著者
西村 敏英 江草 愛
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.167-176, 2012-08
参考文献数
17
被引用文献数
2

「こく」は、昔からラーメン、カレー、シチュー、味噌などの食べ物に使われており、おいしい食べ物を表現する言葉としてよく使われている。最近では、キムチ、ヨーグルト、紅茶、ビール、調味料などの商品名にも「こく」という言葉が使われるようになってきた。しかし、「こく」に対する明確な定義はされていない。本稿では、「こく」の定義を提案すると同時に、「こく」付与物質の特性から、「こく」付与物質を分類することを試みた。また、最近、我々は、タマネギ由来の物質に「こく」を付与する効果を見出したので、この物質の特性並びにその「こく」付与効果を紹介する。
著者
田口 昌男 熊谷 日登美 西村 敏英
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.654-658, 2009-09-01

ハウス食品は,日本人にとって最も嗜好性の高い食べものの一つであるカレーの原料「カレールウ」で断トツのシェアを誇る食品のトップメーカーである.カレーのおいしさや健康に関する基礎・応用研究を行ない,バーモントカレー,プライムカレーなどのヒット商品を多数出している.最近では,「ウコンの力」が大ヒットし,香辛料や香辛野菜の健康素材研究にも力を入れている.このように多くのヒット商品を出しているハウス食品には,独自の研究姿勢や人材育成があった.ソマテックセンター所長の田口昌男氏に,ハウス食品の「研究に対する姿勢」や「多彩な人材育成プログラム」などをじっくり語っていただきました.
著者
西村 敏英
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 = The Japanese journal of taste and smell research (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.185-192, 1997-08-01
参考文献数
42

食肉は熟成により軟らかくなると同時に風味が向上する。風味要素のうち、呈味向上には遊離アミノ酸とペプチドの増加が寄与している。特に、遊離アミノ酸の増加はうまみを含む肉様の味の増強に、またペプチドの増加はまろやかさの向上に関与していると考えられる。食肉熟成中のペプチドの増加には、筋肉内エンドペプチダーゼ(カルパインおよびカテプシンBとL)が、遊離アミノ酸の増加には、中性に至適pHを有するアミノペプチダーゼC、HおよびPが貢献していると考えられる。
著者
石井 克枝 土田 美登世 西村 敏英 沖谷 明紘 中川 敦子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.229-234, 1995
参考文献数
25
被引用文献数
7

本研究は牛肉の低温加熱による呈味物質と呈味性の変化についてみたものである.牛肉を薄切りにし,真空パックしたものを40,60,80℃で,10分,1,3,6時間加熱した.遊離アミノ酸は40℃,6時間加熱したときにもっとも多く生成し,酸可溶性ペプチドは60℃,6時間加熱したときにもっとも多く生成した.60℃,6時間加熱した牛肉エキスと,60℃,10分加熱した牛肉エキスの呈味を官能検査により比較すると,60℃,6時間加熱した牛肉エキスの方がまろやかだった.二つの牛肉エキス中の遊離アミノ酸,5'-IMPはほとんど同量であったので,まろやかさは加熱によって増加したペプチドによるものではないかと考えられた.
著者
飯田 文子 堀江 かほり 西村 敏英
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.3-12, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

本研究は,ホルスタイン種牛肉のロースを異なる加熱方法,すなわち焼成と蒸し焼き,煮熟,真空低温,マイクロ波の各方法で,内部中心温度60度に達するまで加熱した後,ロース芯を用いて官能評価と機器測定により食感および味の違いを検討した.ロース芯の加熱損失は,焼成,蒸し焼き加熱で最も小さく,マイクロ波で最も大きかった.調理後の肉の水分含量は真空低温加熱で最も多く,マイクロ波で最も少なかった.調理後の脂質含量は,真空低温で加熱した肉で低い値を示した.破断測定における破断エネルギーはマイクロ波加熱で高値であった.調理後の総アミノ酸含量は真空低温加熱で調理された肉において,最も高い値を示した.官能評価では,焼成および蒸し焼き加熱の肉で多汁性が高く,香りが良く,うま味も強いと評価された.真空低温加熱の肉はやわらかく,うま味が強いが,香りが良くないと評価された.マイクロ波加熱はどの項目においても低い評価値を示した. 以上の結果から,異なる加熱方法によるホルスタイン種牛のロース芯の官能評価特性の差異は,加熱損失,水分含量,うま味成分含量並びに破断エネルギーの差によってもたらされることが明らかとなった.
著者
西村 敏英
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.161-168, 2001
被引用文献数
9 3

肉のおいしさを決定する重要な要因は、肉自身のもつ食感、香り、味である。肉は、適度な硬さ、なめらかな舌ざわりと豊かな多汁性をもつとおいしいと感じる。また、種に特有な肉らしい香りがして、かつうま味が強く、こくやまろやかさを有する肉はおいしいと感じる。これらの肉質の多くは、肉を低温で貯蔵する熟成過程において得られるものである。