著者
堀井 洋一 吉成 愛 中本 百合菜 郡司 ペギオ幸夫
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.31-38, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
13

The model of human's decision process by Bayesian Inference cannot represent the sudden change of the decision manner. Featuring novel Inverse Bayesian Inference, we modeled the decision process including sudden change, and evaluated the effectiveness through psychological experiments. In the experiment, the subjects progress in zigzag toward the goal in virtual 3D space by selecting the left or right. As a result, many unreasonable and sudden change decisions are observed. We show our model of decision process featuring Inverse Bayesian Inference can represent such a sudden change. We also examined examples applied to trends in stock prices and the influence of parameters of Inverse Bayesian inference.
著者
郡司 ペギオ幸夫
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.244-248, 2007-05-01

Floridiの情報実在論から出発して,認識論的構造実在(SLMS-シェーマ)に見出される存在論的寄与の意義を考察し,進化・変化を含意する実在として,その描像の可能性を述べる。存在論的寄与とは,対象・認識間の齟齬を,理論内部に,抽象レベルとモデル間の齟齬として持ちこんだものである。ここではその齟齬が決して解消されないことをもって,情報単位の解体・内省が導かれるという点を論じ,生化学サイクルの観察・モデル化の事例を用いて,情報実在論が本質的に階層間齟齬を内在する動的階層構造であることを明らかにしている。
著者
郡司 ペギオ幸夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回 (2008) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.112, 2008 (Released:2009-07-31)

直接知覚の表象世界を2^n ブール代数とし、その部分順序集合を論理的に閉じさせた論理を、意識のモデルとする。新たな情報の導入を計算資源節約のもとに定義すると、幾つかの論理的誤謬が得られることを説明する。
著者
浦上 大輔 郡司 ペギオ幸夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1H3GS1b01, 2021 (Released:2021-06-14)

リザバーコンピューティングにおいて時系列データの記憶と分類を担うリザバーは、臨界的な性質を持つことが望ましいと考えられている。しかし、一般的にあるシステムにおいて臨界性を実現するためにはパラメータの微調整を必要とする。一方、我々が提案している非同期セルオートマトン(AT_ECA)はそのようなパラメータ調整を必要とせず、臨界的な時空間パターンを生成する。また、AT_ECAをリザバーとする学習システムは、高い学習能力を有することが明らかになっている。これらを踏まえて、本研究の目的はリザバーの状態を解析するための指標を提案して、AT_ECAの臨界性と学習能力の関係を明らかにすることである。まず初めに、初等セルオートマトン(ECA)をリザバーとした場合について、臨界的な時空間パターンを生成する特定の局所ルールの学習能力が高いことを示し、そのリザバーの状態の特徴を上記の指標によって明らかにする。次に、AT_ECAをリザバーとした場合について、多くの局所ルールで同じ特徴が認められることを示す。これらの結果より、AT_ECAの高い学習能力はその普遍的な臨界性に由来することが明らかになる。
著者
西山 雄大 榎本 洸一郎 戸田 真志 森山 徹 郡司 ペギオ幸夫
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.18-24, 2013 (Released:2013-02-08)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Animal collective behaviours are regarded as emergent properties that result from local interaction between individuals in a swarm. Then we discern between individual movements and swarm behaviour. Dynamic swarm, however, might manage both of them in parallel. Swarm of soldier crabs seemed to change individual behavioural rules in water-crossing behaviours. We conducted experiments where the regular oscillations by soldier crabs resulted from collective movements triggered by cohesion. Then we focus on effects from a collective to individuals and vice versa. We demonstrate bidirectional characteristics that swarm of soldier crabs have.
著者
上野 修 永井 均 入不二 基義 古荘 真敬 青山 拓央 郡司 ペギオ幸夫 小山 悠 勝守 真 中野 昌宏 三平 正明 山田 友幸 重田 謙 入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

独在的<私>と独今的<いま>が非常によく似た仕方で現実概念の根本にあることが明らかとなった。<私>と<いま>が世界のどの個人、どの時点を開闢点とするかは偶然である。にもかかわらず、いったん開闢されるとその特異点は諸個人のうちの一人物と歴史時間の現在に位置づけられ、特異性を失う。そしてこのことがむしろ現実性の条件となっている。このような二重性は、言語の使用者がまさにその使用によって言語世界の限界内に位置づけられる、その仕方によって理解されねばならない。