著者
近藤 章 鈴木 伸幸 加藤 賢治 八木 清 水谷 潤
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.741-744, 2020-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
8

第4/5腰椎間に行ったLLIF例(L群)とPLIF例(P群)で検討を行った.L群の方が,P群と比べて術後椎体前縁椎間板高や術後前弯角,獲得椎間板高,獲得前弯角が有意に大きかった.しかしながら,術後1年での前弯角の損失はL群の方が有意に大きかった.骨癒合は術後1年ではP群の方が有意に良好であった.LLIFの方がPLIFよりも脊椎矢状面アライメントの矯正はしやすいが,矯正損失や骨癒合には注意を要する.
著者
近藤 章夫
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.649-674, 2004-09-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
41
被引用文献数
1 2

本稿では,松下電器のテレビ事業部門を事例にして,国内生産の縮小に伴う工場間分業の再編成と地域的に形成されてきた外注連関の変容を検討した.松下電器テレビ事業部門の生産体制は大阪府にある茨木工場と栃木県にある宇都宮工場で担われてきた.長らく両工場は量産拠点として機能してきたが,1990年代に入ると海外生産の進展から国内生産は縮小することになり,両工場の生産機能が明確に分化することとなった.また外注連関も工場間分業の変化と密接に連動しながら変化が生じている.外注連関は茨木工場と宇都宮工場とでおのおの形成されてきた.このことは,両工場の立地展開と密接に関連しながら協力企業が地域的に組織化されてきたことを意味した.しかし,国内生産の減少に伴い外注取引量が減少して域内の外注連関は縮小する一方で,協力企業の選別と淘汰が進み外注連関が広域化するなど,これまで地域的に形成されてきた外注連関は変容しつつある.
著者
鈴木 伸幸 水谷 潤 加藤 賢治 近藤 章 八木 清
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.737-740, 2020-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
3

近年,Lateral Interbody Fusion(LIF)手技の発展により,脊椎手術の手術時間と出血量の軽減が実現されている.しかし,その合併症の1つとして分節動脈損傷がある.今まで椎体側面の分節動脈の走行は研究され,注意喚起がなされてきたが,椎体前方でも,前方レトラクターの設置やAnterior Column Realignment(ACR)手技の際には重要であり,L1/2では89.1%,L2/3では81.0%,L3/4では34.5%と高頻度に分節動脈が椎間板と交差しておりこれらの手技の際には注意が必要である.
著者
近藤 章 田中 福三郎
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.211-216, 1989-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
12
被引用文献数
5 4

実験室内においてスクミリンゴガイを餌として与えた場合のヘイケボタル幼虫の発育と捕食能力,および寄主選択性について検討した。1) スクミリンゴガイで飼育した場合のヘイケボタルの飼育開始79日後における供試卵数に対する全幼虫数の割合は63.4%で,カワニナの場合(86.3%)よりやや劣るものの,幼虫はスクミリンゴガイで比較的良好に発育した。2) ヘイケボタル幼虫は全明・全暗条件にかかわらず,どの齢においてもスクミリンゴガイとカワニナを同程度に選択した。3) スクミリンゴガイの密度に対するヘイケボタル幼虫の捕食反応を,幼虫の齢と貝の大きさを変えて調べたところ,大部分の組合せで飽和型曲線を示した。幼虫の1頭1日当り最大捕食貝数は,ふ化数日後の貝では2齢幼虫で0.7頭,3齢で2.3頭,4齢で3.2頭であった。4) 貝の大きさと4齢幼虫の最大捕食量との間には直線関係が認められ,捕食可能な貝の最大殻高は1.1cmと推定された。
著者
近藤 章久
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.382-388, 1970-05-15

すでに,森田は,対人恐怖の患者を精密に観察して次のように述べている。「対人恐怖は,恥かしがることをもって,自ら不甲斐ないことと考え,恥かしがらないようにと苦心する『負け惜しみ』の意地っ張り根性である」1)。すなわち彼によれば,対人恐怖は第一に,恥かしがる性格傾向を持ち,第二に,その恥かしがる傾向を抑圧,否定しようとする「負け惜しみ」の意地っ張りの傾向をもつものである。
著者
馬場 敏幸 苑 志佳 相澤 龍彦 河村 哲二 近藤 章夫 兼村 智也 折橋 伸哉 佐藤 隆広 田中 美和
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

