著者
赤松 友成
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.134-137, 2007 (Released:2008-08-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

イルカは哺乳類としての制約条件のもと,超音波の送受信で周辺を認知できるソナー能力を進化させてきた.イルカの有するソナーは高い空間分解能と高度な対象判別能力を持っている.これまでの魚群探知機がモノクロテレビであったとしたら,イルカ型ソナーはハイビジョンテレビと言えるだろう.イルカのような広帯域ソナーを漁業資源探査に応用すべく,私たちの研究チームではイルカソナーシミュレータを構築し,実証機開発に向けた準備が進んでいる.
著者
赤松 友成
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.147-150, 1998-07-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
8

Dolphins have bio-sonar ability called echoiocation. Clicks, echolocation signals, provide various biological information, such as, species, target range and acoustical survey effort of dolphins. Acoustical measurement is anewly developed method to observe underwater behavior of vocalizing animals.
著者
赤松 友成 今泉 智人 西森 靖 王 勇 小河 慎二 伊藤 雅紀 松尾 行雄
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.203-207, 2018-02

生物系特定産業技術研究支援センターの援助を受けてすすめられた「イルカ型対象判別ソナーの開発」(2007-2011)では,広帯域型と従来の狭帯域型の差は一目瞭然であり,カタクチイワシの密な魚群中でもエコグラムが一尾ずつ分離してみえた。このような高精細魚群探知機は研究用途だけでなく,すでに商用として普及し始めている。2016年の夏,古野電気(株)が広帯域スプリットビームシステム(FCV-2100)を発売した。また本稿では触れないが,広帯域散乱では反射強度いわゆるターゲットストレングス(TS)の周波数応答を計測することができる。すなわち,対象の大きさだけでなく,形やインピーダンス差を反映した応答スペクトルが得られると示唆される。これを魚種判別に用いる試みがなされており,懸垂状態の水槽実験ではよい成果を挙げているが,野外への応用にはまだいくつかハードルが存在する。広帯域技術は,研究段階から応用段階に入り,その精細なイメージと反射スペクトルの特性から,いかにして役立つ情報を取り出すかが今後の焦点である。本稿ではとくに養殖業への展開を踏まえて,現段階で利用可能な広帯域技術の応用について述べる。
著者
赤松 友成
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.134-137, 2007-08-01
参考文献数
12

イルカは哺乳類としての制約条件のもと,超音波の送受信で周辺を認知できるソナー能力を進化させてきた.イルカの有するソナーは高い空間分解能と高度な対象判別能力を持っている.これまでの魚群探知機がモノクロテレビであったとしたら,イルカ型ソナーはハイビジョンテレビと言えるだろう.イルカのような広帯域ソナーを漁業資源探査に応用すべく,私たちの研究チームではイルカソナーシミュレータを構築し,実証機開発に向けた準備が進んでいる.
著者
堤 千華 市川 光太郎 赤松 友成 荒井 修亮 新家 富雄 原 武史 カンジャナ アドゥンヤヌコソン
出版者
海洋理工学会
雑誌
Journal of Advanced Marine Science and Technology Society = 海洋理工学会誌 (ISSN:13412752)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.77-80, 2005-10-30
参考文献数
6

Dugongs {Dugong dugon) are herbivorous marine mammals and endangered species. Unfortunately, the lack of basic research especially on use of seagrass patches by dugongs prevents us from taking any effective countermeasures for the conservation.In this study, to monitor feeding behavior of dugongs in the seagrass bed of a tidal flat, we propose a visual-acoustic combined observation method which is comprised of the visual observation and the acoustic observation using a digital camera and automatic underwater sound monitoring systems for dugong (AUSOMS-D). This new observation method was tested in Thai waters. The increase in the number of dugong feeding trails was observed during nighttime by the visual observation. Dugong calls and feeding sounds were recorded by the acoustic observation. The increase of the dugong feeding trails coincided with the feeding sounds. Therefore, the visual-acoustic combined observation method is effective in monitoring feeding behavior of dugongs. This method has technical benefits not to impact both on the dugongs and the seagrass beds.
著者
赤松 友成
出版者
一般社団法人日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.147-150, 1998-07
参考文献数
8

Dolphins have bio-sonar ability called echoiocation. Clicks, echolocation signals, provide various biological information, such as, species, target range and acoustical survey effort of dolphins. Acoustical measurement is anewly developed method to observe underwater behavior of vocalizing animals.
著者
赤松 友成
出版者
独立行政法人水産総合研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

超音波聴覚を有する魚類が近年発見され,水産資源探査用の超音波が,魚群を威嚇し,資源量の過小推定を引き起こす可能性が指摘されていた。そこで,我が国沿岸に生息する水産有用魚種の超音波聴覚を音刺激に対する魚類頭頂部への誘発電位(聴性脳幹反応)を利用して計測し,音響資源計測における魚類行動への潜在的な影響を調べた。超音波領域における聴覚の確認実験を行うため,低周波音の再生に適した現有の聴性脳幹反応計測システムに,超音波対応の小型のトランスデューサーを加え,水中で超音波の再生ができるよう改造した。また,大型魚での実験を容易にするため,電極を魚類頭部に接着し絶縁して,水中においても聴性脳幹反応の記録ができる技術を開発した。さらに,超音波領域まで良好な増幅特性を有するパワーアンプと,超音波再生用のトランスデューサーを組み合わせて,超音波暴露実験が可能なシステムを構築した。このシステムを用いて,マイワシ,カタクチイワシ,イカナゴ,マコガレイで超音波聴覚を計測した。いずれの種類も,低周波音に感度があったが,超音波は感受しなかった。このため,超音波聴覚はニシン科魚類のなかでも限定的な種に存在する可能性が示唆された。なお,マコガレイを除く上記の魚種においては,これまで聴覚感度そのものが未計測であったため,新しい知見を得た。すなわち,マイワシは海産魚のなかでは比較的高い1kHzで感度が良く,音波を鰾で感受していた。イカナゴは,数百Hzの低周波領域を聴くことができるが,聴覚感度は低いことが明らかになった。この研究の副産物として,水中における聴性脳幹反応の計測手法が確立された。この手法を応用すれば,稚魚から大型魚までの様々な魚の聴覚感度を,船上の水槽や生け簀などの現場環境で計測できると期待される。
著者
佐藤 克文 島谷 健一郎 依田 憲 渡辺 伸一 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

加速度時系列データから簡便にスペクトログラムを作成し、k-means法による自動判別を行い,いくつかの行動にカテゴライズするソフトウェアーEthographerを作成した。本ソフトを用いることで、複数種類の対象動物から得られた加速度時系列データを簡単に解析する事が可能となり、対象動物毎の生理・生態学上の発見に加えて,種間比較による研究成果が得られた。