3 0 0 0 OA 問いと物語

著者
入江 幸男
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46, pp.250-258,10, 1995-10-01 (Released:2009-07-23)

In Geschichtsforschung und Geschichtsphilosophie ist die Form der >Erzählung< als eine Erklärungsform der Ereignisse beachtet worden. Wenn wir erklären, warum ein Ereignis geschehen ist, müssen wir die Veränderung erklären. Eine Veränderung zu erklären bedeutet, die Mitte zwischen Anfang und Ende der Veränderung zu erklären. Diese Erklärungsform hat eine Form der >Erzählung<. Eine geschichtliche Frage, warum eine Veränderung geschehen ist, muß schon die Veränderung erwähnt haben. Die Antwort gibt eine Erklärung der Veränderung an und macht eine Erzählung erst vollständig. Aber in der Frage ist schon die Hälfte von der >Erzahlung< schon enthalten. Also ist in diesem Sinne die >Erzählung< nicht nur eine Erklärungsform der Geschichte, sondern auch die Form der geschichtlichen Frage.
著者
入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

近年、分析哲学からのドイツ観念論の再評価が注目を集めており、なかでもピッツバーグ大学のブランダムとカントとヘーゲルの再評価は、現代哲学にとって重要な意味を持っている。本研究では彼の仕事を引き継いで、さらに展開することを目指した。フィヒテの判断論の読みなおしによって、フィヒテにすでに意味の全体論が見られることを指摘した。また問答の観点から意味論を捉え直すことにより、ブランダムの意味論を拡張するなどの成果を得た。また本科研費で超越論的論証についての、国際会議を開催し、それの成果を出版(近刊)できる予定である。
著者
上野 修 永井 均 入不二 基義 古荘 真敬 青山 拓央 郡司 ペギオ幸夫 小山 悠 勝守 真 中野 昌宏 三平 正明 山田 友幸 重田 謙 入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

独在的<私>と独今的<いま>が非常によく似た仕方で現実概念の根本にあることが明らかとなった。<私>と<いま>が世界のどの個人、どの時点を開闢点とするかは偶然である。にもかかわらず、いったん開闢されるとその特異点は諸個人のうちの一人物と歴史時間の現在に位置づけられ、特異性を失う。そしてこのことがむしろ現実性の条件となっている。このような二重性は、言語の使用者がまさにその使用によって言語世界の限界内に位置づけられる、その仕方によって理解されねばならない。
著者
加藤 泰史 青山 治城 入江 幸男 大橋 容一郎 篠澤 和久 直江 清隆 舟場 保之 別所 良美 松井 佳子 松田 純 宮島 光志 村松 聡 山内 廣隆 山田 秀 高田 純 RIESSLAND Andreas
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究の研究成果としては、(1)現代価値論の観点から「尊厳」概念を絶対的価値として基礎づけることの可能性と重要性が明らかになったこと、(2)ドイツの「人間の尊厳」理解として義務論的なハーバマスにせよ(人間の尊厳/人間の生命の尊厳)、功利主義的なビルンバッハーにしても(規範的に強い意味での尊厳/規範的に弱い意味での尊厳)、「尊厳」概念は二重構造を持っており、それが一般的に妥当性を持つとして広く受け入れられていること、しかしまた同時に(3)ドイツの「尊厳」理解において身体性を重視する議論が新たに提示され始めており、この点で従来のパラダイムが転換する可能性があること、それに対して(4)日本の「尊厳」概念史がほとんど研究されていないことが判明し、本研究でも研究の一環としてそれに取り組み、一定程度明らかになったが、その根柢には「生命の尊厳」という理解が成立しており、それはきわめて密接に身体性と関連していて、この点で(3)の論点と哲学的に関連づけることが可能であり今後の重要な哲学的課題になること、(5)「人間の尊厳」概念から「人権」概念を基礎づけることの重要性が明らかになったこと、(6)近代ヨーロッパの「尊厳」概念成立に際してヨーロッパの外部からの影響が考えられうることなどを指摘できる。これらの研究成果は、まずは『ドイツ応用倫理学研究』に掲載して公表したが(第2号まで公刊済み)、第一年度の平成19年度以降各年度に開催されたワークショップやシンポジウムの研究発表をもとにして論文集を編纂して差しあたりドイツで公刊予定(たとえば、その内のひとつとして、Gerhard Schonrich/Yasushi Kato (Hgg.), Wurde als Wert, mentis Verlagが編集作業中である)である。そして、これらの論文集の翻訳は日本でも刊行を予定している。また、特に(4)に関しては、加藤/松井がこの研究プロジェクトを代表してドイツのビーレフェルト大学で開催されたワークショップ「尊厳-経験的・文化的・規範的次元」において「Bioethics in modern Japan: The case for “Dignity of life"」というテーマで研究発表した。さらに研究成果の一部は最終年度の平成22年度の終わりにNHK文化センター名古屋教室の協力を得て市民講座「現代倫理・「人間の尊厳」を考える」で江湖に還元することもできた。