著者
川村 英輔 田邊 眞 高田 陽 室田 佳昭 白石 昭彦 高柳 典弘 鶴橋 亨 鈴木 一好 西村 修
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.117-127, 2012-09-28
被引用文献数
1

反応槽下部からの曝気によりpHを調整し,反応槽内に浸積させたステンレス製の付着部材表面にMAPを成長させて結晶状のリンを回収した。使用した付着部材は,直径と高さが異なる4種類のステンレス製の網カゴを4重にしたものを用いた。ふん尿分離豚舎汚水及びふん尿分離豚舎汚水を脱水機にて脱水処理した脱水ろ液を供試した。豚舎汚水を用いた場合,リン結晶化率は,平均で66%を示し,結晶化リン量あたり回収リン量(リン回収効率)は,平均で8.2%となった。一方,脱水ろ液を用いた場合,リン結晶化率は,平均で83%を示し,リン回収効率は,平均で26.7%となった。また,両汚水の付着部材へのリン負荷量を2.0kg/m2とした場合,豚舎汚水は0.7~0.9kg/m2,脱水ろ液は3.0kg/m2のMAPが回収可能であった。これは,付着部材表面積を拡大したことと豚舎汚水を脱水処理することでSSが低減し,pHの上昇度合いが高まり,リン結晶化率が改善し付着部材表面での結晶成長が促進されたことによるものと考えられた。
著者
佐々木 久雄 西村 修 須藤 隆一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.581-586, 1999-07
被引用文献数
2

People usually evaluate the amenity of water environment by transparence to look at water. Water transparence is measured by transparency or transparency by cylinder test. However, these methods have some defects such as difficulties in measuring at shallow and clean waters, because transparency is limited by water depth and transparency by cylinder test is limited by length of a cylinder. Moreover, the lack of objectivity is pointed out, since transparency measuring is due to personal sensitivity. To conquer these problems, we designed a measuring method of horizontal transparency, and developed a measuring equipment by using an eye-test chart and a waterproof camera. We applied this method to water quality investigation of Matsushima Bay, Miyagi prefecture, and studied the characteristics of horizontal transparency comparing with transparency, transparency by cylinder test and so on. The results obtained were as follows; (1)Horizontal transparevcy has superior objectivity, because evaluation by plural number of people diminish personal errors. (2)Horizontal transparency is possible to express water transparence quantitatively without any limits, though conventional methods cannot apply to relatively clear and shallow waters. (3)Horizontal transparency has a very good correlation between not only transparency but also turbidity and suspended solids that are mainly affect to transparency. (4)The sense of visitors and fishermen about the water quality of Matsuhima Bay can be represented by horizontal transparency.
著者
坂本 隆行 早田 保義 河塚 寛 坂本 宏司 西村 修 増田 秀樹 筬島 豊
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.388-390, 2002-05-15
被引用文献数
1 6

含硫化合物の検出に適した炎光光度検出器(FPD)装着のSniffing-GCを用いたGC-におい嗅ぎ法により, メロンの香気成分中における含硫化合物並びにその匂い特性を調査した.メロン'ミヤビ'の香気成分中から9個の含硫化合物を検出し, 5個を同定した.3-(methylthio)propyl acetateの相対含量が19.47と最も多く, 次いでethyl (methylthio)acetate, ethyl 3-(methylthio)propionateおよび2-(methylthio)ethyl acetateだった.3-methylthio-1-propanolは同定された化合物の中で0.27と最も低い値であった.その他の未同定の含硫化合物は上記5成分に比べ極めて低い値であった.Sniffing-GCで3-(methylthio)propyl acetateおよびethyl (methylthio)acetateはそれぞれ甘みの入った青臭みおよびキュウリ様の青臭みを有し, その匂いは強かった.2-(methylthio)ethyl acetateは高濃度で検出されたが, GC-におい嗅ぎ法では感知されなかった.ethyl 3-(methylthio)propionateはフルーティーな青臭みを有したが, その匂いは弱かった.3-methylthio-1-propanolおよび他の4成分の匂いは感知されなかった.以上から, ミヤビの香気形成に, 3-(methylthio)propyl acetateおよびethyl(methythio)acetateが青臭みを与える成分として重要であることが明らかとなった.
著者
中野 和典 西村 修 野村 宗弘
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

