著者
吉田 秀 遠藤 平仁 西 正大 飯塚 進子 木村 美保 田中 住明 石川 章 近藤 啓文
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.225-231, 2006-09-30 (Released:2016-12-30)
参考文献数
16

Tattoo sarcoidosis is a rare clinical entity that shows a sarcoidosis like granuloma developing from tattoo skin and clinical symptoms of systemic sarcoidosis after long term courses of tattoos. Hypersensitivity reaction for metal included in a pigment of tattoo pigment may assume to be the cause of tattoo sarcoidosis. A man aged 20s developed symptoms similar to those of systemic sarcoidosis after receiving a multicolored tattoo covering the skin of his entire body. He put a tattoo (red, green, black, gray, yellow and gray) over his entire body 10 years ago. There were severely painful subcutaneous masses about 1 cm in size on a brown and green tattoo on back and lower extremities. A biopsy of the part of the nodule showed a foreign body granuloma containing multinuclear giant cells. Photophobia and decreased visual acuity developed afterwards, and he was diagnosed with bilateral iritis. In addition, hilar lymphadenopathy was founded in a chest X-ray and CT, persistent fever also showed. We diagnosed it as sarcoid reaction by the tattoo because of skin epithelioid granuloma, iritis, and bilateral hilar lympadenopathy in CT. After hospitalization, his eyes were injected with dexamethazone and he took oral prednisolone 40 mg/day for iritis. Severe iritis was not improved by administration of only steroids and improved in combinating azathioprine. We report this as the interesting case that showed a sarcoidosis like reaction to the pigment of a tattoo.
著者
鈴木 貴博 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.184-191, 1989-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

膠原病としてRA 82例, PM-DM 35例, PSS 31例の合計148例,およびウイルスなどの感染症36例を対象とし,抗中間径フィラメント抗体として抗ビメンチン抗体と抗サイトケラチン抗体の各々を, western blotting法で測定することを試みた.前者の検出率は, RAでは24例29%, PM-DMでは19例54%, PSSでは12例39%,後者の検出率は, RAでは25例30%, PM-DMでは16例46%, PSSでは14例45%で,間接螢光抗体法による検出率と比較し高かった. 36例の感染症ではそれぞれ21例58%, 8例22%に検出された.免疫グロブリンクラスは両疾患ともIgG優位であった.本抗体陽性膠原病の臨床像を検討したところ,抗ビメンチン抗体単独陽性RAおよびPSSでは,肺線維症がそれぞれ50%, 83%と有意に高率に認められた.本抗体が膠原病およびウイルス,マイコプラズマ感染症の両者で検出され,正常人で認められなかったことは,膠原病と感染症との間に何らかの関連が存在するものと考えられた.
著者
吉田 秀 遠藤 平仁 田中 淳一 飯塚 進子 木村 美保 橋本 篤 田中 住明 石川 章 廣畑 俊成 近藤 啓文
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.302-309, 2008-12-30 (Released:2016-11-30)
参考文献数
26

A woman of 50 years of age who had a 13-year history of hypothyroidism was diagnosed with systemic lupus erythematosus (SLE) with butterfly rash, leukopenia, positivity of antinuclear antibody, anti-DNA antibody and anti-Sm antibody. Two years later, she developed nephritis (WHO type IV) and remitted with corticosteroid pulse and intermittent intravenous cyclophosphamide pulse therapy (IVCY). Four years after the onset of SLE, she relapsed with proteinuria and leukopenia when she was taking 9 mg/day of prednisolone (PSL) but she stopped all the medication of her own accord. Four months passed without any therapy, she was admitted to our hospital with disturbance of consciousness and anasarca. Laboratory findings showed pancytopenia (WBC 1300/μl, RBC 233×10⁴/μl, Hb6.9g/dl, Plt3.6×10⁴/μl), aggravation of lupus nephritis and hypothyroidism. Chest X-ray and ultrasonography demonstrated pleural and pericardial effusion and the absence of hepatosplenomegaly. She was also diagnosed with myelofibrosis upon bone marrow inspection. Three instances of corticosteroid pulse therapy, oral corticosteroid (PSL was tapered from 50 mg/day) and supplement therapy of levothyroxine improved every symptom and pancytopenia. The second bone marrow biopsy showed reduced fibrosis and recovery of bone marrow cells. These findings implied the secondary myelofibrosis caused by SLE because the myelofibrosis came along with aggravation of SLE and corticosteroid therapy was effective. This is a rare case of SLE in which myelofibrosis improved by high-dose corticosteroid therapy, which was confirmed by bone marrow biopsy and suggests the pathogenic mechanisms for myelofibrosis.
著者
嶋守 一恵 近藤 啓子 小野寺 直人 佐藤 悦子 諏訪部 章 櫻井 滋
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.268-274, 2017-09-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
14

