を実現する事によって、AD発症に関わるタンパク質であるアミロイドβ量を有意に低下出来る事を実証した。
著者
馬淵 誠士 志村 宏太郎 松本 有里 梅本 雅彦 北田 文則 木村 正 藤江 建朗 中村 英夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.281-288, 2021-03-10

▶要約 目的 : 子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術が術者に与えるストレス・疲労を,術式別(ロボット支援下・腹腔鏡・開腹)に比較した. 方法 : 広汎子宮全摘出術の術中に,執刀医の心電図・筋電図を無線測定機器で持続モニタリングした. 結果 : ロボット支援下手術では,開腹手術や腹腔鏡手術に比して,脊柱起立筋の筋活動量が有意に軽微であった.ロボット支援下手術では心拍数が終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では心拍数は手術の進行とともに漸増し,ロボット支援下手術と比較して有意に高値となった.Tone-Entropy法による評価でも,ロボット支援下手術ではEntropyが終始一定であったのに対し,開腹手術と腹腔鏡手術では手術の進行とともにEntropyが低下し,ロボット支援下手術のストレスが少ないことを示す結果であった. 結論 : ロボット支援下広汎子宮全摘術は,開腹手術や腹腔鏡手術に比して執刀医へのストレス・疲労が少ない術式である可能性が示された.
著者
松本 有記雄 伯耆 匠二 中坪 あゆみ 西洞 孝広 野呂 忠勝 貴志 太樹 高見 秀輝 河村 知彦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.233-240, 2018 (Released:2018-03-20)
参考文献数
14

アワビ類の好適な初期餌料である針型珪藻Cylindrotheca closteriumが,水温20℃,照度1500-2000 Lxで良好に増殖することを明らかにした。加えて,針型珪藻を事業規模での飼育に用いるために,大量培養法と採苗板への付着方法を検討した。本種は付着力が弱く,攪拌培養すれば大量の珪藻細胞を懸濁液として得られる。この懸濁液を採苗板を収容した水槽に添加して,懸濁液中の珪藻の一部を採苗板に付着させた後,付着した一部の珪藻細胞を増殖させることで,板上で本種を優占させることができた。
著者
松原 絵里子 小杉 裕一郎 加納 公子 松本 有右 下平 秀夫 内田 寛 湯浅 宏 金谷 芳雄
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.129-135, 1993-03-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
16

Accuracy of dividing weight of 11 drugs (5 powders, 3 fine glanules and 3 glanules) were tested on a automatic pre-packing machine, TOSHO BL-4W. The mean coefficient of variation (C. V.) was 3.9% for 30 subpacks of 1g in theoretical weight and sufficient accuracy of dividing weight was obtained. However, fine lactose, corn starch, and precipitated calcium carbonate showed relatively large C. V. values. The mean C. V. of 3 drugs (Gastropylore, heavy magnesium oxide and Marzulene S) were 3.0 and 5.5% obtained on 0.3 and 0.6g in theoretical weight, respectively, and these mean C.V. were regarded as sufficient. However, on 0.3g in theoretical weight, Gastropylore gave relatively large C. V., 8.5%. Gastropylore also gave relatively large C. V. on total weight of 30 subpacks. Angles of fall were highly correlated to C. V. values. It is suggested that angles of fall are especially useful for predict accuracy of dividing weight on a pre-packing machine.
著者
大西 正俊 大月 佳代子 松本 有史 若尾 徳男 笠井 隆司
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.62-77, 1993

下顎骨関節突起骨折の治療法としては, 従来より, 保存療法あるいは, 皮膚切開による観血的整復術が行われている。その治療法の選択は, 骨折様式, 年齢などの条件により決定されるが, 顎関節周囲の解剖学的, 機能的な複雑さ, そして観血整復時の皮膚切開とその瘢痕の残存, 耳下腺, 顔面神経損傷の危険性などのわずらわしさから, 従来より保存療法が選択されることが多い。しかし骨折治療の原則は解剖学的位置への骨片の整復と固定であり, 必要な症例については外科療法を行うべきであるとの立場から, 我々はよりよい方法として, 口内法によるアプローチでの下顎骨関節突起骨折の観血的整復術を検討してきた。<br>術式は口腔内, 下顎枝前縁部の粘膜切開から, 下顎枝内側面を関節突起部まで剥離し, 明視下で骨折部を整復するものである。同部の固定はチタン製ミニプレートでの固定かあるいは我々の考案したメタルバンドにより関節突起から筋突起までをはちまき状に包み込んで行った。考案したメタルバンドは純チタン製で, 巾6-8mm, 厚さ0.3mmの板状であり厚紙様の容易な操作が得られた。本法の利点として皮膚切開が不要な葦め, 皮膚瘢痕が残らない, 関節突起基部への下方向からのアプローチによる処置であり関節構造への侵襲が少ない, そして耳下腺, 顔面神経損傷の危険性が少ないなどである。
著者
松本 有史 金子 仁彦 高橋 利幸 中島 一郎 久永 欣哉 永野 功
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.729-732, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

症例は発症時65歳の男性.右肩・上腕の感覚障害が一過性に出現し,MRIにて頸髄C2/3右背側に1椎体程度の小病変を認めた.約1年3か月後に右頬・後頸部・後頭部に電撃痛が出現し,MRIにて頸髄C1右背側に後索と三叉神経脊髄路核に及ぶ卵円形の病変を認めた.視神経や中枢神経の他の部位には病変を認めなかった.血清の抗aquaporin 4抗体が陰性,抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体が陽性であった.ステロイドの投与で症状は改善した.視神経脊髄炎spectrum disordersの診断基準は満たさず,抗MOG抗体陽性の再発性脊髄炎として貴重な症例と考えた.
著者
渡邉 志 塚本 博之 松本 有二 中川 雅文 白濱 成希 宮本 和典 中谷 直史 冨田 雅史 森 幸男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.75-84, 2014-04-25

8名の被験者(20代男性)について1/fゆらぎを持つとみなせる楽曲(以下,1/fゆらぎ楽曲)および環境音(白神山地のせせらぎ音)を聴取させたときの加速度脈波解析を行った.加速度脈波の測定は1/fゆらぎ楽曲および環境音の聴取前・聴取中・聴取後の合計300s間行い,その後Visual Analog Scale(VAS)による主観評価測定を行った.加速度脈波解析の結果,交感神経活動の指標値であるLF/HFについては,1/fゆらぎ楽曲の聴取時に有意に減少する傾向が見られた.一方,環境音聴取時には増加する傾向が見られた.また,これらの音源の印象についてのVASによる主観評価値から被験者を分類し考察することを試みた.
著者
渡邉 志 松本 有二 塚本 博之
出版者
静岡産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

自律神経活動推定および主観評価測定を組み合わせることにより、学校における健康相談活動を支援するシステム構築に必要となる基礎的事項の開発を試みた。そのため、自律神経活動推定については脈波を測定した結果を解析することにより実施し、もう一方の主観評価については、Visulal Analog Scaleを応用した質問紙および我々が開発したiPadアプリにより測定した。その結果、学生生徒の微妙な感情をこれら二つの指標の複合体として表現できる示唆が得られた。
著者
松本 有一
出版者
関西学院大学
雑誌
經濟學論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.35-46, 2008-04

Professor Ono maintained that the Keynesian multiplier effect of public works had a serious fallacy (Ono 2006, 2007). In this note I will point out that Ono's criticism is based on his misunderstanding of Keynes' theory of multiplier and that the latter holds good for any period of time as long as the propensity to consume is suitably defined.