- 著者
-
重松 伸司
- 出版者
- 追手門学院大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2003
I.平成17年度(第三次)の研究目的として、以下の研究課題についての補充調査を設定する。1.ペナンに拠点を置き、明治後期に横浜・神戸に在住したアルメニア人実業家A.M.Apacar氏について、その交易ネットワークと形成過程の資料・実地調査。2.シンガポールのアルメニア人コミュニティについて、文書記録の収集と墓碑銘の補充調査。II.上記の研究課題について、平成17年度には以下の現地調査、資料調査及び共同研究を行った。1.マレーシア・ペナンにおける旧アルメニア街の家屋配置とその遺跡保存の実地調査(平成18年1月7日〜1月9日)。なお、この調査はNPO「奈良町づくりセンター」主催の国際シンポジウム「アジアの町づくりを考える」(タイ、マレーシア、ミャンマー、英国、アメリカ、日本など約30名参加)に随伴して旧アルメニア街の実地調査に参加した。本調査では上記課題1の資料は確認できなかったが、新たにアルメニア街の実測と一部家屋の保存調査を行った。2.シンガポールのアルメニア教会における墓碑銘調査及びシンガポール国立公文書館における旧在アルメニア人の聞き取り調査記録の補足調査(平成18年3月12日〜3月16日)。本調査では、まずアルメニア教会内に現存する全アルメニア人墓地(後列18基、前列16基、風化約5基)の全墓碑銘について写真収録、アルメニア国花Vanda Miss Joaquimの発見者Agnes Joaquimの墓碑銘及び事蹟に関する資料同定を行った。3.シンガポール国立公文書館所蔵の文書資料Communities of Singapore (Part 1)-Oral History Interviewsに収録されたアルメニア人3名の聞取り記録の複写・分析を行った。4.以上の調査に関連する口頭報告としては、トヨタ財団助成式記念シンポジウム「隣人を知るプロジェクト」の招聘講演(平成17年10月2日)で調査活動の一部を報告した。5.また、ペナン在住のアルメニア研究家Clement Liang氏および東南アジアの日本人街研究家大場昇氏と共同で「マレーシアにおける日本人街・アルメニア人街」の講演会を行った(12月7日)。