手指衛生は医療関連感染防止のために重要な感染対策であるが,その遵守は十分ではない.我々は,看護管理者に積極的な関与を促す「手指衛生向上プログラム」の導入が,擦式アルコール手指消毒薬(ABHR)使用率(L/1,000patient-days)とメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)発生率(件数/1,000patient-days)に与える影響を検討した.本プログラムは看護部目標の成果尺度として,ABHR使用率を一般病棟で15,クリティカル部門で30と設定し,各看護師長に目標達成を義務付けた.また,看護師長会議で毎月のABHR使用率とMRSA検出数を報告し,リンクナースと感染症対策室が目標達成の支援を行った.その結果,一般病棟のABHR使用率は,導入前の平成25年度は9.3であったが,導入後の平成27年度は17.5に増加し(p<0.05),目標を達成した.同時期のMRSA発生率は0.52から0.37に減少した(p<0.05).クリティカル部門のABHR使用率も,平成25年度の41.9から,平成27年度では78.8に増加し(p<0.05),MRSA発生率も1.84から1.63へと減少傾向を示した.以上により,手指衛生の推進を看護部の目標とし,病棟の中心的存在である看護師長の関与のもと組織全体が積極的に取り組むことが効果的であり,本プログラムは手指衛生の向上に有用であることが示唆された.
著者
近藤 啓吾
出版者
神道史学会
雑誌
神道史研究 (ISSN:05830702)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.p257-272, 1982-10
著者
穂坂 茂 間中 久美 岡田 純 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.52-57, 1993-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
11

&全身性エリテマトーデス(SLE)は男性にはまれな疾患である.今回,われわれは男性SLE 17例を対象に,その臨床像,血清学的および内分泌学的検討を行った.発症年齢,観察期間を一致させた女性SLEと比較して,男性例では日光過敏症が有意に多く(p=0.04),リンパ節腫脹と中枢神経障害がやや多かった.腎障害は同率であったが,ネフローゼ症候群が男性に多かった.白血球減少は女性例に有意に多かった(p=0.07)が,血清学的検査で男女間に有意差は認められなかった.治療内容では,男性例により多くのステロイドホルモンが必要とされた,われわれの男性SLEは女性例に比してやや重症である傾向がみられた.血中性ホルモン値では,従来報告されているestrogenの上昇を示す症例はなく,一部の症例で大量ステロイド剤や免疫抑制剤による精腺障害,視床下部-下垂体機能障害が疑われた.
著者
吉井 昭夫 北村 磨知子 古明地 智 近藤 啓文 柏崎 禎夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.1380-1387, 1981-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

多発性筋炎や皮膚筋炎(PM-DM)における問質性肺病変は,近年注目されてきたが,その病態はほとんど不明である.そこで本症の間質性肺病変の病態を臨床的ならびに免疫学的に解析した.なお,肺の間質性肺病変は厚生省肺線維症研究班・診断の手引きを用いて抽出した. 1)間質性肺病変は29例中15例(52%)にみられ, overlap群を除いた24例については11例(46%)に認められた. 2)間質性肺病変はその出現様式で2群に分けることが出来た,すなわち,肺病変が筋炎とほぼ同時期に発症したもの(5例),遅れて発症したもの(5例)および不明1例であつた.前者ではステロイド療法で肺病変が改善したものは, 4例中3例であつたのに対し,後者では改善例が1例もみられなかつた. 3)肺病変有り群は無し群に比べ, %VCおよびDLco値は低下していたが,肺病変無し群でも半数例以上は異常値を示した. 4)肺病変を有するPM-DMは,関節症状,心症状などの出現頻度が高く,多臓器障害性の性格がみられた.しかし,間質性肺病変と筋炎の程度との間には,相関は得られなかつた. 5)抗核抗体を家兎胸腺抽出物を抗原とし,二重拡散法で検索したところ, Tk抗体(Jo-1抗体)が肺病変群の36%に検出され,無し群では全くみられなかつた.したがつて,本症における間質性肺病変の発症に免疫学的機序の関与が推測された.
著者
近藤 啓介 杜下 淳次 桂川 茂彦 上井 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.581, pp.107-110, 2002-01-17
被引用文献数
4

Picture Archiving and Communication System(PACS)の環境下において、大量のデジタル画像を有効に活用するためには、撮影した患者の画像が正しい場所に保存されることが重要である。しかし、患者のID番号や氏名などの患者情報の誤入力が起これば、撮影した画像は、間違った患者の電子フォルダに保存されることになる。我々は、このようなファイリングミスを防ぐことを目的として、胸部X線写真を対象としたテンプレートマッチングによる患者の自動認識の手法を開発している。本研究では、テンプレートマッチングによる患者の自動認識の手法の精度を向上させるために、ソーベルフィルタによるエッジ強調画像を用いた手法について述べる。