今年度はブラジルサンパウロ、ジョインビレ、カシアスドスルを訪問した。ジョインビレとカシアスドスルはこれまでの調査で判明したブラジルの金型クラスターである。ジョインビレはドイツ系移民による工業都市であり、ブラジル第一の金型集積地である。ブラジル金型工業会もジョインビレに位置する。ジョインビレの金型技術は大手配管メーカーと大手家電メーカーの部品成形およびそれらの成形のための金型作成を核として形成されていった。やがて蓄積された技術をもとにして自動車など他産業向けの金型作成も盛んに行われるようになった。ジョインビレでは金型メーカーおよび中核企業である家電メーカーの金型部門を訪問した。金型はドイツ・マイスター風の金型製作手法がとられ、製作される金型品質はグローバルレベルであった。カシアスドスルはプラスチック射出成形が盛んなイタリア系の移民都市である。金型製作はイタリアカロッチェリア風の金型手法がとられ、製作される金型品質は高かった。今年度の訪問により、これまでの企業のグローバル化および企業の成立・調達・技術系製などの経営学的・工学的知見に加え、ブラジル金型産業クラスターの成立という経済地理的観点からも大きな知見が得られた。特に興味深かった点は、金型クラスターごとに異なる形成経緯である。すなわち、コスモポリタン的な形成がなされたサンパウロABC地域は1950年代以降の自動車産業振興に伴って金型クラスターはコスモポリタン的に形成されたが、ジョインビレ地域はドイツ系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成され、カシアスドスル地域はイタリア系移民のもちこんだ工業蓄積と共に形成された。ブラジルの金型産業の形成・発展に「移民」のキーワードが重要であるとの点が明らかになった。これはアジア地域の地場民族による金型産業・クラスター形成とは異なるタイプの金型産業・クラスター形成であり、大きな発見であった。
著者
近藤 章 田中 福三郎
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.211-216, 1989-11-25
被引用文献数
5 4

実験室内においてスクミリンゴガイを餌として与えた場合のヘイケボタル幼虫の発育と捕食能力, および寄主選択性について検討した。1)スクミリンゴガイで飼育した場合のヘイケボタルの飼育開始79日後における供試卵数に対する全幼虫数の割合は63.4%で, カワニナの場合(86.3%)よりやや劣るものの, 幼虫はスクミリンゴガイで比較的良好に発育した。2)ヘイケボタル幼虫は全明・全暗条件にかかわらず, どの齢においてもスクミリンゴガイとカワニナを同程度に選択した。3)スクミリンゴガイの密度に対するヘイケボタル幼虫の捕食反応を, 幼虫の齢と貝の大きさを変えて調べたところ, 大部分の組合せで飽和型曲線を示した。幼虫の1頭1日当り最大捕食貝数は, ふ化数日後の貝では2齢幼虫で0.7頭, 3齢で2.3頭, 4齢で3.2頭であった。4)貝の大きさと4齢幼虫の最大捕食量との間には直線関係が認められ, 捕食可能な貝の最大殻高は1.1cmと推定された。
著者
加藤 恵子 近藤 章子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.91-97, 1976-03-15

以上をまとめると, 1.入学式に着用した衣服は,スーツとブラウスの組み合せ,ついでワンピースが多くみられ,衿の型はブラウスは白衿つきカラー,ワンピースはショール・カラー,スーツ,ブレザーはテーラー・カラーが多く,袖口の型はブラウス,ワンピースはカフスつき,スーツ,ジャケットは普通袖が高率であった.またスカートの型はフレアー・スカート,オール・プリーツの裾幅が広く,丈は膝下10cmが好まれていた.2.アクセサリー類は「つけなかった」が約半数であり,主調色は茶,ベージュ,黒,緑が多く,柄についてみると無地が半数以上を占めていた。3.購入する場合のポイントは63.5%の人がデザイン,外観について重視していた.調製方法は既製服が約3/4を占め,専門店と百貨店で97%が購入していた.購入価格についでみると, 38,000円が最高で注文服であった. JIS規格による取り扱い絵表示を見たのは57.5%であった.4.1ヵ月間の着用状況についてみると,1人平均着用枚数は最高ブラウスの6.0枚,着用率はブラウス,スカートの94.7%であった.また日常の組み合せ衣服は三服種が51.6%であった.5.式服着用頻度は0回が27.4%みられ,そのうち「着用しなかった服種」はワンピースの69.2%と高率であった.以上の結果,ライフサイクル,すなわち「モードの寿命」が短くなりつつある中で,被服設計上,合理的,経済的な衣生活をすることが増々重視されなければならない.そのような点について今後深く研究を進めていきたい.本調査に御協力下さった学生諸氏に深く感謝の意を表します.