水圏生態系への影響が懸念される道路・市街地・農地等からの表面流出水のパッシブトリートメントに有効なろ材としてハイドロタルサイトを見出した。次いで水環境での残留性が懸念されるペルフルオロオクタンスルホン酸の吸着特性を明らかにした。さら滋賀県草津市のファーストフラッシュ浄化施設の人工湿地ユニットを利用した実証実験により、本研究で提案するパッシブトリートメントの有効性を確認することができた。
著者
西村 修 水落 元之 稲森 悠平 山田 一裕 坂巻 隆史 徐 開欽 大村 達夫 金 主鉉 須藤 隆一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では干潟のもつ自然浄化機能として、干潟の陸側後縁を形成するヨシ原による栄養塩類の取り込み,干潟における栄養塩循環・脱窒、さらに藻場による栄養塩類の取り込みに着目し、それらの機能の評価・解析、機能を発揮させるための生態工学的手法開発を行った。本研究で得られた主な成果を以下にまとめる。1)ヨシ湿地に関する研究・下水処理水を高度処理するヨシ湿地の高機能化として充填担体の空隙率が栄養塩の除去能力に及ぼす影響を解析し、窒素除去には根圏微生物の硝化・脱窒作用が重要であり、適切な空隙率と水面積負荷で硝化・脱窒の同時反応が起こること、リンの除去は担体への吸着によるものがほとんどであり、空隙率の低いほうが適していることが明らかになった。2)干潟に関する研究・東京都内湾の護岸に生息する付着動物の浄化機能を評価し、護岸距離192kmで1日19tのCODを浄化していること、この値は東京都から流入するCOD量の23%に相当することが明らかになった。・葛西人工海浜の環境修復状況と、東西両なぎさの生態系の違いの要因について解析し、構造的な問題から降雨時に河川水の流入・停滞が発生して底生動物に大きな影響を及ぼすこと、そのための底生動物の種類数は造成前のそれに回復しているが安定していないことが明らかになった。3)藻場に関する研究・大型褐藻類アカモク(Sargassum horneri)の栄養塩吸収機能を解析し、温度、照度、栄養塩濃度、生育ステージと栄養塩吸収速度の関係を定式化した。そして,松島湾の栄養塩循環に及ぼすアカモクの栄養塩吸収機能の影響を評価し、5月におけるアカモク藻場は流入負荷の約7割を吸収し、水質改善に大きく寄与していることがわかった。
著者
北村 征生 西村 修一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.53-58, 1980-04-30

暖地型マメ科7草種について,5段階の昼夜恒温条件(15,20,25,30,および35℃)の下で,乾物重,窒素固定能(アセチレン還元量)および根粒形成状態を比較し,それぞれの草種について,生育および窒素固定の適温域を探った。供試草種は,Styrosanthes humilis cv. Townsville(タウンズビルスタイロ),Trifolium semipilosum cv. Safari(サファリクローバ),Desmodium intortum cv. Greenleaf(グリーンリーフデズモデイウム),Marcroptilium atr opur pur eum cv. Siratro(サイラトロ),Lotononis bainesii cv. Miles(マイルズロトノニス),Clycine wightii cv. Cooper(クーパーグライシニ)およびLeucaena leucocephala(ギンネム)の7種である。結果:1)乾物収量について,暖地型マメ科草は20および30℃で最大値を示す2群に大別された。前者にはマイルズロトノニス,サファリクローバ,およびクーパーグライシニ,後者にはギンネム,サイラトロ,タウンズビルスタイロ,およびグリーンリーフデズモデイウムが属した。2)窒素固定能力に関しては,30,25,および20℃で最大値を示す3群に大別できた。30℃にはタウンズビルスタイロ,25℃にはグリーンリーフデズモデイウムとサイラトロ,20℃には残り4草種が属し,その適温域は乾物生産の場合よりも低く,狭かった。3)根粒の形成におよぼす温度の影響は,乾物の場合とほぼ同じ傾向を示したが,根粒の活力については,サファリクローバとマイルズロトノニスが20℃,残りの5草種が25℃で最大値を示す2群に大別できた。以上の結果を総合的に考察して,乾物生産と窒素固定の適温域の総合としての生育適温域について,暖地型マメ科草は高温および低温の2つの温域を生育適温域とする2群に大別することができるが,窒素固定よりも乾物生産の適温域の影響が大きいと結論された。